こんにちは、みちょるびんです♪
名古屋在住の友人コウちゃんと愛知県陶磁美術館で合流。
早速、企画展「巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語 現代マイセンの磁気芸術」を鑑賞した。
みちょるびんは、今回、コウちゃんに久しぶりに連絡をとった際に、絵付師ハインツ・ヴェルナーの「アラビアンナイト」の絵が好きで、だからこの展覧会で彼の作品を他にもたくさん観てみたいのだと伝えていた。
だがその割に、みちょるびんは彼の名前すらまともに言えない始末で、説得力に欠けていたように思う☆
それでも、ステキなヴェルナーの作品の数々を実際に目の当たりにすると、コウちゃんも理屈なしにその美しさに引き込まれ、あれこれ勝手な批評をしながら一緒に展覧会を楽しんだ。
ヴェルナーがマイセン陶磁製作所で装飾デザイナーに登用されたのは1957年。
マイセン磁器製作所が創立250年を迎えた1960年に結成された、5名のアーティスト集団「芸術の発展を目指すグループ」の一人にも選ばれている。
驚いたのは、いろんな作風があったということ。
「昭和」を想起させるような雰囲気の絵柄もあり、コウちゃんは「似たようなものが実家にあった、今改めて見ると、かわいいね!」とその価値を見出していた。
幾何学的でモダンな印象のものもあった。
それらの作品にも、ヴェルナーの鮮やかな色使いは健在であったが、「アラビアンナイト」に魅了され、ヴェルナー・ファンになったみちょるびんとしては無機質な感じがして物足りなかった。
ヴェルナーは会社のおかかえ絵付け師であり、利益を上げるためには、社の方針に従って新作を発表しなければならないこともあったはず。
あまりにもテイストが違っていたので、本当に彼が好んで描いたものなのか!?と疑いを持ってしまった。
好きなことばかりするわけにはいかない―――。
それがサラリーマンの宿命なのだ・・・!
ヴェルナーのレベルになると、独立してアーティストとして自分の世界を表現するという道もあったのではないかと思う。
しかし彼は「マイセン」という300年続く伝統の上に立つことを選んだ。
結果的にその選択が、彼に名声を与えることになったのだとも思うが、そこに一職人としての彼の信念や謙虚さを感じた。
そういった姿勢はむしろカッコ良く感じられ、なんだか感動した。
彼が描く人物の線はとても緻密で繊細。
申し訳ないが、弟子とて、その領域にまで達するのは難しいように見受けられた。
また、技術もさることながら、ヴェルナーの感性は誰も真似できないものなのだとも思った。
「アラビアンナイト」はもちろんだが、今回初めて観た「ミュヒハウゼン(ホラ男爵)」も気に入った。
1960年代のマイセンでは、「芸術の発展を目指すグループ」の発足の一方、マイセンの長い伝統を守った製品も求められていたのだそう。
ヴェルナーは、かつてアウグスト強王の狩りの城だったモーリッツブルク城に蒐集されたマイセンコレクション、その中でも絵付師ヨハン・グレゴリウス・ヘロルト時代のものを熱心に研究したとされる。
そうして誕生したのが、ドイツで古くから親しまれてきた文学作品「ミュヒハウゼン」をモチーフとしたシリーズ。
その正確な題名は「ミュヒハウゼン男爵の水陸にわたる不思議な旅と遠征と愉快な冒険」で、実在したミュンヒハウゼン男爵が体験したとして披露した物語を1786年にゴットフリート・ビュルガーがまとめたものなんだとか。
ドイツでは古くから親しまれているのだそうで、映画や絵本にもなっているんだって。
装飾「ミュヒハウゼン」の表現方法は、ヴェルナーの初期の作品「スィートピーの文様」に見られる線描とは全く異なったもので、絵付けは繊細な筆使いが必要とされた。
この作品の特徴である黄色の地色はもちろん、動物や人物の青に添えられたカラフルな配色も線描時代には見られないものとのこと。
1974年に発表されたこの「ミュヒハウゼン」は、マイセン首脳部からも「これぞ新しいマイセンである」と高く評価され、後にヴェルナー自身「初めて首脳部に認められた装飾であり、とてもうれしかった」と語ったそうだ。
実際、この作品は大きな反響を呼び、国家芸術省・産業委員会より「Gute Form64」という称号を得ている。
またヴェルナーはこれを機に、1970年代後半にかけて、物語からインスピレーションを得た代表作「サマーナイト」「アラビアンナイト」などの新シリーズを次々と生み出しており、ヴェルナーはこの「ミュヒハウゼン」が突破口になったと話しているそうだ。
ところで余談であるが、展示品の中に、いくつかヴェルナーの写真や映像があった。
ヴェルナーはくせっ毛のようで、作業している時の髪はクルクルしていた。
一方、正装写真では特に前髪が几帳面にきれいに整えられていた。
ヴェルナーは「マイセン磁器300年展」(1980年)などの展覧会の開催時に3回ほど来日しているので、その時に撮影されたものではないかと思われたが、誰の発案かわからないが、少なくとも「整えた方がいい」といえ判断があったということだろう。
最近は富に髪が爆発しがちなみちょるびんは、妙な親近感を覚えた。
企画展を見終えたあとは、常設展や他の施設も見学した。
常設展では原始から現代までの日本陶磁のほか、世界各国の陶磁文化も紹介されていて、見応えがあった。
また、敷地内から発掘されたという平安時代から鎌倉時代の窯が見られる古窯館などもあり、珍しかった。
陶芸館では作陶体験もできるそうなので、美術館で一日ゆっくり陶芸の世界に浸るのも面白そうである。
訪れたのが平日であったお蔭か、空いていて自分たちのペースで回れたのも良かった。
とにかく館内が広かく、運動不足のみちょるびんは、結構早い段階で足が痛くなったことが難点であったが、愛知県陶磁美術館に来れてよかったと思った。
(つづく・・・)
以上、みちょるびんでした!
【参考】
「巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語 現代マイセンの陶磁芸術」(荒川正明監修、2025年)
「巨匠 ハインツ・ヴェルナー 食器装飾誕生の物語―「現代マイセン」はこうして出来上がった―」(勝川達哉著、2025年)