ダンス!

The 余興 of The 結婚披露宴(「係の仕事」編)

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こんにちは、みちょるびんです。

【結婚披露宴、当日(日記) その①】

 今日は、朝から思いの外、忙しかった。

 朝ご飯を食べた後、結婚式で着るワンピースにアイロンをかけたり、茶碗洗いしていると、あっという間に11時頃になり、慌てて髪をセットした。
 マニキュアも直前になったので、困ったことになった。
 バタバタしながら、12時半過ぎに教会に出かけて行った。

 教会の控室にいる妹は、とてもきれいだった。

 昨日の結婚写真の前撮りの時もきれいだったが、今日はもっときれいで、+α(プラス・アルファ―)なのか、とにかく、昨日よりも進化していることに驚いた。
 皆、口々に、きれいだと妹のことを言ってくれたが、お世辞ではないと思うのだ。

 世の「花嫁」は、皆、きれいなものなのかな・・・?

 皆で花嫁の写真をぎりぎりまで撮ったりしていたので、式の始まる直前まで、自分たちの座る席がどこかよくわからずに、ごたごたしていた。
 ばあちゃんのお葬式の時みたいに、仕切る係の人が誰もいなかったので、参った。

 落ち着かない感じの中、式が始まり、妹と父・パピーが入場してきた。
 二人とも、妙に歩く速度が早かった。

 私は、結婚式が始まる前に、ばあちゃんのバラの花を一輪、教会の敷地内にある「ルルド」(南フランスの町ルルドで起こった‘奇跡の泉’を模して、聖母マリア像を設置しているところ)に捧げていた。
 生前、ばあちゃんが、花が咲くのを楽しみにして育てていたバラだった。
 とにかく私の今日の願いは、結婚式で、聖書を間違わずに朗読し、結婚披露宴では、ダンスをスムーズに踊れること。

 聖書朗読もろくに練習していなかったので、少し、緊張したが、なんとかうまくこなした。

 さて、結婚披露宴。

 本番の今日も、朝から曲を聴いただけで、踊る暇がなかった。
 だから、何とか練習の時間を見つけたいと思っていた。

 結婚式が終わって、披露宴が始まるまでの間、2時間があった。
 その間に、何とか時間を作りたいと思い、参列者が休む式場控室では、自ら積極的に、皆に、お茶とお菓子をサーブした。
 また、受付をするようにも命じられていたので、受付台帳を控室に持って行き、皆にそれぞれ記帳もしてもらった。

 そうやって、15分程度であったとは思うが、時間を捻出した。

 私は、関係者に会わないように、控室と別のフロアの女子トイレに入り、持参したラジカセ(ラジオカセット)で曲を鳴らしながら、振りを合わせてみた。
 ぞっとすることに、振りを忘れて、ところどころ、ダンスがストップした。
 こんな調子で大丈夫なのか?
 もう少し、練習したかったのだが、人の気配を感じたので、断念した。
 それに、そろそろ戻って様子を見た方がいいだろうと思った。

 間もなく、集合写真の時間となり、皆で写真室に移動し、写真撮影した。

 その後、妹たちが司会者と打ち合わせをしていたので、私も余興の関係で司会者と話をした。

 ケーキ入刀の後が、余興タイムになるらしく、私は、妹がお色直しのために席を立つ前の、最後の発表者で、出番は5番目ということだった。
 この時、司会の人に、曲の入ったテープを渡した。
 練習が十分でなかったので、テープをここで渡してしまうのは不安だったが、もう、時間もないのだ。

 同じく余興をしてくれる従弟も、司会者に声をかけていた。
 従弟に何をするのか訊いたが、教えてくれなかった。
 ちょっと、お互いに敬遠し合う感じ。
 従弟も私が依頼したのと同じように、‘曲が先’(ステージに上がるより前に、曲を始める)だったので、ちょっと可笑しかった。

 従弟はもしかすると、余興では、‘トリ’を務めたかったのかもしれない。
 しかし、妹もおそらく、従弟の出し物を確実に見たいだろうと思ったので、私は、従弟の出番をトップバッターにすることを勧めた。
 その方が、宴が盛り上がるに違いない。

 余談だが、妹たちは、司会者より、届いた祝電の報告を受けていたようだった。

 妹の吹き出す笑い声が聞こえた。
 「色白チーム」からの祝電を知ったに違いない。

 「色白チーム」とは、私が、妹のぬいぐるみ達に付けたグループ名だ。
 白イルカなど、色白のぬいぐるみが複数いたので、そこから命名した。
 妹は幼少の頃から大のぬいぐるみ好きで、たくさんの数のぬいぐるみを持っていたので、時々、私は、本来‘心優しく穏やか’(という設定)の白イルカなどを‘性悪キャラ’な感じで操って、妹をからかって遊んだりしていたのだ。
 それで私は、「色白チーム一同より」として、祝電を送っていたのだ。

 色白チームからのメッセージは、「妹さん、ご結婚おめでとうございます。私たちも新居におじゃましますね」とした。
 なお、電報は、敢えて、ぬいぐるみ付のものにした。
 新居で始まる新しい生活に、これ以上、ぬいぐるみの数を増やしたくない妹に対する、「色白チーム」からの粋な計らい(嫌がらせ)になるはずである!

 さて、披露宴が始まってからは、私は、ビデオ係で忙しかった。
 プロのカメラマンにも撮影依頼はしていたが、これは、家族用だった。
 だから、私は、ご飯を食べたのは、前菜だけ。
 その後は、ほとんどビデオを撮っていた。

 それに、思いの外早く、ケーキ入刀の場面がやってきたのだった。
 妹は、白のウェディングドレスに、ベールの代わりに白い花を髪につけて、まるでジュディ・オングさんみたいに、華やかだった。
 それも似合っていた。
 ビデオのレンズ越しに見る妹は、耐えず、笑顔で、きれいで、本当に幸せそうだった。

 私は、ケーキ入刀のシーンまでビデオに収めると、母・マミーとビデオ係をバトンタッチして、すぐさま着替えに走った。

 会場のドアから外に出たところで、余興トップバッターの従弟と出くわし、ギョッとした。
 従弟は、裸(!)で、おむつ(!!)をしていた。
 「すごっ!」とコメントし、私は急いだ。

 司会者からは、ケーキ入刀から私の出番となる5番目までは、25分位と聞いていたが、私は、とにかく急いで支度した。
 私の前の4組の出し物が、3分とか短い場合だってあるかもしれないじゃないか。

 サッと着替え、ちょっとだけ、メインの振りをやってみて、早々にトイレに入った。
 緊張のせいか、今日は何度かトイレに行っていた。
 そうやって、あわてて披露宴会場に戻った。

 ドア越しに、会場内から「ピンク・レディ」の曲が聞こえた。
 しかし、どの曲なのかを認識している余裕はなかった。

 着替えた荷物を会場の外に置きっぱなしにはできないので、私はそっとドアを開けて、その隙間から、扉のすぐ内側に荷物を置いた。
 高砂席に座る妹と目が合った。
 司会者も、私がスタンバイしていることに気が付いたようだった。

 私は、いつ司会者に名前を呼ばれるかと気にしながら、会場外のドア付近に設置されていた大きな鏡の前で、ポーズのチェックをした。
 このポーズは、地元に帰ってきてから考えたものであり、下手すると、パッと出て来ないかも知れず、何度か練習した。
 メインのダンスの、歌詞の1曲目と2曲目の間の間奏のところは、振付は未完だったが、もう、適当にするしかないと思った。

 そこへ、照明係の人が、照明の件で、話しに来てくれた。
 ピンライトをお願いし、登場の時の1曲目とメインダンスの2曲目の曲の境で、一旦、照明を全て落とすように、それだけお願いした。
 そこだけできれば、上等だと思った。

 いよいよ、もう、次が出番だった。
 と、マミーがいきなり、会場から出て来た。

 ビデオのテープが切れそうだから、新しいテープに換える必要があると言うのだ。
 ガーンである。

 4番目の余興は、歌詞の2曲目から3曲目に突入していて、サビに入ろうとしていた。
 「マミー、次が、私の番だよ!」
 「えーっ、待ってもらって!」

 マミーは、そう言い残して、走り去った。
 着物の袖をはためかせて。

 どこに走って行ったのか、クロークか?
 時間がかかるのではないか?
 「待ってもらって」と言われても、私のこの格好で、場内に入って行くわけにはいかないと思った。
 それでは、曲を先に流してもらって、会場に乱入する意味がない。
 私が、「待った!」と言わなければ、曲は、始まってしまうだろう。
 ちょっと、後で、自分でもどんな様子だったのか見てみたい登場シーンは、ホームビデオには収まらないに違いない・・・。

 私は、腹をくくった。

 その時!

 駆けてくるマミーの姿が見えた。
 着物を着ているにもかかわらず、思った以上に早くマミーが戻ってきたのだった。
 幸い、前の人たちの曲はまだ終わっていなかった。
 これで何とかなる・・・。
 ホッとした。

 会場内に戻ったマミーは、案の定、ビデオのテープを換えるからと、「ちょっと待った」コールをしたようだった。
 さすが、マミー!!

 私は、緊張と、それから、着替えで走ったりしていたので、既に息が上がっていた。
 なので、何度か深呼吸して、自分を落ち着かせた。

 さぁ、いよいよ「ルパン三世」の曲が始まった!!

                       以上、みちょるびんでした!

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