宝石

(続)新☆誕生石!(10月:オパール)

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 こんにちは、みちょるびんです。

 前回の記事「ごみ!?」で、最近、みちょるびんが読書したことを紹介しました。
 約60年前と約35年前に出版された宝石関連の本2冊です。

 60年前の本「宝石」(崎川範行著、1963年、保育社)の中では、宝石の中に見られる内包物「インクルージョン」のことを「ごみ」という表現で記載されていたので、びっくりしたという話を書きました。
 なかなかの衝撃。
 これは、著者でいらっしゃる崎川範行氏を貶めようという意図があったわけではなく、「宝石」というタイトルが掲げられ、「宝石」に特化して書かれた本であることは明らかであったので、みちょるびんも専門書なのかなぁと思って油断していただけに、不意を突かれたといった感じで、とにかく驚愕したのです。

 とは言え、何だか、のんびりしていて、そんな呑気な感じが、いい時代だなぁとも思うわけです。
 昔の本は、そういうのもひっくるめて、読むのが楽しい♪

 さて、「宝石 ジェモロジー」(崎川範行著、1988年、保育社)の「序にかえて」の中でも説明されているように、筆者は元々は‘宝石の専門家’ではいらっしゃらない。

 簡単に筆者が‘宝石の専門家’みたいになった経歴を要約すると、次のとおり。
 最初に崎川範行氏が初めて宝石の本を書いたのは、1988年から更に遡ること30年前だったのだそうで、ご婦人向きの洒落た本のつもりだったのだが、ほとんどが宝石屋さん用の参考書になってしまったとのこと(「宝石」(東都書房))。
 そこで、もっと一般女性向きのやさしくて楽しい宝石の本をと依頼され執筆したのが「宝石のすすめ」(文芸春秋社)。
 この本がかなりの人気であったらしく、カラーブックスの「宝石」(崎川範行著、1963年、保育社)も頼まれたとのことで、これがみちょるびんが購入した本のうちの1冊というわけ。

 この本はなんと英訳もされ、海外にも売られたのだそう(こちらの本で「内包物」を「ごみ」呼ばわりしていたわけですが、さすがに英語では「インクルージョン」って訳したんでしょうねぇ!?)。
 それが縁で、筆者はコロンビア政府からムソなどのエメラルド鉱山視察に招待されたのだとか。
 そんなこともあり、崎川範行氏はなんとなく‘宝石の専門家’ということになってしまったのだそうです☆

 その後はいろいろな雑誌などから宝石の解説記事を頼まれることになり、和光のPR雑誌「チャイム銀座」に毎号「宝石誌」を連載。
 同連載が終了し、それをまとめて一冊の本にしたのが、みちょるびんが入手したもう1冊の本「宝石 ジェモロジー」(1988年)ということらしい。

 崎川範行氏は元々鉱物好きだったそうですし、まったく宝石とは無縁だったわけではないと思いますが、いろんなご縁があって、書籍を出版するに至ったわけですし、面白いものです。
 それに、やっぱり人気があったからこそ、次の展開を生んだわけで、そこには尊敬しかありません。
 コロンビア政府から招待されてエメラルド鉱山の視察に出かけたなんて、羨ましすぎる!

 最後に―――。

 みちょるびんが気になる、崎川範行氏の書籍の中でも紹介されていた’日本人女性がオパールに夢中になっていた’という事実(「新☆誕生石!(26:10月の誕生石)」)。
 せっかくなので、以下のとおりご紹介します。

【オパールのもつロマン】(写真の説明)
 にじのように青赤緑などにきらきらと輝くオパールはロマンチックな味があるからでしょう、日本の女性に好まれています。スコットの「湖上の美人」から、オパールは涙の石などといわれましたが、今はそんなことを気にする人もいないようです。

                 「宝石」(崎川範行著、1963年)(61頁)

 オパールという石はロマンチックな感じがしますが、悲しみの石だといって嫌う人もいるようです。もちろんそれは外国での話なのですが、スコットの湖上の美人かなにかの小説から生まれたジンクスだということです。今の若い人たちはそんなことを気にすることはありませんから、日本ではもっと人気のある宝石となっているようです。

                 「宝石」(崎川範行著、1963年)(62頁)

 青、緑、赤などの光が混じりあって美しく輝くオパールは、日本の女性に大へん好まれる石のようです。オパールの指輪をはめた婦人は実に多く見かけられますし、宝石店、デパートの宝石売り場など、どこでもオパールがとくに目立っているようです。

                 「宝石」(崎川範行著、1963年)(118頁)

 「オパールの指輪をはめた婦人は実に多く見かけられますし、宝石店、デパートの宝石売り場など、どこでもオパールがとくに目立っている」という当時の人(崎川範行氏)が実際に肌で感じた情報は貴重!

 次の書籍では、「日本人好みのオパール」とわざわざ見出しにもなっています。

【日本人好みのオパール】
 さて、世界で一番オパールを好むのは私たち日本人だそうである。欧米人にはスコットの『湖上の美人』という小説の影響とかで、この石を嫌う人もあるというが、日本人にはそんなことは関係がない。そして、オーストラリアやメキシコのオパールの大半が日本に輸出されているという。

          「宝石 ジェモロジー」(崎川範行著、1988年)(73頁)

                             以上、みちょるびんでした!

-宝石
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