ダンス! デッサン会 第一次仕事イヤイヤ期

第一次仕事イヤイヤ期(その89:「不純っすかね?」編)

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こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。

【誕生会の4日前(日記)】

 今日は、デッサン会を休んだ。

 もうすぐ、ダンスの先生の誕生日で、描いた絵をプレゼントするというアイディアもあったので、画材調達のため、ショッピングに出かけた。

 通常、デッサン会では、参加費として3千円、飲み会に4千円、計7千円がかかる。
 今日は、休んで、この浮いた費用で、少し買い物でもしようと思った。

 ずっと節約生活をしていて、買い物もあまりしていなかったのだ。
 お店で売られている小物が、何でもかわいく見えた。
 しかし、結局、買ったのは、仕事用の実用的なものだった。

【誕生会の2日前(日記)】

 夜は、先生の似顔絵に挑戦した。
 明後日の誕生会でプレゼントするかどうかは、出来上がり次第。

 下描きの段階では、ダメだと思ったが、色をつけると悪くないように思えた。
 ちょっとぽっちゃりした先生だが。

 髪の毛は、いつもよりうまく描けた。

【誕生会当日(日記)】

 今日はダンスの先生の誕生会。

 一応、描いた絵は持って来ていたが、どうしようか迷っていた。
 なんとなく、自信もなかったし、第一、先生が喜んでくれるかどうか、判断に迷ったのだ。

 職場の同僚数人に絵を見せて、反応を見てみた。
 いま一つ。

 ただ、人柄のいい先輩と後輩は、二人とも、上手、色がきれいと褒めてくれた。
 「先生は、絶対に喜んでくれますよ」と二人が口々に言うので、私も、少し、先生に渡す勇気が出てきた。

 夕方、素人ダンス仲間のYさんから電話があり、会場の前で待っているとのことだったので合流した。
 誕生会が始まって1時間半が経っていたということもあり、皆、談笑していた。

 さんざん、メールのやり取りをして、プレゼントをどうするかを相談したGさんは、結局、小さい植木を用意していた。
 Yさんは、手紙にしたらしい。
 でも、手ぶらの人も多かったようだった。

 いざ、先生に、絵を渡したが、あまりうれしくなさそうだった。

 「よく描くんですか?」と訊かれ、悩みながら、「時々」と答えた。
 「絵は、ちょっとね・・・」‘重いですよね’的な発言。

 やっぱりそうですよね・・・。

 先生は、私の絵自体があまり好きではなかったようだ。

 私もねー、どうかなぁと、自分でも思っていたわけ。
 でも―――。

 少しふっくらしているけど、まぁまぁ似ていると思うのだ。
 私としては、真剣に、丁寧に描いたつもり。
 背景も、‘未来が明るく開けている’というイメージで描いたし、明るいきれいな色だと思うのだが。
 個人的には、髪の毛の直毛の感じが、今までデッサンしてきた中で、今回が一番上手に描けたと自負している。

 職場の気のいい先輩は、「生きているみたい、動き出しそう」とまで言ってくれた。
 私も、そういう躍動感とでもいうか、そういうのは、表現できたのではないかと思う。
 そうそう、ベタッと死んでないの、活き活きした感じ。

 あーあ。
 自画自賛になっているね。

 「駅の周辺で見かける‘似顔絵’みたい」とも後輩が言っていたね。
 お調子者の私は、誉め言葉として、受け取っていたが。

 そう。
 本当は、少しだけ、先生にアピールしたかったんだよね。
 絵を描くのも好きなんですって。
 ちょっと、褒めてもらいたかったんだよね、先生に。

 もちろん、先生の誕生日を祝いたかったし、あれこれ悩んで、最終的に、絵をプレゼントすることに決めたのだ。
 これは、純粋な気持ち。

 だけどやっぱり、「『褒めてほしい、先生に注目してほしい』という願望がなかった」と言ったら、ウソになる。
 それが、きっと、敏感で、勘が鋭い先生には伝わったのでしょうね。
 そのイヤラシさが。
 モジモジしながら絵を渡すところが、逆に自意識過剰な感じがして、イヤラシかったのでしょう。

 Yさんは、帰り際、今日の誕生会では、私の絵に感動したと言ってくれた。

 Yさんは、純粋だ。
 私の不純な思惑には、気づいていないのだと思う。
 そういうところが、彼女の魅力である。

 「みちょるびんさんは、何でもできるんですねー。」

 Yさんはそう言ったが、私は、その言葉を先生に言わせたかったのかも知れない。
 まだまだな、私。

  最後に。
 誕生会には、有名な芸能人も来ていた。

 バースデーケーキが登場した際、彼は、皆の音頭をとり、「Happy Birthday to You」を皆に合唱させた。
 そして先生に、歌に合わせ、即興ダンスを踊ってほしい旨リクエストした。
 アップテンポにもして、2回歌ったのだが、先生は、最後まで踊らなかった。

 きっと、私なら踊ったと思う。
 笑いと言うか、その場を盛り上げるために。

 だけど、先生はしなかった。
 プライドもあったのだろう。
 いつだったか、先生が言っていたように、プロとして、適当には、踊れないというのがあったに違いない。

 それに、あの曲は、即興で踊るには、難しいように思う。
 マリリン・モンローのような、エンターテイメントを求めるのは難しそうだ。

 先生が踊らかなった理由を何やら言っていたようだが、よく聞こえなかった。
 まぁ、ある種、ご同情申し上げます。

                       以上、みちょるびんでした!

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