ハプニング

交信

投稿日:2021年2月3日 更新日:

こんにちは、みちょるびんです。

【ある日の不思議体験(日記)】

 昨日は、ぼんやりと亡くなった友人のことを考えているうちに、また悲しくなって、涙が出て来た。
 仕事の帰り、終電に間に合うよう、足早で、駅に向かう道すがら、何度かタオルで涙をぬぐった。

 日中、廊下で、別の部署の知り合いに会った時も、「大丈夫? 雲の上をふわふわ歩いているみたい」と指摘され、だから、到着した駅のホームで、ばったり、別の同僚に会った時も、生気のない顔をしていたに違いない。
 声をかけられても、すぐに焦点が定まらず、ぼんやりしていたのだ。

 その彼は、新しい配属先を報告してくれた。
 ちょっと変わった子だが、優秀そうで、エネルギーに満ちた感じである。
 以前、一緒に行ったことがあったランチの話も懐かしい。
 いい青年である。

 家に着いたのは、24時半過ぎ。
 正直、あまり覚えていない。

 顔も洗わずに、眠ってしまっていた。
 何度か目が覚めたが、起き上がって、洗顔したりする気になれなかった。

 化粧を落としていないことが気になっていたのか、いやな夢を見た。
 自分の顔が自分のものでなく、全く違う醜いものになっていて、怖かった。
 目が細く腫れ上がり、パンパンでぶつぶつ。
 恐ろしい。

 そんなわけで、翌朝、目が覚めると、またやばい時間になっていた。

 急いで支度し、玄関まで行ったのだが、そこで、花の水を換えていないことを思い出した。

 両親が田舎から遊びにきた時、母マミーが、帰る前に、花を活けてくれていた。
 その後に、友人の訃報を知って、その友人のために、新たに白いお花を追加したのだ。
 昨夜、水を換えようと思いながら、疲れて、そのまま眠ってしまっていた。

 出かけるのに、急いでいたので、一瞬迷ったのだが、友人の花がかわいそうに思えたので、やっぱり、水を換えてから出かけることにした。
 だから、約束の時間を遅らせ、いっそのこと、朝ごはんをゆっくり食べることにした。

 私が冷蔵庫のドアを開け、中から食材を出していた時、ガチャガチャと何かが動いて、触れ合う音がした。
 音の鳴った方を何気なく見ると、飾り棚の中に入れてあった、’振り香炉’が大きく揺れていた。
 音を立てながら、ゆっさゆっさ。

 その振り香炉は、10年位前に、海外のアンティークショップで購入したものだった。
 キリスト教の礼拝等で使用される香炉なのだそうで、旅行用と聞いていた。
 確かに、持ち運びがいいようにと考えられたものなのか、小さな作りをしていた。
 物珍しかったので、購入したのだった。
 振り香炉は、高さ15cm位の専用スタンドから、吊り下げられており、指ではじくと、その名が示すように、ちょうど振り子のように揺れた。

 だが、こんな風にガチャガチャと音をたてて揺れ動いている姿を見たのは、今日が初めてだった。
 私が冷蔵庫の前に立った時、下から突き上げるような感覚もあったので、一瞬、地震かとも思ったのだが、周りと見回しても、大きく揺れているのはその振り香炉だけだった。
 と、言うか、’大きく’も何も、他は、全く、動いてもいなかったのだ。

 ただ、香炉だけが、揺れていた―――。

 私は、もしかすると、亡くなった友人が会いに来たのかも知れないと思った。
 昔見たテレビの心霊番組で、霊が、その存在を知らせるために、風もないところで、壁に掛けていたカレンダーを、左右にゆらゆら揺らしたのだ。
 だから、これは、あの時にテレビで見たものと、同じ現象なのではないかと思った。
 しかし、テレビでは、かすかに揺れた程度であり、こんなに音を激しく立てて、明らかに動いているというようなものではなかった。

 にわかには信じがたい。

 私はテレビをつけて、地震情報をチェックしてみることにした。
 あれだけの’揺れ’なのだから、地震の可能性も否めないと思ったのだ。

 しかし、テレビでは、地震を伝えている局はどこもなかった。
 やっぱり、友人なのだろうか・・・・?

 「会いに来てくれたの?」と呼び掛けると、それに応えるように、わずかではあるが、揺れが大きくなったように思えた。
 私はまた、涙が溢れだし、止まらなくなった。

 友人は、私のところには、会いに来てくれないのだろうと、思っていたのだ。
 突然の訃報を知ってから、「夢に出て来て!」と何度頼んでも、現れてくれなかったし、第一、私のことに腹を立てているのだろうと思った。
 ここ何年もの間、もうずっと、音信不通にしていたからだ。
 不義理な私に、腹を立て、嫌われてもおかしくないと思った。
 それに、友人には、見守るべき家族がいるから、そちらの方で手いっぱいだったとしたら、それは仕方がないとも思えたのだ。

 もう、友人とは二度と会えないと思っていた。
 だから、私のところに会いに来てくれ、こんな風にして、私にわかるように知らせてくれたのだとしたら、とてもうれしいことである。
 あまりにも突然すぎて、心の整理がつかなかったし、私は自分のことを責めてもいたから、何か、救われたと言うか、ホッとした。
 昔みたいに、憎まれ口をたたいて、一緒に笑い合えたような、そして、これからもそれができるような、そんな気がした。

 友人は、私に何がしてほしいのだろう。
 友人のために、私は、何ができるだろう。

 友人の代わりに、残されたご家族を支援することだろうか。
 友人は、残してしまったご家族のことが心配に違いないのだ。
 優しい、家族思いの友人だった。

 友人は、こうやって、いつでも私に会いに来てくれる?
 それとも、いつも、天国にいないとだめなの?
 49日が過ぎたら動けないとかいうようなルールがあるの?
 次に生まれ変わる準備とかあるの?

 今日は、来てくれてありがとう。

【その翌日の日記】

 今日が誕生日という人がいた。
 年齢を訊くと、亡くなった友人と同い年だった。
 その人の誕生日を皆で祝ったが、とても複雑な気持ちになった。

 私は、昨日から、変なことばかり考えている。

 何とか、また、亡くなった友人と交信できないか、とか。
 コンタクトについては、かなり本気だ。

 だけど、こういうところがいけないというか、ちゃんとその事実を受け入れて、克服しなければならないことなのではなかろうか。
 私がこういうことを考えてばかりいると、友人も、いつまでも安心して天国に行けないのではないか。
 それに、あんまり長い間、こっちの世界に引き留めるのも、友人のためには良くないようだった。
 恐ろしい霊に変化することがあると、テレビ番組で聞いた気がする。
 心優しかった友人を、そんなものにはさせられない。

 私は、いつの日か、友人とまた再会できる日が来るだろうか。
 天国で?

 「輪廻転生」とか言って、人は何度か生まれ変わると言うけれど、私も、既に何回目かの人生を生きているはずだろうけど、前世のことは全く覚えていない。
 と、言うことは、私は次に、友人に会えたとして、’友人’としてちゃんと認識できるかどうかは疑問。
 私が過去を忘れているように、友人のことも、私は忘れてしまうのかも知れない。

 みちょるびんという意識のあるうちに、もう二度と友人に会えないのは、とても残念。
 とても残念・・・。
 とても残念・・・。

                       以上、みちょるびんでした!

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