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「或る列車」(1)

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 こんにちは、みちょるびんです。

 九州を走る、極上の”食・時・おもてなし”を味わうことができる幻の列車―――。

 「九州鉄道」(当時)が、アメリカのブリル社に豪華客車を発注したのは1906年。
 しかし、その後まもなく「九州鉄道」が国有化されたことにより、「九州鉄道ブリル客車」はさほど走ることもなく活躍の場を失ったのだそう。

 そして、2015年夏。
 100年の時を超え、鉄道をこよなく愛する人たちの手によって、当時の日本で最も豪華な設備を備えていた“幻”の豪華客車が、九州に蘇りました。

 それが、「或る列車」です!

 「或る列車」は、世界的な鉄道模型の神様といわれた故・原信太郎氏が一度だけ見たことがあるという、その‘幻の客車’を再現した模型を元に製造されたものです。
 この模型は、完成までに7年の歳月を要したという逸品で、同氏が設立した横浜市「原鉄道模型博物館」で見ることができます。
 この模型を、同博物館副館長の原健人氏の監修のもと、1/1スケールで再生させ、水戸岡鋭治+ドーンデザイン研究所がデザイン・設計しました。

 モデルとなった「九州鉄道ブリル客車」は木造車体で、実は製造当時の車体色は青もしくは黄緑色だったとも伝えられているそうなのですが、正確な塗装は不明らしい。
 原氏は、その模型を職人に製作させる際に、塗装をさせなかったのだそうで、その結果、同模型は真鍮素材の地色により金色を呈しているとのこと。

 幻の列車を現代に蘇らせるに際し、「原鉄道模型博物館」とタイアップを行ったという経緯もあったことから、JR九州では、「或る列車」の車体色は実車ではなく、模型に寄せた金色をベースにすることにしたのだそうです。
 事実、「或る列車」の車両の外観デザインには、金と黒、唐草模様があしらわれていて、とても華やか。

 そうやって質の高いオンリーワンのD&S列車「或る列車」が誕生したというわけです。

 因みに「D&S列車」とは「デザイン&ストーリー列車」の略で、「デザインと物語のある列車で九州を楽しむ」ということをコンセプトに作られた、いわゆる観光列車を指します。

 同「D&S列車」を紹介したJR九州のサイトを見ると、その数なんと11つ。
 その中には、本2022年9月23日の運行開始を予定している、佐賀県と長崎県という“ふたつの星”を結ぶ「ふたつ星4047(よんまるよんなな)」も加えられています。
 この名前にある数字の由来は、使われている車両が「キハ40、47形」というところからきているのでしょうか!?

 ところで、2022年9月23日。
 この日、九州では、もう一つの伝説が誕生する・・・。

 それは、同じく佐賀の武雄温泉駅と長崎駅を結ぶ「西九州新幹線」!

 これら2つの列車は、同じ‘2つ星’を結んではいますが、走行ルートがそれぞれ異なります。
 内陸の「山」を走る「西九州新幹線」に対して、新D&S列車「ふたつ星4047」は「海」に面したルートをとるとのこと。
 しかも面白いのは、「長崎本線経由」と「大村線経由」の“ふたつ”の運行ルートが用意されており、この“ふたつ”のルートを巡って、ぐるりと西九州エリアを1周できるという内容♪
 西の「大村湾」と東の「有明海」という美しい海の表情をダブルで堪能できるという、にくい演出となっています。

 隠れ「乗り鉄」みちょるびん、日本に帰ったら、乗りに行かなきゃ!! 

 この7月、日本に一時帰国した際に、みちょるびんは、みちょるびん企画「5泊6日の九州旅行」を満喫してきました。
 そしてこの時に、奇しくも長崎駅と佐賀県武雄温泉駅の両方を利用したんです!

 ちょうどねぇ、両駅とも西九州新幹線の運行開始にあわせ工事が進められていましたが、武雄温泉駅では、準備中の駅構内の様子を窓越しに見ることができたんですよ。
 その貴重な場面もバッチリ写真に収め、みちょるびん、ご満悦♪
 本記事のアイキャッチ写真に使いましたので、ご覧ください!

 さて、少し話がそれてしまいましたが「或る列車」に話を戻しましょう。

 2015年の運行開始当初は、「或る列車」は「スイーツ列車」として、長崎を出発/帰着地に走っていたという記憶がみちょるびんにはあります。
 そうそう「大分コース」というのもありました。
 その後、「ハウステンボスコース」などもできたらしい。

 実はこの「或る列車」、もともとは超豪華列車「ななつ星 in 九州」に続く観光列車として、「気軽に乗れる」をコンセプトに計画されたものだったのだそうです。
 しかし、2013年10月に「ななつ星」の運行が開始されると、あまりにも好評であったため、当初のコンセプトが変更され、現在の形による「或る列車」が誕生することになったとのこと。

 2015年の「或る列車」運行開始以降、海外に住んでいるみちょるびんは、日本に一時帰国する機会があるたびに、「或る列車」への乗車を検討してきました。
 しかし、運行日が限られており、また、せっかくなら終着駅などを観光・宿泊するなどしたいという欲張りな野望があるなどして、これまでなかなか日程が合わないという状況が続いていました。

 だけど、今回の一時帰国では、約1ヶ月という長い休暇がもらえたので、逆に「或る列車」をメインに旅程を組むことを決め、何よりも先に、運行表とにらめっこするということをしました。

 実はその時に初めて、今は「スイーツ列車」ではなくお食事列車にリニューアルされていることを知りました。
 そして運行ルートも「博多-湯布院間」に変更になっているということを。
(つづく・・・)

                             以上、みちょるびんでした!

【参考】
或る列車」(JR九州HP)
或る列車」(ウィキペディア)
デザイン&ストーリー D&S列車の旅」(JR九州HP)

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