こんにちは、みちょるびんです。
「日本の誕生石」が63年ぶりに改定されました。宝石鑑別のディプロマを持つみちょるびんが、「誕生石」として選ばれた‘栄えある宝石’たちについて、独断と偏見を交えながらご紹介したいと思います!
「ガーネット(1&2)」「クリソベリル」「アメシスト」「アクアマリン」「モルガナイト」「サンゴ」「ブラッドストーン」「サードニクス」「ダイアモンド(1&2)」「タンザナイト」「アイオライト」「エメラルド」(「日本の国石」)「ヒスイ」「真珠」「ムーンストーン」「アレキサンドライト」「ルビー」「スフェーン」「スピネル」「ペリドット」「サファイア」「クンツァイト」に続く、第25弾!!
トルマリン
「電気石」という和名を持つ「トルマリン」。
熱や摩擦、圧力を加えると電気を帯びてチリやほこりを吸い寄せる性質があります。
また、マイナスイオンを発生すると言われ、医療器具や健康グッズなどにも使われているとのこと。
みちょるびんが昔連れて行ってもらった、本格的なパワーストーンのお店―――。
素敵な石がたくさんあって、目移りしながら石選びをした後、石のソムリエ的なお店の人にそれらを持っていったら、「エネルギーバランスがみちょるびんには不釣り合い(石の方が強い)」と一蹴され、「トルマリンのネックレス」を勧められたことを覚えています。
‘邪念’の多いみちょるびんは、まずは、‘気の流れ’をよくすることが先決ということでした。
あの時、あのトルマリンのネックレスを買っていたら、もう少し、人生は、より良い方向に向かっていたのでしょうか!?
せめて、肩こりは解消されていたでしょうか!?
今となっては「電気石」の威力が気になるところです☆
(「第一次仕事イヤイヤ期(その45:『はじめてのパワーストーン』編)」ご参照)
と、初っ端から、ちょっとショボい思い出を披露してしまいましたが、ショボいのは「トルマリン」ではなく、みちょるびんの方。
トルマリンは、そのカラーバリエーションが他の宝石には類を見ないくらいに豊富で、そこが、トルマリンの最大の魅力となっています。
また、「パーティ・カラー」と呼ばれる、1つの石の中に、2種類以上の色が見られる珍しいものもあります。
よく知られて人気があるのは、ピンクとグリーンのコンビネーションがまるでスイカのような「ウォーターメロン」です。
パーティ・カラーは、実に、15種類もの違った色や色合いを示すものもあるのだそうで、トルマリンの楽しい特性だと思います。
みちょるびんも、トルマリンは大好きで、20代の時に手に入れた、今でもお気に入りの指輪があります。
店員さんが、色を「icy green」(氷のような冷たい緑色)と表現したことが印象的で、確かにクールな緑色が魅力的でした。
照明効果もバッチリな宝石店の環境下で、ラウンド・ブリリアント・カットにされたその石の角度を変えると、石がキラキラと輝いて「ダイアモンドみたい!」と、つい、みちょるびんは興奮してしまいました。
それに対し、それまで好意的だった店員さんからは何の反応もなかったのですが、宝石鑑別の勉強をした今だからこそ、みちょるびんは、店員さんの様子に合点がいきます。
つい、素人的には、美しければ何でも、その輝きを「ダイアモンドみたい」と形容してしまいがちなんですよね☆
いや、みちょるびんは、本当にその美しさに感動していたので、みちょるびん的には、最上級の誉め言葉のつもりだったのですがね。
しかし、トルマリンには、ダイアモンドのような虹色の光(ファイア)はありませんし、ましてや濃い緑色の天然ダイアモンドなんて、雲の上の存在なわけで。
だから、「ダイアモンドみたい」なわけはないのですが、とにかく、みちょるびんは、最上級にトルマリンの美しさに感動したことは間違いなかったのです。
それからだいぶ時間が経ち、次に宝石店でひとめぼれしたのも、やっぱりトルマリンでした。
とても手が出だせる値段ではなく、眺めるだけに終わりましたが、色彩豊かなトルマリンの魅力は、本当に尽きません!
とね、みちょるびんの愛するトルマリンを、もっと的確に、格好よくご説明したいところなのですが、またも「グループ」なる‘ワード’の登場です!
良かれと思って、‘ガーネット紹介’で、「グループ活動(?)している石は珍しい」と強調していたのですが、「ムーンストーン」でも出てきていましたし、本当は、それ以外の宝石にもあったのですが、その石の説明に、直接的に影響はなかったので、独断で闇に葬りました。
もうないだろうと油断していたら「トルマリン、お前もか!?」って、みちょるびん、しばし動揺中です。
石の説明をするために、昔の宝石鑑別の教科書を読み直しているのですが、複雑すぎてちっとも、頭に入ってこないし、どう説明したらいいのやら・・・。
みちょるびんがバイブルと仰ぐ「地球自然ハンドブック:宝石の写真図鑑」(1996年、キャリー・ホール著)を参考にしようと思ってよく見たら、トルマリンの‘化学組成’は「複雑なホウ珪酸塩」という記載になっていました。
他の石は、ちゃんと具体的な明記があるのに、です!
お偉い専門家の人すら、「複雑な」と言葉を濁すのですから、みちょるびんごときが簡単に理解・説明できるはずがありません!
時間がない中、調べてみたら、同書で紹介されている130石のうち、トルマリン7種以外に「複雑な」として紹介されていたのは、3石だけ(‘複雑な組成の珪酸塩’の「スカポライト」「アウイン」と、‘複雑なホウ珪酸塩’の「アキシナイト」)だけでした。
つまり、だから、それだけ、’複雑’なのです、詳細はご容赦ください!
んーっと、ちょっとだけ、かいつまむと、トルマリングループには、30を超える鉱物種があるのだそうで、その中でも宝石種としてよく登場するのは、リチア電気石(エルバイト)、苦土電気石(ドラバイト)、鉄電気石(ショール)などに絞られるようです。
が、しかし、そもそも、トルマリンは、鉱物種名に関係なく「色にもとづいて区別されている」ということなんですね。
よかった、これならできそうっ!!
っというわけで、簡単に、トルマリンの色をご紹介。
トルマリンを一気に高級宝石の仲間入りにさせてくれたのは、「ネオン・ブルー」や「エレクトリック・ブルー」と賞される「パライバ・トルマリン」。
1990年代に彗星のごとく現れたこの魅惑的な色のパライバ・トルマリンは、生産が安定しておらず、生産量も少ないことから、あっと言う間にお値段が跳ね上がったと言われています。
さて、色石の宿命、「他の石と混同される」という悲運は、トルマリンも同じです。
色の守備範囲が広いと、それだけ、勘違いも増えてきます・・・。
そもそも「トルマリン」という名前が、それを暗示しているかのようです。
トルマリンの名前の由来については、「シンハラ語の‘トゥルマリ’(turmali)にある」という点は、多くの方が一致した意見のようです。
しかし、その理由は「‘混ざり合った’というその言葉の意味から、他の宝石と混同され一緒にされてしまったから」や「もともと‘イエロー・ジルコン’を指す言葉で、ジルコンとトルマリンが混合した石を呼ぶ際にも使われていたが、現在ではトルマリンのみを指す言葉になった」など、定かではありません。
しかし、共通して言われていることは、やっぱり「トルマリンは、他の石と混同されていた」ということです。
例えば、赤い色の「ルベライト」は、ラテン語で「赤い石」を意味しますが、赤代表・ルビーと混同されていました。
また、緑色のトルマリンなら、緑代表・エメラルドとも混同されました。
黄色の場合だと、ジルコンと混同されていたわけですしね。
そんなトルマリン、「インディコライト」の藍色、「アクロアイト」の無色、「ドラバイト」の褐色、「ショール」の黒など、他にも、各色取り揃えております♪
以上、みちょるびんでした!
【参考文献】
「宝石 その美と科学」(1972年、近山晶著)
「地球自然ハンドブック:宝石の写真図鑑」(1996年、キャリー・ホール著)