こんにちは、みちょるびんです♪
みちょるびんはこのところ、合成スピネル「エリナイト」に関する記事を書いていました。
そもそもみちょるびんが「エリナイト」という名前を知ることになったのは、2つの古い書籍「宝石 その美と科学」(1972年、近山晶著)と「宝石」(崎川範行著、1963年)(「ヒシヒシ。(75)」)。
書籍「宝石」(崎川範行著、1963年)には、「合成誕生石のいろいろ」として12個の合成石の写真が名前とともに掲載されていました。
書籍の中には特に説明はありませんでしたが、ネットを調べたところ、この合成誕生石は「ホープ誕生石」と呼ばれているということがわかりました。
以下、一覧表にしてみたのでご覧ください。
なお、石の名前はそのまま本から転記しています。
また( )内は、その合成石そのものの名前を記載していますが、みちょるびんが付したものです。
【ホープ誕生石】
1月 アレキサンドライト(カラーチェンジする合成コランダム)
2月 ヴァイオレット(紫色の合成コランダム)
3月 ブルースピネル(濃青色の合成スピネル)
4月 ホワイトジルコン(無色の合成スピネル)
5月 エメラダ(黄味の強い黄緑色の合成スピネル)
6月 セイロンサファイア(淡い青色の合成石)(乳白色の合成スピネル) (注)
7月 ルビー(赤色の合成コランダム)
8月 エリナイト(淡い青緑、またはミントブルーの合成スピネル)
9月 サファイア(青色の合成コランダム)
10月 ロージルコン(ピンク色の合成スピネル)
11月 ゴールデンサファイア(黄金色の合成コランダム)
12月 ジルコン(淡い青色の合成スピネル)
「宝石」(崎川範行著、1963年)では10月は「ロージルコン」とありましたが、ネットでは「ピンクサファイア」と記しているサイトも散見されました。
「ピンクサファイア」であれば、( )内は「合成ピンクサファイア」になるのだと思います。
しかし、「宝石 その美と科学」(1972年、近山晶著)の中に「合成ジルコンと商業的に呼ばれた各色の石はすべて合成スピネル」という記述がありました。
10月が「ロージルコン」ということならば、前述のとおり、合成スピネルになるのだと思います。
また、6月の「セイロンファイア」を「スリランカサファイア」と記載しているサイトもありましたが、スリランカは以前、セイロンと呼ばれていたので、これは同じことですね。
しかし、この合成石は、いずれのサイトも「乳白色の合成スピネル」と記してありました。
みちょるびんはこの点について、疑問を持っています。
だって、‘乳白色’と言うと、一般的には不透明な白っぽい色を想像すると思うのです。
でも、写真の中の石は、青色をしており、且つ、不透明石には見えない。
スリランカ産サファイアの色は、少し紫がかったブルーが多いと言われており、その色はセイロンブルーと呼ばれ、高く評価される。
なんだか、写真の中のセイロンサファイアも、うっすら紫色が入っているような気がしてきました・・・???
いずれにせよ、3月のブルースピネル(濃青色の合成スピネル)や9月のサファイア(青色の合成コランダム)のように、石の彩度が高くはなく、抜け感のある青色のように写真では見えます。
因みに、合成スピネルの色を紹介していたサイトを発見したのですが、そこでは「スリランカサファイアタイプ(淡青色)、ムーンストーンタイプ(乳白色)」となっていました。
本の写真の色だとか、総合的に判断して、やっぱり「セイロンサファイア」は‘淡い青色’が正しいように感じられるので、「淡い青色の合成石」としました。
‘サファイア’っていうのだから、石は合成サファイアが有力ではないかとも思いますが、色はさておき、他のサイトでは合成スピネルと説明されており、合成スピネルも捨てきれない。
どちらかわからないので、ここは「合成石」としました。
さて、誕生石に詳しい方がこの「ホープ誕生石」表を見ると、違和感を覚えるはずです。
そう、私たちに馴染みのある誕生石とは異なるんですよね・・・。
みちょるびんは以前、日本の誕生石が改定された時に「新☆誕生石」シリーズを記事にしたことがありますが、新しく加わった宝石の方ばかりにフォーカスし、不覚にも、一覧表として掲載していなかったことに気づきました。
ってことで、2021年12月20日に改定される前の我が国の誕生石一覧はこちら。
ホープ誕生石を( )内に記し、その違和感を書いてみました。
【改定以前の日本の誕生石】
1月 ガーネット(アレキサンドライト:??)
2月 アメシスト(ヴァイオレットサファイア:〇)
3月 サンゴ、アクアマリン(ブルースピネル:△青系だが色が濃い)
4月 ダイアモンド(ホワイトジルコン:〇無色透明)
5月 ヒスイ、エメラルド(エメラダ:△緑色が出せなかった?)
6月 ムーンストーン、真珠(セイロンサファイア:??)
7月 ルビー(ルビー:〇)
8月 サードニクス、ペリドット(エリナイト:△緑系だが青みあり)
9月 サファイア(サファイア:〇)
10月 オパール、トルマリン(ロージルコン:△ルベライトのつもり?)
11月 トパーズ、シトリン(ゴールデン・サファイア:〇)
12月 トルコ石、ラピスラズリ(ジルコン:△青系だが透明)
以上、みちょるびんでした!
(注)その後、書籍「宝石」(崎川範行著、1963年)を眺めていたら、天然石と合成石がそれぞれ記載された「誕生石」一覧表が掲載されているのを7頁目に見つけました。その表では、合成石「セイロンサファイア」の色は「乳白」となっていましたのでお知らせします。
なお、85頁の「合成誕生石のいろいろ」と題した写真の中の「セイロンサファイア」は、乳白とは言い難い淡青色をしておりますところ、悪しからず!(2023年10月1日)