こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【即興バトル、4日前の日記(前編)】
週末の休みを利用して、妹夫妻と一緒に、河口湖湖畔に、一泊旅行に出かけた。
ありがたいことに、義弟が車を出してくれた。
二日目の今日は、義弟の希望で、富士山を見に行くことになった。
妹は買い物し足りなくて、再度アウトレットモールに行くことを主張したが、敢え無く却下。
私も買い物には関心があったが、でも、今日は晴れていて、とても富士山がきれいに見えたし、富士山に行くことに異論はなかった。
初めての五合目。
富士山の五合目なので、当然だが、富士山山頂はすごく間近に見えた。
さすがに12月ともなると、寒く、道路の脇には雪が積もっていた。
売店で、用を足そうと思い、トイレに行った。
すると、海外みたいに、トイレの入り口に係員がいて、使用料を徴収された。
そして驚いたことに、トイレには、水がなかった。
トイレに貼り出してあった看板によると、富士山には、水が全くなく、河口湖から水を買ってトラックで運搬してきているのだそうだ。
考えてみると、そうなのかも知れない。
だから、富士山の喫茶店で、コーヒーが飲めるというのも、特別なことのようだった。
私は、面白かったので、トイレの看板等を写真に収めた。
売店には、なぜか、ハチマキが売られていた。
妹は、面白がって、今後、起業することを願って’一番’と書いてあるハチマキを選び、私も、この後、ダンス教室に行って受ける「即席即興バトル」のオーディション合格を祈願し、’合格’ハチマキを買うことにした。
そして妹に、オーディションの時は、是非、この’合格’ハチマキを巻いて臨んでほしいと言われた。
普段からダンスレッスンを一緒に受けている仲間とは言え、みんなの前でこのハチマキをするのは、結構な勇気のいることなのだが・・・。
神社があった。
「冨士山小御嶽神社」と言うらしい。
「富士登山する人たちが、山の神に登山の無事を祈るのか?」とも思ったが、富士山五合目は、山岳信仰の聖地とされる小御岳の山頂にあたるらしい。
鎮座されてから、既に千年以上が経つのだそう。
因みに、小御岳は富士山より古い山で、小御岳と古富士が土台となって噴火を繰り返し、現在の富士山の姿になったらしい。
神社では、おみくじを引いた。
小吉。
「霧が晴れるので、がんばれい」とか、そういう内容か。
恋愛運を見ると、「あまり深入りするな」となっていた。
そして、縁談運は、「後の方が長続きする」と。
まるで、お告げのよう。
私は、少し、その内容にがっかりしたし、’たかが’おみくじだとも思ったが、でも、なんとなく、ずしりとその言葉に重みを感じたのだった。
おみくじの予言が当たるかどうかは、半信半疑であるが、でも、やっぱり、今は、恋愛成就の可能性は低いのかも知れない。
「深入りするな」と言うことは、「これ以上、後追いするな」あるいは、「余計なことは、何もするな」ということであろう。
車を運転してくれている義弟は、今夜のダンス教室のことを心配してくれ、富士山五合目観光の後は、寄り道せずにまっすぐ帰ってくれた。
私を家まで送るとも言ってくれたが、このまま自宅に寄っても、1時間も家にはいられなさそうだったし、妹たちの家にお邪魔することにした。
オーディションに備え、妹にダンスを見てもらおうかとも思ったのだ。
しかし、いざ、妹んちに行ってみると、MDプレイヤーは壊れているという。
壊れたプレイヤーで、だましだまし音を鳴らしながら、妹の前で踊って見せた。
妹からは、「上手に踊っている、即興で踊っているようには見えない、初めから振付されたものみたい」と言われたが、私は、「レッスンの時は、こんなもんじゃない!」と思った。
しかし、自分の中では、なかなか曲に乗れないというか、難しく感じられた。
何故、うまくいかなのだろう・・・?
歌詞の意味にとらわれてしまっているせいだからなのか?
あるいは、曲のテンポの問題か?
不安である。
そうやって、オーディションに臨んだ。
一応、妹の勧めとおりに、’合格’ハチマキもすることにして、ダンス教室の皆には、事前にその旨予告した。
だって、いきなり、その’出で立ち’で登場するというのは、やっぱり、ヘンだもの。
(つづく)
以上、みちょるびんでした!