こんにちは、みちょるびんです。
突然ですが、みちょるびん、ちょっと憂えています。
この2年間、ウィルスの蔓延により、様々な業界が大きな打撃を受けており、それは、宝石業界だって同じだと思っています。
特にジュエリーは、生活に真に必要というものではないため、気持ち等に余裕がない場合は、どうしても、後回しになってしまうものですしね・・・。
普段は、異業種でオフィスレディをしているみちょるびんも、宝石鑑別のディプロマを持っているという意味では、業界人の端くれ、仲間だと思っています。
だから、そんな苦しい状況にある中で、誕生石の改定が63年ぶりになされたり、宝石・鉱物の切手が発売されたりするなど、業界全体を盛り上げようとしている動きがあることが見えて、とてもうれしいと思っているんです。
また、みちょるびんも微力ながら「応援したい!」と思うわけです。
ただね。
1つ、言わせてください。
なぜに、この中に「琥珀」が含まれていないのでしょうか―――!?
みちょるびん、そのことを嘆いているのです!!
「勾玉」として利用されてきた糸魚川で産出されている「ヒスイ」は、「国石」まで上りつめたし。
高知や長崎でさかんに採れ、海外にまで輸出して、人気を博した「サンゴ」だって、我が国オリジナルとして誕生石になっているし。
我が国でかつて採れていたと言われる宝石、あるいは今も採れている宝石、例えば、養殖真珠、サファイア、トパーズ、エメラルド、オパール、アメシスト、メノウ、トルマリンなど・・・。
みーんな、誕生石に入っているじゃないですか!?
あ、「マラカイト」(孔雀石)もかつては我が国で採れていたらしい。
ごめんっ、知らなかった!
マラカイトは、銅鉱山からの産出があるようで、我が国でもかつては各地の鉱山からマラカイトが産出されていたようです。
「質が悪くて宝石になったものはなかった」という説もあるようですが、江戸から明治にかけて秋田県の荒川鉱山などでは良質の原石が採取されていたという話もあります。
気になって露木宏著「詳説 日本の宝飾文化史」(2019年)を確認したところ、マラカイトに関する記述がありました。
ここに登場するマラカイトの調達先までは(日本産なのか外国産なのか)、言及がないのでわかりませんが、明治中期の玉かんざしに用いる玉は「サンゴを最もとし、孔雀石(マラカイト)、メノウ・彫珠等多し」だったそうです。
また、明治39年の記事にも「根掛類は、サンゴ珠、孔雀石、ヒスイ(中略)本年はヒスイ及び孔雀石の流行をみる」とあるそうなので、意外と、大人気だったヒスイに食い込んできている実力者という感があります。
そうか、それじゃぁ、マラカイトのことは邪険にできないし、マラカイトも誕生石や切手に選ばれていないということで、琥珀と一緒に、憂えるね!
だけどねぇ、ごめん!
「琥珀」は、そんじょそこらの宝石とは‘格’が違う!って、みちょるびん的には思うのです。
琥珀は、我が国でも古い歴史を持っており、北海道の「柏台1遺跡」で出土した琥珀の小さなビーズは、約2万年前のもので、世界で一番古い琥珀製品の中に入るとされているそうです。
このように、琥珀は我が国において、縄文時代から古代にかけて「玉」として珍重されていましたし、実は今も、岩手県久慈市で採れるのです。
同市には「久慈琥珀博物館」なるものがあり、恐竜たちが生きていた白亜紀後期の琥珀を展示、販売しています。
そして、本格的な琥珀採掘を体験できる国内唯一の施設ともなっているのです。
産出地に、鉱山と琥珀の加工場と博物館を備えているという点では世界に類を見ないそうですよ。
実は、みちょるびんも、2年ほど前に夏休みを利用して、この「久慈琥珀博物館」に出かけたことがあります。
もちろん、この訪問の最大の目的としていた採掘体験もしましたよ。
残念ながら、箸にも棒にもで、悔しい思いをしましたが・・・。
でも、みちょるびんが出かけた数か月前には、記録的なサイズのものが採取されたとも言われていて、運が良ければ、大物ゲットも夢じゃないんです。
今度は、ちゃんと装備を万全にして、挑戦したいなと、思っているところであります。
それに、世界的に見ても、琥珀はやはり、貴重な石として珍重されており、ロシアのサンクトペテルブルグでは「エカテリーナ宮殿」に「琥珀の間」が作られたほどでして。
だからねぇ、みちょるびんは、声を大にして言いたいのです。
以上、みちょるびんでした!
【参考文献】
「琥珀」(2015年、飯田孝一著)
「詳説 日本の宝飾文化史」(2019年、露木宏著)
「島根県立古代出雲歴史博物館企画展 古墳文化の珠玉 玉は語る出雲の煌めき」
(2019年、島根県立古代出雲歴史博物館)