ダンス! 第一次仕事イヤイヤ期

第一次仕事イヤイヤ期(その97:「オーディションへGO!」後編)

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こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
みちょるびんが通っているダンス教室で、CMのオーディションのお知らせがあった。応募するにあたり、履歴書の提出が求められ、躊躇はあったものの、意を決し、応募。オーディションの開催日が平日となり、休暇問題も浮上したが、かろうじてクリアし、オーディションに臨むことになったのだが・・・。

【CMオーディション当日(日記)】

 CMオーディション当日。

 朝は、いつもの手順で支度。
 シャワーを浴び、化粧の下地クリームまで塗って、髪を乾かしに、鏡の前へ。

 どうだろう?
 今日の私は、少しむくんでやしないか!?
 今日は、あいにく、「美人の日」ではないらしい。

 鏡の中の自分は、睡眠量や体調などで、毎日、微妙に、顔の調子が異なる。
 私は、顔がシュッとしている日を、「美人の日」と呼んでいる。
 20代の頃は「美人の日」が多かったが、だんだんと、年齢を重ねる毎に、「美人の日」の出現率が減ってきた。

 チッ(舌打ち)。
 大事なオーディションの日だってぇのに。
 昨夜は、寝る前に食ったし、寝たのも遅かったし、仕方ないか。

 オーディション会場となるダンススタジオに到着してみると、受験者らしき人が、既に20~30人はいて、ちょっとびっくりした。
 その中には、何人か、ダンス仲間もいた。

 私は、仕事があるので、10時の回に融通してもらっていたが、12時にも別途オーディションが開催されると聞いている。
 どれくらいの人がこのオーディションを受けるのだろうか。

 皆、しっかりと動きやすい格好に着替えていた。
 私は、この後仕事の予定で、仕事着で来ていたので、下だけをジャージに履き替えた。
 昨日、洗濯したばかりで、部屋干ししていたせいか、ちょっと匂った・・・・。

 初めに、その場で書類を渡され、身長、スリーサイズ、体重等を書かされた。
 うーむ、こんなところで、サバを読んでも仕方ないのだろうが、事実を書き込むのが偲びなかった。
 かと言って、正確な数値を把握しているわけではなく、悩んだ。
 体重にしても、免れないと思い、結局、打倒なところで申告した。

 その後、顔の正面アップと全身の写真が撮影された。
 「美人の日」ではないので、アップ写真にはちょっと抵抗があったが、心配していたほどではなかったようだった。
 良かった。

 さて、本題のオーディションでは、大きく、3つの役柄に分けられていたようだった。
 メインとなるチームがまずいて、それから、特殊ダンスが踊れるチーム、そして、私が組み込まれた、リズムを取るチーム。

 しかし、リズムチームもあなどれない。
 宴会シーンでは、割り箸をちょうどドラムのバチみたいに使い、指定されたリズムを刻まなければならなかった。

 問題は、肝心のリズムが、なかなか頭に入らなかったということ!

 曲があれば、流れて来た音楽に調子を合わせればよいわけだが、今回は、自分がその音を発しなければならず、予めちゃんと、それを把握しておく必要があった。
 ところが、拍数等を数えていると、リズムがおろそかになって、ぐちゃぐちゃになるのだ・・・。

 困った。
 まじで、覚えられないと思った。
 まさに、致命的。

 しかも、他のパートの人たちと合わせて一緒にやるなんて、どのタイミングで入っていけばいいのか、わからないんですもの。
 しかも、私は第2グループに指名され、練習時間もあまりなかった。

 まぁ、本当は、第1グループだったのを、ダンス教室のスタッフさんにお願いして、第2グループに変更してもらっていたのだがね。
 当初、仕事があるので、できれば、最初のグループにしてほしいとお願いし、そのようにご対応いただいておきながら、また、変更してもらったのだった・・・。

 事前に、第2グループの受験者で集まって、リズムを皆で合わせてみようということになったが、私のリズムは、他の人と違っていた。
 結局、誰とも合わせられないまま、オーディション会場に通された。

 オーディションでは、それぞれのパートに分かれて、撮影するという。

 全員で合わせずの済んだのはホッとしたが、しかしその分、同じパート内で、かえって間違いが目立ちやすくなりそうだった。
 むむむ・・・・。

 実際、緊張と多少の混乱で、カウントを間違った。
 しかも、夢中になり過ぎて、キュー出しするお兄さんのカウントが耳に入っておらず、少し、リズムが早くなってしまう場面もあった。
 なんか、リズムもきっちり刻めてない感じ。
 踊って、体で表現するのとは違い、小道具を使うとなると、またちょっと難しい。

 でも、とにかく、思い切りよく箸を鳴らし、極力、大きく表現した。
 例えば、乾杯のシーンも、威勢よく。
 そして、最後の盛り上がり場面では、テンションを上げて、チーム全体を牽引したつもり。

 ビートをカウントしていたお兄さんも、それには「おーっ」って言ってくれた。
 それに、アルコールを飲んでいるところの表情も、カメラで個別に撮ってもらえたし。
 それは、全員が対象ではなかったし。
 まぁ、妙な、しらじらしい演技になったが、満面の笑みはできたはず。

 これら2点は、好感触だったのではないかと思う。
 ・・・・たぶん。

 そうやって、私の、人生初のオーディション体験は終了した。

 会場を去り、一人冷静になると、私を混乱させたあの魔の’リズム’も、今はちゃんと、再現できている。
 なんで、本番ではできなかったかなーって、感じなんだけど。
 気が動転していたのかな。
 まぁ、場数も少ないわけで、仕方ないよね。

 あーあ、どうせなら、受かるといいのになぁ。
 CM本番に向けての練習日も、リハーサルの日も、週末なのだそうだから、「そんな好都合、2度とないのでは!?」という感じなのだが。
 受からんかなー。

【それから3日後の日記】

 残業からの遅い帰り、携帯電話に着信があったことに気づいた。
 ダンス教室の事務所のスタッフさんだった。
 オーディションの結果の知らせに違いない。

 はやる気持ちを押さえながら、メッセージを聞いた。
 残されていた声の調子が、暗いように思えた。

 案の定―――。

 さすがにがっかりした。
 確かに、あのオーディションでの私の様子は落ち着きがなく、怪しかったと思うし、制作サイドも、あれでは不安にさせられるだろう。
 私のような、初歩的な’リズム’で苦心している’ど素人’よりも、もっと、’勘のいいプロ’の方がいいに決まっているのだ。

 でも、少し、甘い期待を抱いていた。
 現実は、厳しい。
 仕事を休んでまでして、出かけて行って、みじめな感じ。
 わくわくしていただけに、かなり落ち込んだ。

【その翌日の日記】

 今朝は、目が覚めて、オーディションに落選したことを思い出して、改めて落ち込んだ。

 出社する前に、昨夜、メッセージを残してくれていたダンス教室のスタッフさんに電話した。

 気が滅入ってはいたが、連絡をくれたことや、オーディションの時間や順番を配慮してくれたことは、ちゃんとお礼を言った方がいいだろう。
 電話に出ないでほしいなどと勝手なことを思いつつ掛けたが、スタッフさんは応答してくれた。
 お礼を述べた。

 スタッフさんは最後に、明るい口調で、「エキストラの役になるけど、よかったら遊びに来て」と言ってくれた。
 本当に声がかかるかは、現段階では別として、もしかすると、さほど落ち込むべき話ではないのかも知れないという気になり、気が楽になった。

 よく考えてみると、オーディションでは、カメラに映るメインの人を選んでいたわけだ。
 やっぱり度胸がない私は、メインとしてCMに出ることに、腰が引けていた。
 となれば、画面のはじの方にチラッと映る程度が、理想的なのだ!!

                       以上、みちょるびんでした!

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