ダンス! 第一次仕事イヤイヤ期

第一次仕事イヤイヤ期(その76:「何者でもない」編)

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こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。

【ある日のお立合い(日記)】

 夜、つるさんに誘われていた。
 迷ったが、結局、出かけることにした。

 実は、今日は、つるさんが、ダンスのまい先生にある人物を紹介するという約束の日で、私も立ち会うことにしたのだ。
 つるさんに会うまで、話しは半分しか聞いていなかったので、正直、お約束の先生のお名前すら、会って確認したくらいだった。

 なんでも、その異業種であるY先生は、その道では有名な方で、その方の神業的な技を、まい先生は、ご自分の振付に活かせないかと思っていらっしゃるということだった。

 最初、Y先生は、まい先生のことを、何者かよくわからないという感じで、スポンサーはいるのか等と、当然と言えば、当然ではあるが、少し、生々しい質問をされていた。
 まい先生は、自己紹介をされ、そして、ご自分の仕事の功績についても、話された。

 こうやって改めて聞いてみると、まい先生は、社長もされているのだ。
 単なる振付師というだけではなく、人(社員等)を食わせているのだ。
 すごいではないか。
 仕事では、その功績が評価され、好きなことをやらせてもらっているとも。
 実力が認められているわけだ。
 なるほどね。

 当初、まい先生は、Y先生と話しをした後は、次の仕事のため、帰る予定にしていた。

 しかし、この日は、Y先生ご主催のイベントがこの後に予定されており、「面白い人がたくさん来るから、その時に、直接話してもらった方が、話しが早いだろう」ということで、そのイベントにも、おじゃますることになった。

 まい先生は、そこで、自己紹介の場を与えられて、ご自分の構想を発表された。
 イベント参加者は、まい先生のアイディアを温かく受け入れ、関心を持って質問をしていた。

 そして。
 今回の一番のまい先生の収穫は、ダンサーの有力候補者をスカウトできた点だろう。
 先生が探されていた、条件に合う人材が見つかり、まい先生は、ホクホク顔。
 つるさんも、まい先生をお連れした甲斐があったというもの。
 皆、ハッピーといったところ。

 私は―――。

 これも、おつきあい。
 全く馴染みのない別世界で、私は、一人、外野のお客さんだった。

 私自身、誰にも自己紹介をしていないし、実際、誰も、私なんぞには、関心がないという感じだった。

  一人、家路につきながら、あれこれ考えた。

 つるさんは、講談師の真打で、本も出版されており、Y先生の業界では、ちょっとした有名人だった。
 まい先生も、振付の代表作を紹介されれば、誰も知らない人はいないだろうというくらい有名で、そこで一気に、人に受け入れられることになる。

 何か新しいことをやりたいと思っても、成功していないと、なかなか、人の賛同は得られないし、話しも動かないなと感じた。
 成功していれば、それが信頼となり、話しも早い。
 知名度も大切。

 どうやったら、一気に皆が、この私に傾くだろうか・・・? 

                       以上、みちょるびんでした!

-ダンス!, 第一次仕事イヤイヤ期

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