こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【ある日の改くんとの絡みダンス(日記)】
今日は、2週間ぶりのダンス。
また曲が変わっていた。
今回は、好きなタイプの曲。
ピアノというのもいい。格好いいし、ノリもいい。感情移入しやすい曲だ。
だから、即興タイムはノリノリで踊った。
「(最近改名したプロダンサー)‘改くん’に、よくからんでいた」と先生に言われ、その時は、わからなかった。
先生に「覚えてないのは、いけない」と言われたのだが、後で、その理由を思い出した。
改くんの即興ダンスは、何かこう、イライラするというか、「俺を見てくれ」モード全開で、鼻につく。
それに、ダンス中に小道具を使ったりするのは、ずるいと思うのだ。
それだと、皆の気を引くことが、容易なわけで。
私は、そんなジェラシーから、皆の気を、彼から私にそらせるために、改くんに‘ちょっかい’を出していたのだ。
そして、少し、彼に対する‘からかい’の気持ちもあった。
彼が、あまりにも真剣に、抑圧的な感じで踊るから、むしろそれが、滑稽に見えたというのか。
この私の、「改くんダンス」へのネガティブな感情を、どう表明すればいいのか、言葉を選びながら、レッスン後のカフェの席で、ダンスレッスン・レギュラー陣のプロダンサーに話してみた。
すると、皆、同様に感じていたそうで、やっぱり、改くんのことを‘からかいたくなる’のだそうだ。
良かった。私だけじゃなかった!
しかし、逆から言うと、それだけ皆が、改くんに一目置いているということの証でもあり、それはそれで、ちょっとくやしかったりもする。
今日の私の即興ダンスは、先生からはあまり良い評価が得られなかった。
皆からは、とてもよく動いていて、印象に残るダンスだったと言ってもらえたが。
【他のダンス仲間の即興ダンス発表の見学時(日記)】
今日は、ひょんなことから、隣に座っていた改くんと話しをした。
初めての会話だった。
いろいろと行きづまって悩んでいたようだったので、元気づけた。
私の話しに耳を傾けてくれたので、嬉しかった。
彼は、「3年くらいずっと、つらかったのだ」と言った。
「もしかすると、‘大殺界’だったのかも知れず、近いうちに霧は晴れるのではないか」と私は話した。
大殺界は、‘3年’というワードから連想しただけで、無責任と言えば、無責任な発言だが、昔の名前を名乗っていた頃よりも、最近の改くんには、‘明るさ’が感じられる。
それに何よりも、私に心を開き、私と話しをしたこと自体が、いい‘変化’だと思ったのだ。
いろいろと、抱えている問題は多そうだが、素直な気持ちでがんばれば、なんとかなるはず。
改くん、がんばれ!
【ある日の改くんとの絡みダンス2(日記)】
今日の即興ダンスのテーマを、先生に求められ、「肩が痛いから、そのハンディをハンディとせずに、全開したい」と言ったところ、「なぜ、痛いんでしょうね。何かあるんでしょうね。『感謝する』ということをやってみてください」と言われた。
感謝・・・。
そう言えば、先日みてもらった占い師からも言われた‘キーワード’だった。
やはり、これが、今の私の課題なのだろうか?
しかし、実際に即興ダンスを始めると、‘感謝’どころではなくなった。
即興ダンスをしている最中、同じく即興ダンス中の改くんが、教室の向こうのドアから退出する姿が見えたのだ。
絶対、外から回って、この教室につながる男子更衣室のドアから、彼が出てくると思ったので、私は、改くんを驚かそうと思い、そのドアの前を陣取って、彼を待ち構えた。
なかなか改くんが登場しないので、予想を誤ったかと、ちょっと不安になったが、粘って待っていたところ、ようやく登場。
改くんは、私を見て、ちょっとびっくりし、その後、ちょっと戸惑った様子だった。
行く手を阻むようにして踊る私を、無理やりすり抜けていくかと思ったが、彼がそうしなかったので、私はすぐに彼を解放した。
後で、先生から、私がドアの前に立ちはだかった時、我々グループのダンスを座って見学していた者の何人かが、立ち上がって喜んだと聞かされた。
そこまで!?
やっぱり、皆、改くんをイジメたいのね・・・。
「『感謝のダンス』ではなかったが、皆を楽しませたので、今日はグッドです」と、先生に言われた。
以上、みちょるびんでした!