こんにちは、みちょるびんです。
友達に教わって、当地で開催されていた「ミネラルショー」に行ってきました。
いわゆる、鉱物の展示会です。
みちょるびんは宝石鑑別のディプロマを持っているので、宝石についての知識はありますが、「鉱物」となると範囲がかなり広くなってくる。
宝石には真珠、サンゴ、琥珀など、生物を由来とした有機質のものが一部含まれていますが、そのほとんどは鉱物。
だけど、その鉱物の中でも「希少性が高く、美しい外観を持っており、生活の中で耐え得る硬度=耐久性があるもの」が宝石とされています。
更に、この「宝石」は、財産的もしくは宝飾的な価値の上から高く評価できるものを「貴石」、それよりも評価が低くなるものを「半貴石」として大別されます。
しかし実は、宝石学者の間でも見解の違いが見られ、「貴石」と「半貴石」の基準はまちまちのようです。
「3大貴石」と言うと、誰もが知っているルビー、サファイア、エメラルドを指しますが、「5大貴石」になってようやくダイアモンドが加わってくる。
だけど、じゃぁ5つ目の宝石は?と言うと、アレキサンドライトをあげる人もいれば、日本の場合は真珠を指すのだという人もいるようで・・・。
たった5つの宝石名を挙げるにも、このように議論が分かれるわけですから、「貴石」と「半貴石」の線引きはもっと難しそうですね☆
そもそも、宝石と呼ばれる石の数がどれくらいあるのかということも、正確に把握されていない模様。
ネットを見てみても、情報はバラバラです。
先ほど、宝石の定義の1つに「耐久性」が挙げられると話しましたが、「モース硬度7以上」と限定的に説明しているものもあるようです。
モース硬度とは、摩擦や引っかきに対する強度を1から10に数値化して表したものなのですが、硬度10は鉱物の中で最も固いダイアモンドで、硬度9はコランダム(ルビー・サファイア)、硬度8はトパーズ、そして硬度7はクオーツ・・・と順に軟らかくなっていきます。
記事「新☆誕生石!(5:2月の誕生石)」にも書きましたが、硬度7のクォーツと言えば、世界のあらゆるところで産出される鉱物で、空気に舞っているチリの中にも含まれると言われているものです。
つまり、宝石たるもの、空気中にも舞うクォーツよりかは、強度(硬度)があって欲しいという発想なのでしょう。
例えば、フローライトという鉱物。
ラムネ瓶にあるような淡い水色やグリーンなどのかわいい色があり、もしそれがきれいな八面体の結晶をしていたら、フローライトと見てほぼ間違いないでしょう。
キャンディを連想しそうな、カラフルでとてもきれいな鉱物です。
しかし、モース硬度は4。
ナイフの刃で簡単に傷をつけることができると言われる柔らかさ。
そう考えると、アクセサリーなどにして身に着けるには不向きと言える。
また、希少性という観点からも、やはり宝石としてはカウントできないでしょうね。
基本的に、有機質の宝石は、真珠やサンゴは硬度3、琥珀2.5といった具合に、硬度が低い。
だから、必ずしも、柔らかいからと言って宝石から除外されるというものではないとも考えられます。
例えば―――。
昨年12月に、日本の誕生石が63年ぶりに改定されましたが、新たに7月の誕生石として加えられた「スフェーン」なんて、そのいい例です。
スフェーン(「新☆誕生石!(20:7月の誕生石)」)は、硬度5ですからね!
以上のことから、明確な決まり事はないのだと思うし、その時代のトレンドっていうのものもあるんじゃないでしょうか。
美しさの基準って、時代によっても異なるって聞きますし、人々が関心を持って、愛する宝石に変化があったとしても、それは不思議じゃないのだと思います。
そうなってくるとやっぱり、「線引き」もその分難しくなってきそうですね。
因みに、近山晶著「宝石 その美と科学」(1972年)によると、一般的に宝石として市場に流通しているものは150種、レア・ストーンとして主に愛好家の間で収集されている宝石類を合わせて数えれば約300種類ほどとのこと。
鉱物は4000種類以上あるとも言われているので、みちょるびんの守備範囲は、その10分の1ほどにも満たないということが言えます!!
つまり、宝石鑑別の勉強をしたからと言って、ミネラルショーに行っても、知らない石がたくさんあるんだよ!?っていうことが言いたいっ(ここまで、前置きが長い!)。
さて。
これまでも当地において、マーケット(青空市)などで、鉱物を扱っている屋台を見かけたことがありましたが、実のところ、そこで扱われている石は、みちょるびんでも知っているようなものばかりでした。
だから、正直に言うと、知識欲を駆り立てられなかったというか、さほど心躍るようなことがなかったんです。
そういう事情もあり、当地では、積極的に石を見に出かけるということはあまりしていませんでした。
されど、ミネラルショー。
友達が親切に教えてくれたということもありましたし、せっかくの機会なので、覘いてみることにしたのでした。
さすがに、小さい街での開催だけあって、規模も小さい・・・、小さいっ!
日本やロンドンのそれと比べてはいけませんね。
出店していた店舗も、おそらく70はなかったんじゃないかな。
それでも、新しい発見があったのは事実。
勉強になったし、面白かったということはお伝えしておきます。
小さい会場なのですぐに見終えるのですが、みちょるびんは閉会間際まで粘り、結局2時間近く滞在していました♪
これって、十分に楽しんだ証ですよね!?
以上、みちょるびんでした!