こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【ガラス作家の個展(日記)】
今日も朝から気が沈み、ブルーな気分で、テレビを見て過ごした。
やっぱり、病んでいるのではないか?
手相で情緒不安定とか言われたが、そのせいなのか?
そんなことを考えたりしていたが、夕方になって、急に、昨日実行に移せなかった「ガラス展」に行ってみたくなった。
おしゃれ雑誌で紹介されていた、ガラス作家の個展のことを思い出したのだ。
行ってみたいと思いつつ、結局、昨日は、ぐずぐずして、時間切れとなったのだった。
思い切って、出かけることにした。
その方が、精神的にもいいような気がした。
初めて訪れた駅だった。
初めての街並みに、少し、わくわくした。
こうやって、降りたことのない駅で、降りてみるのもいいと思った。
その画廊には、作家さんご本人がいた。
ちょっと素敵な感じの方だった。
私は、小皿も気になったが、やはり、花瓶狙いで見て回った。
ちょうど、花瓶が欲しいと思っていたのだ。
一つ一つ、表情が違う。
どれがいいか、吟味した。
実は、最近、クレジットカードの請求書を見て、びっくりしたということがあった。誰かに使われたのかと思って。
しかし、全て思い当たる内訳で、思っていた以上に支出していたことに愕然とした。
そんなこともあり、本当は、この個展も、行くか行かないか迷っていたのだ。
‘作家もの’は値段が高いだろうし、今、買っちゃいけないのではと思った。
しかし、今、行かないと、もう出会えないかも知れないとの思いもあり、やっぱり、出かけてきたのだ。
この個展の会期中で、来られるのは、もう今日しかチャンスがなかった。
まず、値段をチェックし、とりあえず、手ごろなサイズのものであれば、予算内であることに安心したわけだが、実際に品定めに入ると、値段のことは考えなくなってきた。
本当に好きなものを、欲しくなったのだ。
それで、花の差してあった、ユニークな花瓶に決めた。
存在感のあるその大きさや、それに見合う値段に、ちょっと考えたのだが、でも、やっぱりいいと思って、決めた。
透明で、‘胴’がちょっとカーブして、‘口’も斜めにカットされていた。
そして、一番ユニークだと思ったのは表面が、ところどころ、盛り上がっているところ。
まるで、「バラの茎のよう」、それが、私の抱いた印象。
ちょっと、エミール・ガレの作品を思わすような芸術的な感じがした。
佇まいがいいと思った。
家で改めて、花瓶を見てみて、何かとてもうれしく思った。
かわいい。
やっぱり、手作りのぬくもりなのか。
自然に笑みがこぼれてくる。
また、画廊に舞い戻って、徳利とか全て買い占めたい気分。
こんなんで幸せな気分になれるって、素敵。
気分がブルーだったのがちょっと、元気になっていた。
早く、この花瓶に合う、背の高い花を買いに行きたくなった。
以上、みちょるびんでした!