こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
1.歌舞伎とのミックス
この年は、初めて歌舞伎を観たということもあり、ハマって、5回も観に行っていました。
文楽を初めて観たのも、この年でした。
どれもこれも、素人感想で、毎回のように、居眠りしたとかしなかったとかいう報告つきで、恐縮です。
しかも、今回は、紛失パターンとの、ミックスです!
つい、3・4日前に、“2週間で、3回も、大切なものを紛失・・・の難”みたいな記事(「2度あることは、」「2度あることは、-3回目の難-」)を書いたばっかりで、なんか、いつも、なくしものや忘れ物をしている“ぼんやりさん”みたいな感じになってしまい、自分でも情けないのですがね。
一応、ご参考までに、これらの出来事の発生時期は、多少のタイムラグがあります点、申し添えます。
さてさて。
なかなかお目にかけない体験ということで、もう少し、おつきあいください。
2.ある日の歌舞伎鑑賞日記
(前の用事が長引きそうだったので、その用事は一旦諦めて、歌舞伎座に直行することにしました。)
明朝、改めて朝起きする覚悟が必要となるが、4,200円も出した歌舞伎に遅れて行くのはもったいないだろう。
たとえ、毎回、100%理解できていなくても!
そう思い直して、受付をキャンセルし、歌舞伎座に向かった。
そうまでして移動したので、時間に余裕があるだろうと思っていたが、そうでもなかった。
売店で、唯一残っていた弁当を買って、席についたら、すぐに幕が上がった。
友達は、遅れて到着したが、どうも、違う席に、しばらく気づかずに座っていたらしい。
今回の演目は、「通し狂言『四谷怪談忠臣蔵』-仮名鑑双繪草紙-(かなでほんにまいえぞうし)三幕」。
(三代目)市川猿之助の宙乗りが見事という前評判だった。
私としては、宙乗りは、特に興味はなかったのだが、‘怖い話好き’な者として、「四谷怪談」に惹かれた。
どろどろしたものを観てみたいと思ったのだ。
しかし、“狂言”だからか、‘首がいくつも飛んだ’割に、‘どろどろ’はあまりしていなかった。
首の飛び方があまりに滑稽で、笑いさえ起こっていた。
ネズミが赤ん坊をくわえて走り去るなど、ショッキングな展開もあった。
舞台上に、火の玉が現れた時は、感心した。
それにしても、歌舞伎って、物語が、強引に展開することが多いように思う。
偶然が重なるという出来事が多いのだ。「世間は狭い」とでもいうか。
話を進行するために、そのようにアレンジされたというような感じがする。
さて、物語をよく理解できているわけではないのだが、なぜ、その流れで宙乗りのシーンに突入したのかよくわからなかった。
また、夜の部門だからか、たまたま、お話しがこういうものだからなのか、いつもはやたら入る幕間が、なかなか巡ってこなかった。約2時間ぶっ通しだった。
一幕目がそろそろ終わる頃に、チャリンという音を聞いた。
直感的に、指輪だと思った。
指を探してみたが、やはり、指輪はなかった。
ポケットを探したが、なし。
いつ指輪を外したのか思い出せなかった。
ハンドクリームをつけた時? 移動の電車の中で塗った際に、外したのだとしたら、随分長い間気づかずにいたということになる。
ポーチやバッグのポケット、思い当たる場所を祈るような気持ちでまさぐったが、出てこなかった。
もう、ショックだった。
大切な指輪なのだ。
10年くらい、ほとんど毎日身に着けている指輪。
一番、愛着のある指輪。
その指輪がなくなったら、もう、戻ってこなかったら・・・・今すぐにでも、立ち上がって、探したいくらいなのだ。
でも、芝居は続いており、真っ暗闇だった。
私は、先日亡くなった‘ばあちゃん’にお願いした。
神様に祈った。
すぐに見つかりますように。
手を組んで、(心の中で)祈りを唱えた。
幕間までの時間が、長く感じられた。
照明が点いた瞬間、立ち上がった。
友達がすぐに、「あったよ」と声をかけてくれた。
それは、私の席の真下にあった。
本当に良かった。
座席に段差が設けられているため、私は、指輪がコロコロと、下に転がり落ちていってたらどうしようとか、いろいろ心配していたのだ。
おとなしく、私の足元にとどまってくれたのは、本当に、幸運だった。
神様、ありがとうございます!
そんな、ドキドキのエピソードに見舞われたが、最後、本当に滝が舞台の上にできていて、水の中で立ち回りが行われた。
大がかりな舞台は圧巻で、面白かった。
以上、みちょるびんでした!