こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【即興バトル、当日の日記(後編)】
「即席即興バトル」が終了し、私たちは、来場してくださったお客さんや、事務所の関係者等と挨拶を交わした。
事務所の関係者の一人の方に、私たちの即興ダンスが一番好きだったと言ってもらえたのでうれしかった。
また、別のスタッフさんはじめ、30代くらいの女性観客の方達には、「山口百恵の選曲が面白かった、腹を抱えて笑った」と言われた。
やはり、あの選曲は大成功だったようだ。
同じBブロックで戦った演出家さんには、「次は一緒に組みましょう!」と言われた。
それって、最高の誉め言葉じゃないか!?
うれしい!!
ダイちゃん曰く、いつも、あの演出家さんは、私のことを面白いと褒め、他の人に話をしてくれているのだとか。
ありがたいことである。
昨日、ダンススタジオで助言を乞うたスタッフさんには、「3人の’絡み’がなかったのと、(踊るときの)立ち位置が変わらなかったのが残念」とのコメントを頂戴した。
これは、次回の課題だろう。
せっかく妹が来てくれていたので、妹も交え、Tくん、感覚派プロダンサーKさん、ダイちゃんの5人で、近くのファーストフード店に寄って、軽く食事することにした。
TくんもKさんも、ソロ舞台を成功させ、気分が良さそうだった。
Tくんは、我々のパフォーマンスを面白がってくれ、私も次にはきっと、先生が’ソロ枠’をくださるに違いないと言ってくれた。
私たちが食事していると、偶然、先生たちがいらっしゃり、我々にジョインされた。
先生は、開口一番に、私たちのチームのダメ出しをされた。
一緒にチームを組んだはっちゃんが、舞台上でオロオロしていたのに、私もダイちゃんも全然、はっちゃんをフォローしていなかったと言うのだ。
私はその指摘に対して、若干、不満に思った。
ダイちゃんも私も、先生に、「示し合わせて踊るな」と言われたので、好きに踊ったのだ。
もちろんそれが、一緒に舞台に立っている他のヒトのことを無視していいわけではないということはわかるが、そもそも我々は3人とも、元々、他者と’絡む’ことを不得意としているメンツである。
はっちゃんを上手に引き立てたいのなら、我々みたいな素人と組ませるべきではないのではいか。
ソロで観客を魅了することは大変なことなのかも知れないが、でも、自分一人なわけなので、自分の世界にだけ意識を集中すればよい。
しかし、他者と一緒に共演する場合は、それに、プラスアルファーの技量が求められるのではないか。
我々にそれを要求するのは、酷というものではないか。
昨日の練習の時は、私なりに、’観客に魅せる’ことを意識して、若干の立ち位置やタイミングを計るということをした。
その方が、よりよいパフォーマンスになると思ったからだ。
それに、はっちゃんの側転の見せ場を設けるという狙いもあった。
でも、先生の警告を受け、そういった決めごとを全て取っ払って、舞台に臨んだという経緯があるのだ。
確かに興奮して、周りが見えなくなって踊ってしまったところはあった。
だが、それの何が悪い。
舞台経験の浅い、素人の私たちが、気分が高揚し、視野が狭くなってしまっても、それは、仕方がないことではないか。
負けず嫌い根性があるくせに、こういう時は「素人」を理由に言い訳するのは卑怯なことなのかも知れない。
でも、事実である。
「ちゃんと周囲を見る」ということは、次の課題にすべき点かも知れないが、そこまで先生に厳しく責められるとは、心外だった―――。
それにしても、KさんがM氏のフードをひっぺがした際に、「『やった!』と会場が一つになった」などと妹が言うものだから、皆で笑ってしまった。
私だけではなく、M氏を知らない、M氏の踊りを初めて観る人にさえそう思わせたということだ。
一体、何なんだろうね。
M氏は背が高く、スタイルもいいし、ダンスがうまいのは、誰もが認めることだ。
たぶん、それを本人も意識しているところ、自意識過剰になっているところが、透けて見えるから、鼻につくのだろう。
先生の厳しいコメントを除いては、全体的に面白かったという感想が聞かれ、私としては、観客を楽しませることができたという点で満足である。
私が今回、衣装で着用した360度に裾が広がるショッキングピンクのギャザースカートも、功をなしたのではないか。
今夜は、心地よい眠りに就くことができるだろう。
以上、みちょるびんでした!