こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【ダンスライブ、約1カ月前の日記】
ダンス教室に行った。
今日から、新しい曲でのレッスンが始まった。
面白い歌詞の入った曲。
気に入った。
約1カ月後に開催が予定されているダンスライブにおいても使われるらしい。
ただし、ステージの広さの関係もあり、この曲で踊れるのは10人までとのこと。
その他の出演者は、先生が初めて本格的に他のアーティストのために振付した’歌謡曲の振付ダンスを踊るチーム’と、その場で来場客に言葉をもらって踊る’即興ダンスチーム’に分かれるらしい。
だが、私は、是非とも新曲チームに加わりたいと思った。
がんばって、新しい振付を覚えよう!
と言っても、なかなかうまくいかないんだなー、これが。
チェッ。
練習しなきゃ。
なんだか今日は、あまり気乗りがしなかった。
’言葉に反応する即興’も、全然、やる気が起こらなかった。
そういう消極的な精神状態の時は、人前で即興を踊るのはつらい。
要求されたものに応えるために、自分を偽っている感もつらい。
だからこそ一層、振付がされている、新曲を踊るチームに参加したいと思うのだった。
ところで、今日のつるさんの、’言葉に反応する即興’は良かった。
何だろう。
顔の表情も面白いし、やはり、人を惹きつけるものがあるようだ。
つるさんは講談の真打に昇進されてから、ますますパワーアップしたようである。
【ダンスライブ、約3週間前の日記】
ダンスレッスンの帰り、皆で、いつものカフェに寄った。
私は、来週のレッスンは、ベルギー旅行のためにお休みするので、約3週間後に控える’ダンスライブ’に関する情報を入手せねばという思いがあった。
帰り際に、先生に、ライブにおけるグループ分けについて訊いてみた。
「みちょるびんさんには、’女性アイドルデュオの振付ダンス’と’言葉に反応する即興’をやってほしい」と言われた。
今回のライブでは、先生が初めて本格的に他のアーティストのためにダンス振付した歌謡曲2曲を、皆で踊ることを予定していた。
いずれも、先生の振付の代表作とも言える曲で、1つは、80年代末に、女性アイドルデュオを一躍トップアイドルに導いたヒット曲、もう1つは、2000年代に男性トップアイドルが扮したキャラクターで流行語大賞もとった時のヒット曲だった。
先生は、なぜか、私の’女性アイドルデュオ’の踊りを見たいのだと。
何故?
ご本人たちよろしく、無表情で踊った方がいいのかな。
先生に、どういう意図があるのか、不明・・・。
即興コーナーは、3分くらいの枠を設けており、長丁場であるから、私は欠かせない人材だって。
私自身は、’言葉に反応する即興’は、あんまり好きじゃないのだが。
人の良いプロダンサーさんは、私のことを「かわいい。やっぱり目が行ってしまう。顔の表情が変わるのもいいのかなぁ」と言ってくれ、他のダンス仲間も「やっぱり、皆、見てますもん。笑いも取ってますし」と言ってくれ、最近レッスンに参加し始めた方も「動きが面白い」と言ってくれた。
今更なんだけど、私の魅力は、ここにあるんだろうね。
はぁー(ため息)。
これを最大限に活用するためには、即興の道しかないんだねー。
大丈夫かな・・・・。
恐る恐る「新曲を踊りたいんですけど」と申し出てみたが、先生に「舞台は狭いしね、新曲は、ダンスの上手い子にやってもらわないと」だとさ。
グサーッ(心が傷ついた音)。
やっぱり、私は、上手とは言えないのかなー、ダンスは。
ガックリ。
以上、みちょるびんでした!