ファッション関係 宝石

新☆誕生石!(9:4月の誕生石)

投稿日:2022年1月30日 更新日:

 こんにちは、みちょるびんです。

 「日本の誕生石」が63年ぶりに改定されました。宝石鑑別のディプロマを持つみちょるびんが、「誕生石」として選ばれた‘栄えある宝石’たちについて、独断と偏見を交えながらご紹介したいと思います!

 「ガーネット(1)」「クリソベリル」「アメシスト」「アクアマリン」「モルガナイト」「サンゴ」「ブラッドストーン」「サードニクス」に続く第9弾です!!

ダイアモンド

 みちょるびんがオフィス・レディしている業界は、宝石とは全く無縁なので、みちょるびんは日頃から、宝石に深く携わっているわけではなく、つまりは、それを生業にしているいわゆる「プロ」ではありません。
 ですが、宝石のことは好きで、機会があれば、本を読んだり、博物館に出かけるなど、興味は尽きないですし、なにより、宝石鑑別の勉強を専門にしたという自負があります。
 ですから、毎回、1つの宝石にテーマを絞って記事をあげることは、さほど難しいことではないと甘く見ていたんですよね・・・。
 しかし、これがまぁ、時間がかかること!!

 適当に‘やっつけ作業’で片づけるわけにはいきませんので、手元にある本や教科書等を読みなおしながら、記事を書いているところですが、「読んで」「書く」というのは、ダブルでキツい。
 日中は、オフィスレディをやっているので、家に帰ってからが勝負ですが、文章を校正するというような時間的余裕もなく、タイムリミットの時間ギリギリに記事を投稿するという、かなりの綱渡りになっています・・・と、言い訳をしつつ、こんな風に、字数を稼ごうという小癪な作戦を展開していますが、まじめに、「ダイアモンド」をどう攻めたらよいか、迷っています。

 宝石鑑別で勉強した時の教科書を読みなおそうと思ったのですが、量が半端ないんです。

 「ダイアモンド」だけで、1つのコースがあるほどで、とにかく学ぶことがたくさんあるんですね。
 本当に、他の色石(色のある石)とは、大きく扱いが違うんです。
 逆に言うと、それほど、ダイアモンドは、世の中における需要が高く、知識が要求される宝石ということなんだと思います。
 まずは、そこを、力説したいっ! 

 ところで、「誕生石」の起源は、旧約聖書にあると考えられているようで、12石のうち、一部の石の特定については、まだ議論されているそうです。
 諸説あるものの、その中に、ダイアモンドは含まれていないと考えてよさそうです。
 つまり、当時、ダイアモンドは、さほど注目されてはいなかったということだと思います。

 ダイアモンドの売買は数千年も前から行われていましたが、国際的なダイアモンド業界の発展自体、100年足らずでしかないと言われています。

 1720年頃にブラジルでダイアモンド鉱山が発見されるまでは、インドが、2000年以上にわたり、世界で唯一の主要ダイアモンド産地でした。
 そして、1870年頃に今度は、南アフリカで新しい鉱山が発見され、ここで、大きく、ダイアモンドの歴史を塗り変えることになりました。
 それまでダイアモンドは、あまりに希少性が高く、高価であったため、一般の人々には手の届かない存在だったのが、量産が可能となったわけです。

 その後、1980年以降は、オーストラリア、カナダでも新鉱山の発見があり、また、ロシアでの増産も相まって、今や、ダイアモンドは、量的には希少とは言えないと言われています。

 南アフリカでのダイアモンド鉱山発見以降、デ・ビアス社が同地における採掘権所有者として力を持つようになり、1900年初頭には、世界のダイアモンド原石生産の90%を支配するほどに至ったそうです。
 また、同社を中心に、ダイアモンド販売システムを構築することで、ダイアモンドの価格や流通はコントロールされていました。
 しかし、新しいダイアモンド鉱山の台頭等の影響で、2000年に入り、それまでダイアモンド業界を牛耳っていたデ・ビアス社は「必要な分だけを買い、その他は干渉しない」ということに方向転換したのだそうです。
 こうして、約100年にわたる、デ・ビアス社の独擅場が終焉したのでした。

 こんな風な組織的な介入は、かなり特殊であり、ダイアモンドならではだと思われます。

 デ・ビアス社のやり方に対する不満も多かったようですが、しかし、量産されるようになったダイアモンドの価格崩落を防ぎ、ダイアモンドの‘価値’を維持できてきたのは、デ・ビアス社の功績も大きかったのではないかと、みちょるびん、思います。

 先日、「アメジスト」の紹介で、「3大宝石と同等に珍重されていたアメジストが、新たな鉱山の発見で、たくさん流通するようになり、‘希少性’という魅力が失われてしまった」ということを書きましたが、ダイアモンドにも、そういう‘危機’の可能性があったかも知れないわけです。

 まぁ、ダイアモンドの場合、産出地が、極寒のシベリア、広大なオーストリアの過疎地、荒波打ち付けるアフリカの海岸等、過酷な環境であり、簡単に採掘できるような場所ではないので、そんな単純な話ではないかも知れませんがね。

                             以上、みちょるびんでした!

【参考文献】
「宝石 その美と科学」(1972年、近山晶著)
「ジュエリーの世界史」(2016年、山口遼)
「ダイアモンドの謎 永遠の輝きに魅入られた人々」(2001年、山口遼)

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