旅行

ベルギー旅行の思い出。(6.ファンシー・ダイナミック)

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こんにちは、みちょるびんです。

【滞在5目の日記】

 今日からベルギー南東部へ3日間の旅。

 最初に目指すは、小さい町、リエージュ。
 リエージュには、7大秘宝の第5弾「聖バルテルミーの洗礼盤」がある。
 まずは、秘宝が所蔵される「聖バルテルミー教会」を探した。

 地図を見ながら、教会の場所を求め、車でウロウロしたが、それらしい教会が見つけられなかった。
 それで、鈴子が一旦、車を降りて、通りすがりのおじさんにその場所を訊くことにした。
 すると、おじさんは、すぐ我々の目の前にあるカラフルな教会を指差したのだった。
 この辺に違いないとは思っていたが、まさか、目の前の建物がそうだとは夢にも思わなかった。

 ガイドブックには’改修中’と出ていたが、写真のそれとは程遠く、ロシア正教教会にも通じるようなカラフルなその外観は、とても7大秘宝が眠る歴史ある教会には見えなかった。

 私たちは、早速、車を近くに停め、中に入ってみることにした。
 だが、改修工事のため、教会の周りには柵がしてあり、また、扉らしいものも閉ざされていて、どこから中に入れるのか、わからなかった。

 私たちは、入り口を求め、とうとう教会の周りを一周したのだった。
 私は、せっかく、秘宝目的で皆をリエージュに誘ったのに、何も見ずに帰るのでは、ちょっと悪いなぁと思った。

 諦めて車に戻ろうとした時、木枠でできた簡易トンネルのようなものが見えた。
 それは、教会の方に続いているような感じだった。
 あれをくぐれば教会に行けるのではないかと、思わず駆け寄ってみたところ、それは、べニア板みたいなペランペランな板でできていた。
 中を覗くと、教会の入り口を示していると思われる案内板があった。
 恐る恐る狭い箱の中を通り、奥のドアを押し開けてみて、ようやくそこが、「聖バルテルミー教会」に続く入り口だったことがわかった。

 せっかく目の前まで来たのに、危うく気づかずに帰ってしまうところだった。
 良かった。

 中に入ると、入り口すぐのところに、早速、7大秘宝の「聖バルテルミーの洗礼盤」があった。

 真鍮でできているらしい。
 秘宝には’手’が模られていた。
 ベルギーに到着してすぐに’手’を模したオブジェを見たし、移動の車中からも多くの’手’を見かけた。
 そして、この秘宝にも。
 また、牛が三頭くらいずつ、それぞれ四方に飛び出していた。
 その顔はなかなか愛嬌があり、気に入った。

 受付のおばさんに確認し、秘宝を写真に収めることに成功した。
 私は、自分のベルギー7大秘宝コレクションの1つに、この洗礼盤を加えたのだった。
 (「イカロスの墜落」「神秘の仔羊」はポストカードを購入済み)

 教会の中は、まだ修築工事は完了しておらず、洗礼盤より奥の方は、すごい状態だった。
 全く手がつけられていない、そういったな感じだった。

 写真タイムを終え、私たちは、リエージュを早々に後にした。

 お次は、デュルビュイ。
 小さな町で、景色がいいらしい。
 そこで、著名人もお忍びで訪れるという、イノシシ専門レストランでランチをする予定にしていた。
 今夜は、今回の旅行の目玉である’シャトーホテル’でのディナーが控えていたので、夕飯に影響しないよう、早めに、軽く食事した方がよさそうだった。

 私はうっかり、鈴子が作って送ってくれていた日程表を職場に置き忘れてしまっていたのだが、鈴子の手持ちのものを見せてもらうと、私が先に作っていた日程表に合わせ、時間付及び車のルートが追記されていた。
 私たちは、日程表とルートの入った地図を見ながら、次の目的地、デュルビュイを目指した。

 ところが、私たちは、利用したいルートになかなかたどり着くことができず、結局、少し、遠回りになるが、ヒュイという町を経由して行くことになった。
 しかし、こんな遠回りも、’車の旅ならでは’ではないか。
 予定していなかった、別の美しい景色を見ることができ、良かった。

 そうやって迷いながら、デュルビュイに到着した。

 デュルビュイは、かわいらしい町だった。
 幸い、目的のレストランはすぐに見つかった。
 こちらも、なかなか、かわいらしいレストラン。
 皇太子も雅子妃殿下とともにいらっしゃったことがあるらしく、お写真が飾られていた。
 期待が高まる。

 私たちは、川が見える窓辺の席に通され、食事をした。
 私はせっかくなので、名物の郷土料理イノシシ肉にした。
 サラダも注文したところ、おいしかったが、結構な量だった。

 そしてイノシシ。

 イノシシの大きな肉の塊が3つ、皿の上で塞を築いていた。
 そして、その肉の塞を囲むように、あまり馴染みのない穀類みたいなものが土手を形成していた。
 クスクスだった。

 とにかく、量が圧巻。
 見ると、友子の牛肉も、鈴子のタラも、巨大だった。
 お店のおしゃれな雰囲気には似つかわしくない、ダイナミックな盛り付け。
 お味の方も、ダイナミックというか。

 もったいないから、残さず食べなきゃとも思うし、夕飯のために控えなきゃとも思うし、ジレンマであった。
 イノシシのせいなのか、ファンシーなレストランには不釣り合いなハエが飛び回っていた。

 食事を終えたあと、町を散歩した。
 少し雨が降り出したので、傘をさして歩いた。
 展望台には、自力で階段を上がる以外はなさそうだったので、行くのはやめた。

 町自体は、石畳で情緒があり、お花も飾られており、とてもかわいいのだが、見かけた土産物店は、不思議なアイテムを揃えていた。
 その土地とは無縁と思われるアジアやエジプトのグッツだったり、石だったり・・・。
 かわいい町にふさわしい、気の利いた小洒落た土産の獲得を期待していたが、こちらも惨敗。
 残念である。

 そのあとは、「モダーヴ城」見学。

 鈴子曰く、「モダーヴ城」は、とてもきちんと整備されているとのことだった。
 確かに、日本語の音声ガイドもあり、他の観光地に比べると充実した感じがした。
 ガイドの説明もとても詳しく、それ故に、ずっと立っているのがきついくらいだった。
 ガイドブックによると、ここでは、結婚式も開催できるらしい。
 なるほど、それで、この充実したサービスか。

 見学中、何やら、おいしそうな、料理のいい匂いも漂っていた。
 もう、17時になろうとしていたが、これから誰かが利用するのだろうか?

 一度、嵐のように、大粒の激しい雨が降ったので、駐車場までの道のりが心配されたが、私たちが城を出る頃には、雨もほとんど上っていた。

 いよいよ、お次は、お楽しみのシャトーホテルである。
 (シャトーホテルに関する記事:「憧れのシャトーホテル」2020.11.04)

 シャトーホテルでのディナーには、わざわざこのために持参していた黄緑色のツーピースと、緑色の華奢なサンダルで出かけた。
 鈴子も友子もおめかししていた。

 鈴子は、白地にピンクの花柄のラブリーなジャケットに、淡いピンクのスカート。
 とてもよく似合っていた。
 鈴子自身はスリムだが、襟にボリュームがあっても、それがかえって曲線ができるので、女らしい装いになっていた。
 私の妹もそうだが、あのように華やかな服装が似合うのは、パーソナルカラーで言うところの’春子’だからではないか。
 ちょっと羨ましかったりして。

 友子は、10年前に買ったという素敵なシックなワンピース。
 そもそも、10年前のものが着られるというところがすごい。
 もちろん、ティアドロップのダイアモンドペンダントが華を添える。

 我々の格好は、かなり気合の入ったものだった。
 このシャトーホテルにふさわしい装いだろう。

 ディナーの開始時間は、何時でも好きな時間でよいと言われていただけあって、レストランに19時に行っても、我々以外に、客は他にいなかった。
 ちょっと、部屋の明かりが暗い感じがしたが、ディナーであり、こういうものに違いない。

 最初にお通しが出てきた。
 しかし、私は、何が何やらあまり理解できなかった。
 鈴子が、フランス語で話すので、ウェイターもフランス語で応じる。
 だから、私には、二人が何を話しているのか、さっぱりわからなかった。
 それなのに、鈴子は、友子にばかり解説をするのだ。
 ちょっと、気分を害した。

 アペタイザーはレバーのパテ(ホアグラ)、メインは子羊と、私は、自分の好物を注文したが、今回は、あまりいいチョイスではなかったようだ。
 どれも自分が期待していたスタイルではなく、メインに至っては、ランチの時と同様にクスクスが土手を作っていて、がっかりした。

 鈴子は、「料理は、確かにおいしい」と舌鼓を打ち、レストランの質の高さを評価していた。
 鈴子の友人たちの中には、ここではディナーだけして帰り、宿泊に憧れる人もいるらしい。

 最後のデザートは盛り合わせで、5つのスイーツがきれいに盛りつけられていた。
 友子も大満足のようだった。

 私たちは、他の客の誰よりも早く食事を開始し、終了した。

                            以上、みちょるびんでした!

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