ファッション関係 宝石

ヒシヒシ。(26)

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 こんにちは、みちょるびんです。

 最近、みちょるびんが購入したブロンズ製のチェリー・サファイア・リング(「ヒシヒシ。(12)」)。
 そしてこの指輪を見ていて思い出した、子供の頃にもらったおもちゃの指輪(「ヒシヒシ。(20)」)。
 この、レディッシュパープルとでもいうのか・・・石の色合いが似ている2つの指輪を見比べていて、更に記憶が蘇ったのが「魔法のネックレス」でした―――。

 随分と前置きが長くなってしまいましたが、ここでようやく「魔法のネックレス」のお話に突入です!  

ある年の11月21日の日記

 箱根旅行の帰り、友達と別れた後―――。
 なんとなくまっすぐ家に帰りたくなかった私は、「P」様(私が好きな一流イタリアンブランド)に寄ってみることにした。
 気になっていた、例のムートンバッグ(「ヒシヒシ。(25)」)を見たかったからだ。

 デパートの中を歩いていたところ、ジュエリーショップのショーケースに目が留まった。
 動物モチーフが彫刻された象牙のチャームを使った大ぶりのネックレスが陳列されてあった。
 おそらく輸入もの。
 とても個性的。
 他の人とバッティングすることはないだろう。

 高いし、買うつもりは毛頭なかったのだが、自分にどんなものが似合うのか確かめてみたかったので、ネックレスを試着させてもらうことにした。

 今日はお気に入りのラクダ柄の深緑のストールを首に巻いていたので、試着のためにストールを首から外した。
 その下にはMAKRIのメダル・ペンダントを着けていた。

 ジュエリー店の店員二人は当然、それに反応した。
 自慢の時である―――!

 このMAKRIのペンダントは、丸いメダルの中央にドーンと「目」が描かれており、とてもインパクトがあるデザイン。
 個性的なジュエリーを好む人たちに好評なのだ♪

 私が、ショーケースの中にあるネックレスをいろいろと試している時に「そのペンダントと重ねづけをするか?」と一人の店員に質問された。
 「する」と言うと、「何と?」と訊かれたので「ヘマタイト」と答えた(「ヒシヒシ。(23)」)。
 今度は「何色か?」という問い。
 ヘマタイトに黒以外の色があるはずもなく、妙なことを訊く・・・と思いながら、その色を伝えた。

 すると、その店員からいきなり、ルビーをワイヤーでつなげたグラデーション・ネックレス(中央のビーズのサイズ大きく、両端に行くにつれて小さくなっていくタイプのネックレス)を渡された。
 私のメダル・ペンダントと重ねづけすると良かろうということだった。

 試しに重ねづけしてみると、洒落ていた。
 そもそも私のメダル・ペンダントの金属はホワイト系。
 「目」のモチーフを模る石もダイアの白とサファイアの青で、クールな色合い。
 だから、これに赤いルビーを合わせようなどとは、私は考えたこともなかった。
 しかもルビーをつなぐワイヤーは、イエローゴールド。
 ますますもって、ナイ。

 なのに、マッチしていた。

 彼女曰く「自分は、‘オーラ’ではないのだけど、その人に何色が似合うのかが、見えるのだ」とのこと。
 それで、何が私に似合うだろうと思いながら、ショーケースの中を探していたのだとか。
 「だから、あの質問だったのか!」と、ようやく合点がいった。

 実は私も、自分でも、赤色が似合うんじゃないかと思っていた。
 洋服は、よく赤色を着ているが、そういう意味ではなく、肌の上に乗せた時にきれいに見える色石が赤とでもいうのか・・・。

 以前、別のお店で、一度買いかけて、結局買わなかったというルビーのネックレスがあった―――。
 デザインは全く異なるものだが、あのルビーの赤色・・・、暗くもなく、明るすぎもしない赤。
 ああいう赤色が、私の肌に映えるんじゃないか?・・・と。
 店員の彼女が勧めてくれているルビーのネックレスも、あの時の‘赤’に似ていた。

 彼女曰く、‘自分の色’のネックレス――彼女の場合は‘茶色’がそれにあたるらしいのだが――は、他のアクセサリーとの‘つなぎ’にもなるとのことで、彼女もお気に入りの大ぶりのチャームペンダントを持っており、それは彼女にとても似合っているものなのだが、それ一つでは物足りなかったり、逆に浮いたようになったりしていても、‘自分の色’のチェーンネックレスを着けることによって、しっくりとまとまるし、更に他のネックレスを重ねづけしても、そのネックレスのおかげで調和がとれる・・・ということだった。

 確かに彼女はペンダントと一緒に、ブラウンダイアのネックレスを着けていて、それがうまく他のペンダントとの緩和剤の役割を果たしていた。

 なるほどー。
 面白い理論である。

 そのネックレスを‘自分のもの’にするためには、一定の‘慣らす時間’が必要・・・という考えであるとか、彼女の話は、私の考えと通じているところがあり、また、彼女自身もパーソナルカラーが「秋子」とのことで、話が盛り上がった。

 私は現在、家計がギリギリの生活を強いられており、その一方で「P」様のムートンバッグ24万円を買いたいなどという無茶な野望を持っているところでもあり、この店に立ち寄ったのは、単なる冷やかしでしかなかった。
 つまり、このルビーのネックレスのために10万円を出す余裕など、あるわけがないのだ。

 悪くはない―――と、思う。

 でも、パッションとでも言うか、「欲しい!」というような気持ちの高まりはない。
 それはおそらく、このネックレスがある意味、ありふれたデザインのように感じられるからだ。
 そんなものに、10万円もの大金を出す価値があるのだろうか・・・?
 そんな疑問があった。

 訊くと、そのお店はポップアップストアで、明後日が営業最終日なのだとか。
 時間がない・・・。

 私は正直に、急には決められないと伝え、店を後にした。

 私はその足で「P」様に行った。
 そしてムートンバッグの在庫を確認してもらった。

 今や、青山本店に1個あるのみとのこと。
 やっぱりねー。
 本気で欲しいのなら、明日にでも店に駆け込まないと、手に入らないだろう。
 そんな状況。

 家に帰ってから、あのルビーのネックレスの効果をあれこれ想像した。
 うまくイメージがわかない。

 ‘スパイダーウェブ’モチーフのペンダントならうまく合わせられるだろうか?

 ‘スパイダーウェブ’はお気に入りではあるのだが、洋服を選んでしまってコーディネートが難しい・・・。
 ルビーのネックレスは、‘スパイダーウェブ’の救世主となるか!?
 ピンクゴールドのチェーンはきっと、ルビーに合わなくはないだろうがね・・・。

 あの店員の彼女の場合、‘自分の色’の石はブラウンダイアだった。
 だがブラウンダイアは、そもそもが肌馴染みのいい色。
 だからこそ、他とのアクセサリーにも合わせやすいということになんじゃないか?

 その点、ルビーの赤は、肌の色とは大きく異なるし、‘つなぎ’にはできないんじゃないか?
 違うだろうか??

                             以上、みちょるびんでした!

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