ハプニング

ゆがみ

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こんにちは、みちょるびんです。

【ある年の節分の前日(日記)】

 今日は、とても不思議なことがあった。
 あったというか、いつの間に・・・という感じなのだが。

 午後、トイレに行って、手を洗った。

 私は、お手洗い等に行って手を洗う時は、必ず、指にはめている指輪を外すようにしている。
 普段、身に着けている指輪は、水道水で洗っても、何ら問題はない素材のものなのだが、外した方が水垢等の汚れの付着が少なくて済み、さほど頻繁に手入れしなくても、きれいな状態を保つことができるからだ。

 私が日常使いとして、身に着けている指輪は2つ。

 1つは、ばあちゃんの形見の指輪。
 ばあちゃんの場合、薬指につけていたものだが、私の指には小さ過ぎるので、私はピンキーリング(小指用)として愛用している。
 正面のデザインが、少しぷっくり丸みを帯びて、幅も少しだけ幅広になっているので、すぐに指輪の正面が特定でき、裏表等を迷うことなく、装着が可能だ。

 そしてもう1つ、もう10年くらい、ほぼ毎日のようにつけている、シルバーリングがある。
 これは、カナディアン・インディアンの手彫りの柄が入った、珍しいリング。
 友情や平和を意味する、ワシの絵柄が、表に彫られている。
 少し幅広で、その幅をキープしながら、ぐるりと一周し、厚みもほぼ均一。
 テーブルの上に指輪を置いてみたときは、どこが前か後ろかわからない、一見、シンプルなフラッドバンドリングである。
 だから、指にはめる時には、一度指輪を手に取ったあと、上下左右にぐるぐると指輪を回転させては、ワシの絵を探し、それが正面にくることを確認してから装着する、という手順になるのだった。

 さて、前置きが長くなったが、そんなわけで、今日も、いつもの習慣で、指輪を指から外して、棚の上に置いてから、手を洗った。

 たいていの場合は、この2つのリングは、上下に重ねるようにして置く。
ばあちゃんリングの方が小さいので、シルバーリングの上に重ねるような感じだ。

 手を洗い終え、先に、ばあちゃんリングを指にはめた。
 次に、シルバーリングに取り掛かろうと、棚の上に置いている指輪を覗き込んだとき、気づいたのだ。

 円形だったはずのワシのシルバーリングが、楕円形になっていた。

 ちょうど、ワシの絵柄(正面)と後ろ側(反対側)をつまんで、ぎゅーっとつぶしたような形だった。

 私は、狐につままれたような気がした。
 誰かが、悪意の内に、指輪を足で踏みつけたのかと思ったくらいだ。
 そうでもしなければ、こんな風に、楕円にはならないだろうと思った。

 しかし、一体、だれが、いつ?
 考えてみると、指輪を外したのは、この手を洗う間の数秒間であり、誰もそんなことをする人はいない。
 では、いつからこの指輪は、楕円形になっていたのか?

 毎日身に着ける指輪である。
 そりゃ、まじまじと見ているわけではないが、ハンドクリームを手に塗ったり、指がむくんで、指輪をつける指を替えたりと、1日の内でも、何度かワシの位置を確認する機会があるわけだ。
 全然気がつかなかった。
 あるいは、もう、ずいぶん前から・・・?

 いや、そんなはずはない。
 いつも指輪を外したとき、この2つのリングは、上下に重ねて平たい面の上に置くし、そうすると、大抵は、上に乗せたばあちゃんリングは、鉄棒をするかのように、くるんと垂直に立ち上がるのだ。
 ばあちゃんリングは、前方に厚みがあるから、重みがある方が、下に行き、そんな風になるのだろう。

 しかし、下に置くシルバーリングが、長細い楕円になった今、下手すると、ばあちゃんリングは、その輪っかを通り抜けてしまうのだ。
 こんなこと、今まで、一度もなかったのに。

 なんとも不思議である。
 楕円を、元の円形に戻そうと、出っ張った方を押してみたのだが、結構堅く、びくともしないのだった。

 私からこの報告を受けた年配の同僚は、重い物を手に持ったのでしょうと言ったが、両方向から圧力がかかったような形である。
 全く記憶がない。

 それに着け心地にも違和感があるように感じられた。
 気づく前と、後で。
 それって、変形したことを意識し、神経質になっただけなのだろうか?

 本当に不思議としか言いようがない。
 災いか何かから私を守ろうとして、こんなに歪んでしまったのか・・・・??

【節分の日(日記)】

 今朝はあまり、目覚めは良くなかった。
 昨日のサウナや風呂でアテられたのか。
 疲れていたはずなのに、夜中、ぐっすりと眠れなかった。
 途中、何度か目が覚めたのだ。
 朝起きた時は、ちょっと辛かった。

 しかし、今日は、節分。
 いよいよ、本厄が明けるのだ!

 ぬいぐるみたんに目をやると、とてもうれしそうだった。
 何かいいことがあるのかなぁと、ちょっと期待したが、特別に何かあるというわけでもなく、今日は、ごく平凡な一日だった。

 でも、ぬいぐるみたんは、本当にニコニコ笑っていて、口を大きくあけて満面の笑みで。
 その笑顔を見ていると、私までうれしくなるのだ。

 やっぱり、指輪のゆがみは、何かを阻止してくれたのか。
 どう考えても、やっぱり変だと思う。

 指にはめようと、指輪を手でつまむ時、指輪の正面の確認をするとき、気づいていいはずなのだ。
 それが、急に昨日の午後に発覚したのだ。
 やはり、楕円にゆがんだのは、昨日か、少なくとも一昨日としか思えない。

 だが、私は、絶対に、身に覚えがないのだ。

                       以上、みちょるびんでした!

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