ダンス! 第一次仕事イヤイヤ期

第一次仕事イヤイヤ期(その80:「度量の違い」編)

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こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。

【ある日のダンス日記】

 夜は、ダンス教室に行った。
 3週間ぶりである。

 初めて聴いた即興ダンスのその曲は、能や狂言に使われる音楽にも似ているように感じられた。
 なんか、不思議な感覚というか、巫女さんになったような、懐かしいような感じがした。
 いつも以上に、想像力が掻き立てられ、面白い動きが出たように思う。

 今日の即興ダンスのテーマでは、「何かを探す」ということが指定され、私は‘愛’にした。
 ‘運命の人’と言いたいところだったが、それはさすがに、人前で発表するのがはばかられた。

 先生に、「探す前に、内面を見よ」と言われたのだが、結局、それで手いっぱいで、愛を探しに出かけるに至らなかったように思う。

 LAに在住しているという女性のプロダンサーも参加し、‘いやなハリウッドスター’をテーマにしていた。
 彼女の‘とがった’感じが嫌だったということもあるが、なんかこう、「いい気になっている感じが‘いけ好かない’」と言うか、即興中、思い切り絡んで、彼女のペースを乱した。

 いつだったかの「‘俺を見てくれ’君の男子更衣室からの登場を阻んだとき」と同じように、歓声があがった。
 そんな笑い声が出ると、私もいい気になる。
 気持ち良かった。

 レッスンが終わってから、仲良しのプロダンサー・感覚派Kさんと、素人仲間のOさんに、面白かったと褒められた。
 別の常連プロダンサーLさんにも、「あの潔さを見習いたい」と言われ、嬉しかった。

 でも正直、その‘潔さ’というのがどういうものなのか、自分ではわからない。
 Oさんが、「以前、別の人にも、度胸があると言われてましたよね」とフォローしてくれた。

 どうも、皆が言っているのは、今日の‘LAさんへのちょっかい’のことのようだった。

 つまり、「他の皆は、いやだなと思っても、自分から仕掛けていけない」ということのようだった。
 それは、単に、私が負けず嫌いなだけだと思うのだが、そのコメントは控えた。

 LさんもOさんも、「でもそれが、ちっともいやな感じじゃなくて、むしろ可笑しいんですよね、今日もすごく笑いました」と口々に言ってくれ、「悪気がなく、ネアカだからなんでしょうかねぇ」とその理由を分析したようだった。

 自分を客観視できないので、それがどれだけのものなのか、わからない。
 でも、皆が褒めてくれていることだけは伝わってきたので、ありがたく、素直に受け入れることにしよう。

 ところで、あるアーティストの即興ダンスは、見ていて、すごく不快だった。
 あれが、「自我」というものなのか。
 私が彼と同じグループで踊っていたら、LAさん以上にちょっかいを出していたかも知れない。

 でも、その点、プロダンサーKさんは、すごかった。
 彼のすべてを受け入れていたとでもいうか。

 先生の批評では、Kさんに対し、(プロとしての期待、エールもあるのだろうが)少しネガティブなコメントがあったが、私は、すごいと思ったのだ。
 Kさんの懐の大きさを感じたというか。
 私にはできないことだ。

 きっと、これが、「人と向き合う」ということなんじゃないか、そんな気がした。

 私は、ちゃんと、人と向き合えないのかも知れない・・・・。

                       以上、みちょるびんでした!

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