こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【即興バトル、前日の日記】
今日は、実質、私の仕事納め。
本来最終日となる明日は、「即席即興バトル」出演のため、1日、休暇を取っているのだ。
仕事も、すっきり一区切りでき、思い残すことのない仕事納めになったのでよかった。
私は、仕事を終えると、ダンススタジオに急いだ。
「バトル」で一緒に組むことになったダイちゃんとはっちゃんが、スタジオで先に練習を開始しているのだ。
偶然、スタジオ近くで、ダイちゃんとはっちゃんに会った。
これから、夕飯の買い出しに行こうとしていたとのこと。
私も一緒におにぎり等を買って、スタジオに向かった。
日中に、ダイちゃんより連絡があり、出演者の持ち時間が、「3分」から「2分」に短縮されたことを聞かされていた。
しかし、その連絡を受けたダイちゃんは、「曲が、とてもいい編集ができたから」と粘ってくれ、先生も、「ダイちゃんチームは3人で、他の出演者と比べて人数が多いから」と言って下さり、我々は特別に「3分」の出演を許してもらえたという。
でかした、ダイちゃん!!
その代わり、面白いものにするようにと要求されたのだが。
さて、幸い、スタジオには、我々しかいなかった。
夕方、他のメンバーが来て練習していたらしいが、既に帰ったあとだった。
早速、私たちは練習を開始した。
編集された曲はピカイチだった。
申し分なし。
3人で軽く踊ってみた後、私は、いくつかの提案をした。
1つめは、2曲目(ヴェルディ作曲「レクイエム」 から 第2曲 「怒りの日(ディエス・イレ)」)の「チャ、チャーンチャッ/チャ、チャーンチャッ」のところで、全員でジャンプしてはどうかということ。
どうしても、3人の動きが全体的に単調になっているように感じられたので、メリハリをつけるために、そのメロディーの時に同時にジャンプしたらいいのではないかと思ったのだ。
このアイディアは、とてもうまくいったように見えた。
次に、3曲目(「赤い絆(レッド・センセーション)」)。
アウトロの伴奏のところで、ダイちゃんと私が調子を合わせて、前後に動き、はっちゃんに得意の側転を披露してもらって、最後は、各自、決めポーズを作って終了するという展開。
はっちゃんが、その流れを覚えられるかが心配だったが、はっちゃんは絶妙のタイミングで側転をしてくれ、私とダイちゃんは、うれしさのあまり、最後の決めポーズの後、毎回、拍手して喜んだ。
なかなかうまい出来と楽しさに、私たちは、練習しながら笑い合った。
うまくまとまってきたところで、ダイちゃんの提案で、事務所のスタッフさんに、その出来を見てもらうことになった。
私は、あまり気が進まなかったのだが、ダイちゃんは、そういうところはすごく積極的なのだ。
私たち3人は、練習疲れもあったと思うが、我々の発表を見終えたスタッフさんから、「3人それぞれの持ち味が全く出ておらず、振付をしているようで、’ショー’を見ているようだった」と言われた。
「『即興』をやろうという趣旨に反しているのではないか」と。
うーぬ・・・。
スタッフさんに見てもらって正解だったようだ。
’ショー’というのは、的確な指摘だったのかもしれない。
観客を満足させねばだし、でも我々は3人だし・・・と、私自身、「うまくまとめなければ」という意識が強く働いていたのだった。
スタッフさんに、「もうこれ以上、3人で練習しても、いいものは生まれないだろう」と言われ、私たちも納得し、今日は、ここで、練習を終了させた。
はっちゃんと別れた後、私とダイちゃんは、一緒に軽く食事してから、帰路についた。
明日は、いよいよ「即席即興バトル」本番。
数日前に出かけた旅行以降、ずっと睡眠不足が続いていたので、私は、疲れがピークに達していた。
でも、明日は、本番の前に、ダイちゃんたちと一旦、お昼頃にスタジオ集合する約束をしていたので、明朝もゆっくりはしていられない。
これから、明日の衣装の準備もせねばだ・・・。
以上、みちょるびんでした!