こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【ライブの翌日の日記】
ライブの翌日、ライブを観に来てくれた仲のいい仕事関係者の反応が気になった。
ライブでは、オフィスレディーたる私が、普段は見せない’顔’を見せるわけで、初めて私の即興ダンスを観る人からは、驚かれる(引かれる?)かもしれないわけで。
また、妹のような、自分の身内ではない、ある意味中立で、免疫のない人からの反応の方が、より客観的で、一番素直な感想が得られるのだろうという期待と不安があった。
観に来てくれた二人のうち、一人の子の感想は、「見たことのない笑顔」だった。
その他、私のダンスに対するコメント等はなかった。
あー、やっぱり?
戸惑うよねぇ・・・。
まぁ、ね。
仕方ないか。
遅れて届いた、もう一人の子からの連絡では、「撮った写真を送るけど、恥ずかしくないですか?」だった・・・。
【レッスンでライブ録画を視聴した翌日の日記】
ライブを見に来てくれた、仲のいい仕事関係の人から、職場に封筒が届いた。
「お楽しみに!」と言われていた、例のものだ。
早速、開封。
中には、2枚のCDが入っていた。
私が目をつぶって、ヘンなポーズをしている、手作りのCDジャケットが目に飛び込んできた。
確かに、これは恥ずかしい。
咄嗟に、伏せたくなるショットだった。
早速、PCにセットしてみたが、うんともすんとも言わない。
ああ、そうだ、職場のPCでは、DVDは見られないのだった。
昼休みに、同僚から、DVDプレイヤーを持っている人を紹介してもらい、皆で見てみた。
DVDでは、私にも馴染みのある、ポップな曲がBGMとして使われていて、楽しげだった。
そして素材は、写真だけだと言うのに、とても上手に編集されていた。
私たちは、大声を出して笑ってしまった。
面白い。って、いうか、本当に、編集が上手!
皆、「どうやってこのDVDを作ったのだろう」って、主役であるはずの被写体の私よりも、そちらの方に感心していた。
感激した!
写真も笑え、楽しかった。
ただ、あまりに、変なポーズのショットが多くて、DVDを一緒に観た同僚には、おそらく、私の即興ダンスそのものも、’可笑しなもの’という印象を与えてしまったように思った。
名誉挽回のために、昨日、ダンスレッスンの時に観せてもらった動画を、皆に見せたいくらいだった。
その後、何度か、写真を見ては、ひとりでニヤニヤしていた。
夜は、いつものように残業した。
最後に、残業の’夜飯仲間’のよしみで、一人の男性同僚に写真を見せることにした。
以前、晩ごはんを一緒に食べながら、ダンスレッスン等の話をしたことがあったからだ。
同僚の反応は、結構、いやな感じだった。
「何かの宗教団体みたい」とか「悪趣味」というような、ネガティブな感想がもたらされた。
トドメに「別に、いいんじゃないですか、趣味でやる分には」的な、上から目線の発言。
なんか、一気にテンションが下がったというか。
見せる相手を間違ったのだ。
何て言うか、こう、私の中の、神聖なものを汚されたという感じ。
私が浮かれ過ぎていたのだろう。
とにもかくにも、DVDは気に入った。
ありがとう。
編集さん!
【それから1週間後の日記】
妹や義弟にゆっくり会うのは、4カ月ぶり。
ライブ後、初の会合だったので、ちょっと小っ恥ずかしい気もしたが。
いろいろと話をした。
まずは、ダンスライブの感想を聞いた。
義弟に「本当に、即興でやっていたの?」と訊かれた。
やっぱり、あれが即興とは思わないものなのか。
以前、先生から、「みちょるびんさんの場合は、観客は、即興で踊っているという風には信じないでしょうね」と言われたことがあったのを思い出した。
妹は、お題にあった「耳かき」の時の私が、一番好きだったとのこと。
とても気持ち良さそうな表情をしていたらしい。
そんな私の顔を見て、観客が笑っていたとのこと。
私は、年齢的にも、他の生徒さんたちよりも上だし、ダンスも上手(!)で、存在感があるので、他の若い生徒さんたちの中に私がまぎれていると「何者? 先生!?」と不思議な存在に見えたのだとか。
「いっそのこと、’生徒さん’ではなく、’プロ’という顔でいてもいいのでは?」とのこと。
うれしいお言葉。
’女性アイドルデュオのダンス’は、最前列で踊っていたこともあり、次に踊った’キャラクターの振付ダンス’よりも印象的だったとのこと。
その他の出演者たちについても、いろいろな感想を聞いた。
先生の衣装についての、言及もあった。
あのようなステージでは、ちょっと、奇抜な方がいいということなのだろうか。
ご老人ダンサーズは、妹たちからも好評で、彼らが参加したことにより、ライブの幅が広がったような感じがしたらしい。
これは、朗報ではないか!
【更に2週間後の日記】
夜、故郷の両親から電話があり、そこで、父・パピーに「ライブには出るな!」と止められた。
私が、テレビに映ると勘違いしているらしい。
「会社をクビになるから、やめろ!」と。
本気で、そんな、きらびやかな展開になるとでも思っているのだろうか?
光栄というか、なんというか。
以上、みちょるびんでした!