こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【ある一日(日記)】
ステップ1:映画鑑賞
今日は、忙しい一日だった。
軽く自分の用事を済ませたあと、私は、つるさんとの約束の場所に向かった。
今日は、東京国際映画祭の第一弾「悪魔の手毬唄」を観に行くのだ。
つるさんも行くと言ってくれなかったら、果たして、一人で観に行ったかどうか。
が、観て良かったと思った。
やっぱり、昔の日本映画はいいものだ。
主役の俳優・石坂浩二さんもカッコ良かったし、女優の岸恵子さんはとても美しかった。
あの豊な自然や、情緒あふれる日本家屋。
いいんだよなー。
私は、映画が始まってすぐから、感動していた。
他方で、ストーリーは、ありえない話とでもいうか、妻以外に3人の女を腹ませて、生まれた4人全員が同級生と言う設定だった。
犯人は、岸恵子さんではないかと思っていたが、にらんだ通りだった。
実は昔、テレビか何かで見たような気もするのだが。
岸恵子さん演じる’母’が自死し、自分の恋人を殺したのが、実は母だったと知った息子が、帰らぬ人となった母にすがって泣くシーンは、涙を誘った。
ステップ2:回転寿司
映画の後、私は、なぜか、お腹が空いていた。
映画が始まる直前に、パニーニを食べたというのに。
それで、その後、つるさんと、回転寿司に入った。
回転寿司に来るのは、今回で何回目だろう?
故郷の魚が新鮮であるので、私は実は、東京ではあまり、生魚を食べる気がせず、これまで回転寿司に挑戦する機会があまりなかったのだ。
システムに慣れず、ちょっと、あたふたした。
が、思いの外おいしくいただいた。
これまで、東京の刺身を敬遠していた私だが、私にはあんまり、その’違い’がわからないのかも!?
店の外に出ると、雨が降っていた。
いつも持ち歩いている折り畳み傘が、今日はバッグに入っていないことに気づき、がっかり。
二人で、傘を調達した。
私は他の人に間違われるのがいやだったので、鮮やかなオレンジ色をチョイスした。
ステップ3:写真展
次に向かったのは、ある舞踊家を撮影した「写真展」だった。
これは、つるさんのリクエスト。
先日二人で観劇に行った時にもらったチラシに案内があったもので、昨日、つるさん宅におじゃました際に、このチラシが貼ってあり、「じゃぁ、一緒に行こう」ということになったのだ。
入場料がタダでよかった・・・。
正直なところ、私は、この被写体である舞踊家を知らないし、あまりきれいだとは思えなかったのだ。
写真は、その人が70歳や80歳くらいの時のもので、老いており、仕方がないのかも知れないが、私の美的センスには響かなかった。
まぁ、’顔’と’手’の表情はすばらしいと思ったが。
つるさんは、コメント等、特に何も言わなかった。
感想を聞きたいものだ。
フィニッシュ:即興ダンス
ダンス教室の開始まで、時間が少しあったので、二人でお茶をした。
昨日、今日と、つるさんには、随分、片思いの恋愛話を聞いてもらった。
ありがたいことである。
おかげで、だいぶ気が晴れた気がした。
だから、今日の即興ダンスでは、もう、’怒り’を表現する必要はないだろうと思ったのだ。
しかし、’怒り’をしぼり出して、心の中に残さないようにした方がいいのかもと思い直し、「怒り」をテーマにしてみた。
先生には、「(ライブのステージに立っているという観点から)’プロ’なんだから、’自己啓発セミナー’みたいになるのではなく、ちゃんと、自分を客観視して踊るように」と、事前に釘を刺された。
確かにそのとおりだ。
そして、即興。
自分でも驚いたが、スゴイ’怒り’のエネルギーが出た。
本当に、私は、こんなにも腹を立てていたのだろうか?
一緒のグループで踊った男性ダンサーが、妙に挑発的だったということもあるが、私は、その男性ダンサーに向かって行った。
’怒り’がそうさせた。
直接的に攻撃はせず、’かめはめ波’のようなイメージで、’気’を飛ばすということもやった。
発射するときに、思わず声を出していた。
しかもすごい大声で。
自分でもびっくりした。
実のところ、その男性ダンサーが’彼’に見えていた。
それも、男性ダンサーに’当たった’原因かも。
最後に、私はまるで、トマトをひねりつぶすように、左手に持った’相手の心臓’を握りつぶした。
そんな怒りを出した自分が怖かったし、大変なことをしたと思った。
興奮していて、泣きそうになった。
かなり、入り込んでいたのかも知れない。
2曲目を踊る時、先生に、ちゃんと癒すように言われたので、皆に、謝罪というか、労わりというか、そういうオーラを送ることに専念した。
今日の私の即興ダンスを見ていたダンス仲間の一人が、私が主人公のように見えたと言ってくれた。
いいタイミングで、皆の中央に私がいて、私が皆を、盛り上げている感じがしたと。
私は、主人公を演じたつもりはないのだが、’怒り’のエネルギーが強過ぎて、一緒に踊っていた周りの皆を、巻き込んでしまったのかも知れない。
果たしてこれで、私の怒りの感情は、収まっただろうか・・・?
レッスンの帰り、電車に一人、揺られながら、私はなにか、おだやかな気持ちでいたことは確かだ。
ヒトに怒りをぶつけても、誰も幸せにならない。
そして、それは、必ず自分に返ってくる。
だったら、この怒りは、昇華するしかないんじゃないか。
そう、思った。
以上、みちょるびんでした!