ダンス! 第一次仕事イヤイヤ期

第一次仕事イヤイヤ期(その101:「初ライブ!」その2編)

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こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。

【ダンスライブ当日、第一部(日記)】

 今日は、いよいよダンスライブ当日。

 窓の外を見てびっくり。
 辺り一面白く、雪が斜めに吹いていた。
 こんな日にライブだなんて、どういう日だろう。
 外は寒いのではないか。
 ライブハウスは寒くないのか、心配になったが、仕方がない。

 ライブハウス自体には、着替えるスペースがないので、ダンス教室からは、出演するそのままの格好で移動した方がいいと予め言われていた。
 そんなこともあり、今日は、家からダンス教室に向かう際も、ジャージとTシャツで行くことにした。

 ジャージはスカスカと風通しがいいので、教室に行くまでに足が冷えるのではないかと思い、とりあえず、タイツを下に履いた。
 練習で、汗をかくかも知れないと思い、本番用は別途、持参することにして、いつものレッスン用Tシャツを着た。
 その上から、カシミアのカーディガンを羽織った。
 スケッチ旅行(野外で行うスケッチ)のために買った、膝まであるふかふかのダウンがここでも役に立ち、本当に良かった。
 ダウンがなかったら、今日は、大変だったに違いない。
 ダウンのおかげで、Tシャツとカーディガンだけであっても、全然問題なかったので、助かった。

 現場は狭いだろうから、あまり大荷物にはしたくはなかったのだが、荷物は1つにまとめられた方がいいだろうと思い、ボストンバッグで出かけた。
 脱いだブーツもダウンも、全てこの中に収めることができるというわけだ。
 本番で汗をかくかもしれないので、帰宅時用に、とりあえず、着替えのジーパンとセーターも持った。

 いざ、出陣。

 ダンス教室に到着したのは、昼過ぎだった。
 既に皆は、曲を鳴らしながら、復習みたいにして踊っていた。

 先生に、「私と体が糸で繋がっているというイメージで踊ってください」と言われ、緊張しながら「はい」と答えた。

 16時半開演の第一部のオープニング出演であったので、最初に練習した。
 しかしそのうち、時間がなくなってきて、最終的には、一緒くたになって、皆で練習した。

 第二部の練習の際、先生の指名で、Hちゃんがリーダー役を務めた。
 私にとっては、そちらの方が、気が楽なのだ。
 少しだけ、がっかりしつつも、Hちゃんにやってもらって助かったと思った。

 あっという間に13時になり、いよいよライブハウスに移動した。

 外は雪なので、寒いだろうと思った。
 履いてきたタイツも、練習の時に脱いでいた。
 しかし、体を動かして、体が温まっていたせいか、思いの外、寒さは感じられなかった。

 荷物を持って、傘をさして、皆で移動した。

 ライブハウスの場所は、駅を挟んで、ダンス教室とは反対側、駅からは徒歩3分位と聞いていた。
 だが、教室からはずいぶん歩いたような気がした。
 おしゃべりしながら歩いたせいもあるが、どこをどう歩いたのか、よくわからなかった。

 到着したライブハウスの入り口は、健全な明るい感じで、私が想像していたイメージとは違っていた。
 日中に、音楽教室を開いたりしているせいもあろう。
 しかし、地下に下りて行ってみると、ライブハウスのステージの壁は黒く、’いかにも’という感じがした。
 ステージが断然狭い、というのが印象的だった。
 100人の観客が収容できると聞いていたが、とても100人が入れるとは思えない広さである。

 早速リハーサルが開始された。
 マイクの位置や音量やらの調整が行われたり、立ち位置をチェックしたりした。
 曲で踊ってみたが、教室で踊るのとは、全然雰囲気が違う気がした。
 しかし、リハーサルでは、少し本気を出して踊ってみた。
 気持ちが良かった。

 19時半開催の第二部のリハーサルは、第一部が終了した後に行うということになった。
 1回目のリハーサルは、15時前に終わり、次の集合時間までに1時間くらいの休憩があった。
 お腹に何かしら入れようと言うので、皆と一緒に、近くのカフェに行って、休んだ。
 窓の大きい、ジャズの流れるお店で、ソファに腰かけると、ゆったりした気分になり、これからライブに出るということを忘れてしまいそうな感じだった。
 あまり、食欲はなかったのだが、口にした方がいいだろうと思い、おじやを食べた。

 皆で、たわいのない話をした。
 こんな風にプロのダンサーの方たちと話をするのは、ほとんど初めてであった。

 プロダンサーのMさんに、演劇等で舞台に出たらいいのではないかと言われた。
 そうやって言われるのは、うれしい。

 16時になり、ライブハウスに再び戻った。
 本番用のTシャツへの着替えは、カフェで済ませていた。
 靴だけを履き替えた。
 疲れるかもと思い、あめをポケットに忍ばせた。

 準備万端。

 ちらほらとお客さんが入ってきた。
 出演者で、到着が遅れている人がいるというので、開演が少し遅れた。

 少しだけ、ほんの少し、いつもよりも鼓動が早く動いていたのではないか。

 そしていよいよ、開演。
 先生が舞台であいさつをされた。
 今回は実験であると。
 だから、少々のことには、目をつぶってほしい、みたいなことだった。

 オープニングの曲が鳴り始めた。
 私は、気持ちを高めようと、曲のリズムに合わせて体を揺らした。

 そして、出番。

 跳ねながら登場するつもりでいたのだが、少し、ジャンプが足りなかったようだ。
 前半の人たちがハケて、いよいよ即興ダンスがスタートした。

 舞台から見た客席は真っ暗で、観客の様子が全然わからなかった。
 客席の雰囲気が全く分からない中、一種独立した空間の中で踊っている感じがした。
 一緒に踊っているダンサーに絡もうと思い、振り向いて見てみたのだが、皆、自分の世界に閉じこもっているかのようで、全く絡んで行ける感じではなかった。
 なので、私も一人で踊ることにした。

 正直、自分がどんな風に踊ったのかは、よく覚えていない。
 しかし、ちょっと面白い踊りができたのではないかと思う。
 ステージの一番後ろの方にいて、少し、周りの皆を見る余裕はあった。

 皆で踊る共通の振付パートは、まぁまぁの出来というところか。
 特段のミスもなく、踊れたと思う。
 最後の決めポーズが少し、’決まり’が良くなかったが、ごまかせる範囲だ。
 いずれにせよ、気持ちが良かった。

 ステージの後、誰だったかに、私の即興ダンスの振りが面白かったと言われた。
 上手だったとも。
 うれしい。

 また、プロダンサーのMさんにも褒められた。
 顔が明るい雰囲気で、笑顔が良い。
 見ていて元気になれる、ビタミン的な存在で、貴重と。

 大変なお誉めの言葉。
 感謝。  (つづく)

                       以上、みちょるびんでした!

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