こんにちは、みちょるびんです。
実はみちょるびん、「ローマ中央駅かつあげ事件」から約1ヶ月後に、またしても外国旅行中に怖い思いをしていました。
1ヶ月後!?
早すぎない!?!?
‘おのぼりさん’ってことが見え見えだった!?!?!?
いい機会でもあり、戒めとして、当時の日記をご紹介します!
8年前の日記:コペンハーゲン滞在1日目(前編)
今日から1泊2日でコペンハーゲン旅行に出かける。
コペンハーゲンの空港に降り立ち、いざ市内に移動しようと、電車のホームまで行ったのだが、どこで切符を購入できるのかわからず、断念。
また逆戻りすることになった。
電車のホームで、私が自動券売機らしい機械を操作していた時に、家族連れが通りかかった。
訊ねてみたが、彼らにも操作はわからないということだった。
中南米風の外国人観光客だったようで、彼らも切符を持っていないと言う。
それだのに彼らは、私の格闘を横目に、ホームの奥の方に進んで行ったのだった。
きっと‘わからない’ことを口実に、はなから切符を買う気はないのだろう。
私は元来た道を戻り、そこで見つけた窓口でようやく切符を購入した。
ホテルは、中央駅のすぐ近くに手配していた。
駅からさほど歩かずにすみ良かったが、ホテルのすぐそばには女性のヌードの看板を掲げた店があり、何となくいかがわしい感じの通りだった。
周辺の治安に、少し不安を覚えた。
まだお昼前だったが、私は先にランチを済まそうと思い、レストランに向かった。
宿泊ホテルの近くにベトナム料理店があるということはチェック済だった。
ヒトに言うと「デンマークに来て、アジア料理?」と驚かれそうだが、私が住んでいる国には、アジア料理店がほぼ皆無。
だからどうしても、アジア料理が恋しくなるのである。
ところが残念なことに店は閉まっていた。
店内で人が掃除している姿が見えたが、お昼に開店する予定なのであれば、もうその時間からすると準備が遅すぎる。
きっと土曜の今日はランチの営業はしないのだろう。
諦めることにした。
予め調べてから来ただけに、がっかりである。
今日は、ネットで紹介されていたアンティーク街を訪れることを計画していた。
ランチはひとまずお預けにし、先にアンティーク街に向かうことにした。
その前に、宿泊ホテルの近くで雑貨屋らしい佇まいのお店を見つけた。
手作りの焼き物を扱う店だった。
マグカップ等かわいかったが、これからの遠出を控え、荷物が重くなることが躊躇された。
それにアンティーク店への期待も高かった。
だからマグカップへの欲望はグッと抑え、かわりに小さいスプーンを購入した。
形がコロンと丸くてかわいかったのだ。
コペンハーゲン初のお買い上げ品となった。
アンティーク店が立ち並ぶと言われる通りは少し遠かったが、川沿いを通ることになるので、散歩がてら歩いて行ってみることにした。
かわいらしい街並みだった。
途中、白鳥が陸に上がり、私の方に向かって歩いて来た。
私も興味をそそられ近づこうとしたが、走って来たランニング中の男性に「噛みつかれるから注意しろ」と声をかけられた。
白鳥と距離を置いた。
家具を扱っているお店を見つけ、店内を覘いてみた。
北欧らしい家具がかわいかった。
将来的にチェストが欲しいと考えており、いい候補のように思った。
とは言え、今の家には置き先がない。
具体的に購入を検討することはしなかった。
そうやってふらふらと寄り道しながら行ったので、アンティーク通りに到着した頃には、時刻は13時になろうとしていた。
ネットで紹介されていたアンティーク店は14時に閉まるということだったので焦った。
アンティーク通りのすぐ入り口のところに、洋服のビンテージショップがあったが、気になったものはいずれも新品。
また値段も高かったので、迷った末、購入は控えた。
初めに入ったアンティーク店も営業は14時までと言うことだった。
ざっと店内を見回し、リンゴの柄のついた小皿が北欧的なデザインで気になった。
色合いもかわいかった。
何年くらいのものかと店主に訊いたら、私の生まれた年だと言う。
運命を感じた。
どうやったらその年だと特定できるのか?と質問してみたら、皿の裏の刻印でわかるのだともっともらしい答え。
おやじを信じることにして、即決した。
値段もさほど高くないようだった。
その後、ネットで見ていたお店を探すも、その店はなかった。
その代わり、さすがにアンティーク通りと謳われているだけあって、いくつものアンティーク店が並んでいた。
通りの奥に進むにつれ、扱っている商品のクオリティーが高くなり、女子好きのするデザインを扱っているように感じた。
最後に入ったお店は、女性が店主で、趣味も良かった。
14時に閉店する店が多い中、その店は17時なのだそうで、‘攻めている’という印象を受けた。
アジア人女性――日本人のようにも見えた――が、同じく店内を物色していた。
他店も回ってきていたよう。
買い付けをしているようにも見受けられた。
彼女がレジで精算をしていた時に聞こえて来た店主との会話は「This is very rare.(これはとても珍しいですね。)」「I think so.(そう思います。)」というもの。
どうやら彼女が購入したものは、銅製のミルクパンのようだった。
おしゃれな品を扱う女店主と交わすこの会話に、私は嫉妬を覚えた。
‘目利き’同士の会話である。
私が北欧に来るのは、ヘルシンキに次ぎ今回が2回目。
正直なところ、北欧雑貨としてどういったアイテムが珍品なのか見当もつかない。
女店主とバイヤーらしき女性の会話が耳に入ってからというもの、自分がかわいいと思って手に取って見ていたその花瓶が、急につまらないもののように感じ出した。
赤と黒と白色をした、どこか――雑誌か何か――で見たような‘北欧チック’なデザインだったが、料金は手頃。
きっと無名の作家のものなのだろう。
‘無名だから悪い’などとはもちろん思わないが、レジ付近に陳列してあった別の花瓶は、確かに‘品’があり、おしゃれで、値段も高かった。
これらの品を見た後に、もう一度その花瓶を見ると、なんだかとても色褪せて見えた。
その花瓶のことが気になっていたことが、恥ずかしいような気がした。
女店主に、私は‘目利きではない’と見抜かれているのではないか考えると、いたたまれないような気持ちになり、そのまま店を出た。
今日は自分の‘審美眼’が曇っているように感じられたので、購入は、今すぐに決断しない方がいいと感じた。
別の客が見ていた蜂の柄の花瓶は、確かに珍しいデザインのように思った。
だが、それは自分の趣味ではなかった。
(つづく・・・)
以上、みちょるびんでした!