ファッション関係 宝石

新☆誕生石!(6:3月と4月の誕生石)

投稿日:2022年1月27日 更新日:

こんにちは、みちょるびんです。

アクアマリン&モルガナイト

 しまった・・・!
 「新☆誕生石!(2:1月の誕生石)」の記事の中で、「ガーネット」が「グループ」名であるという、他の宝石とは異なる面白さを説明したい一心で、「ベリル」を引き合いに出してしまっていたんだった・・・。
 あの回は、「ガーネット」の名誉挽回(?)のため、「ガーネット」限定のつもりで説明したのですが、その後、気が変わって、「各月、宝石紹介をやってみようかな♪」と思い、「クリソベリル」「アメジスト」と始めてしまいました―――。

 今回、3月の誕生石「アクアマリン」をご紹介するにあたり、早速、行き詰ってます☆ 

 同じ「鉱物種」で、色などが異なる「変種」が、宝石の名前として知られているのは、例えば「ベリル」(鉱物種)なら、「‘緑’だと『エメラルド』」で、「‘水色’なら『アクアマリン』」、「‘ピンク’なら『モルガナイト』」だし、「‘黄色’なら『ヘリオドール』」という具合。

                 「新☆誕生石!(2:1月の誕生石)

 これ以上の説明、いります!?

 自分の中に、「アクアマリン」を説明する‘引き出し’があまりなかったことに対し、深い悲しみを覚えているみちょるびんです・・・。

 そんなわけで、大変申し訳ありませんが、今回新たに加わった4月の誕生石「モルガナイト」も、「アクアマリン」と同じ鉱物種「ベリル」であるので、記事を1つにまとめさせていただきたく、ご了承願います!

 ところで、本を読んでいたら、「アクワマリーン」という表記を見つけました。
 「宝石 -その美と科学-」(昭和47年10月28日、近山晶著)という書籍です。

 ネットで調べてみたところ、「アクワマリーン」ではありませんでしたが、「日本ジュエリー協会が『アクワマリン』を正式名称としている」と言っている記事を見つけました。
 だけど、現在、日本ジュエリー協会のHPを見ても、「アクワマリン」とはなっていませんでしたので、いつの頃からか、世間に浸透している「アクアマリン」を使用されるようになったのでしょうね。

 「アクワマリーン」という古めかしい呼び名が、今回、みちょるびんにヒットしたので、この記事では、敢えて「アクワマリーン」を採用させていただきたいと思います☆

 さて、「アクワマリーン」の「アクワ」は「水」、「マリーン」は「海」という意味。
 鉱物種「ベリル」の中でも、青系の石を「アクワマリーン」と呼びますが、「アクワマリーン」は、海の色を思い起こすあの美しい淡いブルーの色が、そのまま名称になったものです。
 古代の人は、「アクワマリーン」を安全な航海を約束してくれる護符として用いたそうです。

 ところで、水の星座に分類される魚座は、2月19日から3月20日生まれの人が該当しますが、魚座を象徴する宝石の中に、この「アクワマリーン」も含まれています。
 ですから、3月生まれの魚座さんは、ダブルで「アクワマリーン」とご縁があると言えそうです。

 記事「新☆誕生石!(4:2月の誕生石)」における「クリソベリル」のご紹介の際に「キャッツアイ」効果の説明をしましたが、実は、「アクワマリーン」にも、キャッツアイ効果を呈する石があります。

 みちょるびんも、過去に一度だけ見たことがあります。
 きれいな水色の地色の石に現れていたキャッツアイは、決して、「シャープな‘猫の目’」ではありませんでしたが、でもそれが、「アクワマリーン」だと知ったときの驚きは、今でも記憶に残っています。
 「アクワマリーン」には、細かい直線のチューブ・インクルージョンが発達しやすい特性があるのだそうで、この密度が高い時に、キャッツアイ効果を示すことになります。

 先にも述べましたとおり、「アクワマリーン」も「モルガナイト」も、「エメラルド」と同じ鉱物種「ベリル」。

 それにもかかわらず、ほとんどの「エメラルド」にインクルージョン(内包物)が含まれているのに対し、「アクワマリーン」や「モルガナイト」には、ほぼインクルージョンがないというところが面白い点です。
 また、同一産地では産出されていないというところも興味深いところです。

 「色石」(色のある石)は、その「色」で勝負しているところがあるので、どうしても、生産者は、「見栄えの良さ」「消費者の好みの傾向」等を無視できないという状況があります。
 「アクワマリーン」も「モルガナイト」も、黄味を帯びた色で産出されることが多いので、そういった事情から、消費者が好むクールな水色(アクワマリーン)や青みがかったピンク色(モルガナイト)を出すために、熱処理をして、色が改善されています。
 ですから、逆に、熱処理をしていないで、‘人気カラー’が天然である石は、希少性があり、当然、お値段はお高くなります。

 みちょるびん的には、淡く優しいエメラルドグリーンの「アクワマリーン」など、かわいいなぁと思うのですが、「色の好み」は人それぞれだと思います。

 最後に、「モルガナイト」の名前の由来をご紹介します。

 名前の由来となった、ジョン・ピアポント・モルガンは、アメリカのモルガン財閥の創始者であり、20世紀初頭の重要な宝石コレクターと言われています。
 彼の宝石コレクションは、パリ万国博覧会に出展されたり、アメリカ自然史博物館に寄贈されるなどしており、そういった彼の功績が評価され、1910年にマダガスカルで発見された石を、彼の名にちなんで「モルガナイト」と命名することになったのだそうです。
 なお、この命名の提案をしたのが、モルガン氏の宝石コレクションにも一役買っていた、ティファニーの色石の専門家にして著名な宝石学者であったジョージ・クンツ博士です。
 クンツ博士は、当ブログでも紹介した「サボライト」や今回新しく誕生石に追加された12月の「タンザナイト」、9月の「クンツァイト」の名づけ親としても知られる宝石学の大家です。
 「クンツァイト」は、クンツ博士の名前を由来としています。

 「モルガナイト」は、モルガン氏の誕生月が4月だったことから、また、同宝石が日本を代表する桜の花の色合いを持ち合わせているからということで、4月の誕生石として加えられました。

                             以上、みちょるびんでした!

【参考文献】
「宝石 その美と科学」(1972年、近山晶著)

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