ファッション関係 宝石

新☆誕生石!(2:1月の誕生石)

投稿日:2022年1月23日 更新日:

 こんにちは、みちょるびんです。

 「日本の誕生石」が63年ぶりに改定されたというニュースをネットで見ましたが、併せてチェックしたコメント欄には、「誕生月によって、誕生石の数がバラバラな点についての不満」も見られました。

 元々は、各月、1石か2石だったものが、今回改定されたことで、最大4石にまで増えた月がある中、対照的に、1月はそのまま‘1石’というという状況で、ばらつきがあるんです。
 今回新しく追加された10石の、それぞれの簡単な追加理由は、前回の記事(「新☆誕生石!」)にまとめましたが、たまたまその追加対象とならなかった1月、5月、10月、11月のうち、1月だけがもともと1石だけだったということで、なんだか、取り残されてしまった感があります・・・。

 「1月だけが1石だけで、つまらない!」と残念にお思いの1月生まれの方もいらっしゃるかも知れませんね。
 でも、1月の誕生石「ガーネット」は、学べば、奥深い、とても素敵な宝石なんです! 

 「ガーネット」と一口に言いますが、実は「ガーネット」とは、石の名前そのものではなく、ガーネット種の「グループ」を指した名称です。
 ここは、他の宝石と少し違っているところになります。

 と、言うのが、多くの宝石の場合、「色、透明度、特殊効果などにより‘鉱物種’を更に細分化した『変種』というカテゴリー」で呼ばれることが多いからです。

 例えば、「ルビー」と「サファイア」。

 この赤と青の、色が異なる宝石は、全く別の鉱物のように思われがちですが、実は、「鉱物種」が同じ「コランダム」と呼ばれるものです。
 コランダムの中で、‘赤色の石’だけが「ルビー」と呼ばれ、それ以外のものは「サファイア」となります。
 ただし、一般的に、サファイアと言うと、‘青色の石’を指します。
 なぜなら、コランダムは、透明、黄色、オレンジ、ピンク、紫、緑、黒という風に、色のバリエーションが多い鉱物だからです。
 だから例えば、黄色いコランダムの場合は、「イエロー・サファイア」という風に呼びます。

 このように、「ルビー」と「サファイア」は同じ「鉱物種」ですが、「同じ‘鉱物種’」であるという決め手は、「化学組成」と「結晶構造」が同じであるかどうかにかかってきます。

「化学組成」とは、物質を構成する元素や化合物などの化学成分の比率を、「結晶構造」とは、結晶中の原子の配置構造のことを言います。

 たとえば、「ダイアモンド」と「石墨(グラファイト)」。

 ダイアモンドが炭素でできていることは、多くの方がご存じでしょう。
 そして、鉛筆の芯の原料となっている石墨(グラファイト)も、同様に炭素からできています。
 「ダイアモンド」も「石墨」も、炭素で構成されているという点では、「化学組成」は同じということになります。
 しかし、「ダイアモンド」と「石墨」では、外観も違えば、硬度も大きく違います。
 これは、「結晶構造」の違いによるものです。
 従って、「ダイアモンド」と「石墨」は、化学組成は同じであっても結晶構造が異なるので、同じ鉱物種とは言わないのです。

 同じ「鉱物種」で、色などが異なる「変種」が、宝石の名前として知られているのは、例えば「ベリル」(鉱物種)なら、「‘緑’だと『エメラルド』」で、「‘水色’なら『アクアマリン』」、「‘ピンク’なら『モルガナイト』」だし、「‘黄色’なら『ヘリオドール』」という具合。

 さて、そんな中で異色な誕生石は、お待ちかね、「ガーネット」です!

 「ガーネット」は、「同じ結晶構造」なのですが、「わずかに異なる化学組成」を持つ鉱物から成る「グループ」の名称です。
 ガーネットには12種類以上がありますが、宝石として世に流通しているものは5種と言われています。
 「パイロープ」「アルマンダイト」「スペサタイト」「グロシュラライト」そして「アンドラダイト」。
 そして、多くのガーネットは、2つ以上のガーネット種の混合なのだそう。

 この辺は、ちょっと込み入っているので、詳細は割愛しますが、実は、「ガーネットの色は、赤色だけではない」ということをお伝えしたかった!

 「ガーネット」と聞くと、多くの人が黄味がかった濃い赤色を思い出すのではないでしょうか?

 ですが、実はガーネットには黄色やオレンジ、はたまた、緑色の石もあるんです!
 赤は赤でも、紫がかったものもありますよ♪

 シナモンカラーの「ヘソナイト」なんか、みちょるびん、グッときます。
 ヘソナイトのインクルージョン(内包物)の特徴として、‘熱波効果’(ヒートウェイブ効果)あるいは、‘水に漂うスコッチ効果’と呼ばれるものがあるのですが、顕微鏡で石を拡大してみると、まるで砂漠の中に現れる蜃気楼のような、あるいは、スコッチに氷を落としたときに氷から溶け出す文様のような、そんな神秘的なインクルージョンが見られるのです。

 そして、なんと言っても、みちょるびんは、「デマントイド・ガーネット」という黄緑色のガーネット押しです!

 宝石の中で、みちょるびんが一番好きな石。
 そして「いつの日か手に入れたい!」と思っている憧れの石です。
 美術館や博物館で見かける歴史あるジュエリーに使われている黄緑色の石も、実は、「デマントイド・ガーネット」であることが多いんです。

 ダイアモンドの美しさの1つには、石の内側からきらめく七色の輝き(ファイアー)が挙げられますが、「デマントイド・ガーネット」も、その七色の輝きを持っています。
 事実、この石の名前の由来は、ドイツ語で「ダイヤモンドのような」を意味する「デマント」にあります。

 希少性の高い石なので、めったにお目にかかれない石ではありますが、「ガーネット」の中には、他のガーネットとは違う特性を持つ珍しい石もあるということをお伝えしたいっ。

 だから、是非、1月生まれの方は、いろいろなガーネットを楽しんでいただけたらなぁと思います!

                             以上、みちょるびんでした!

【参考文献】
「宝石 その美と科学」(1972年、近山晶著)

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