ウォーキング

思い出散歩道。

投稿日:2021年9月21日 更新日:

こんにちは、みちょるびんです。

【ある日の日記】

 今日は、故郷を発って、東京に帰る日。

 歯医者の帰り、少し、歩いてみたくなった。

 通っていた高校がどうなっているのか、裏門あたりを見たくなって、行ってみた。
 門は開けっぱなし。
 そういうもんか?
 新学期は既に始まっているのだろうが。
 不審者対策とか大丈夫なのか?

 部活動用の部室が入っていた昔の建物はなくなり、新しいのができていた。
 私が所属していた演劇部はどうなっているのだろう?

 母校を過ぎ、近くにある別の高校の方に移動した。
 その近くには、子供の頃に通っていたピアノの先生の家があるはずだった。
 行ってみたくなり、そちらの方へも回ってみた。
 おそらく、昔の家ではなくなっているのに違いない。
 記憶は定かではないが、うっすら残っている記憶のものとは違っていた。

 なんとなく、学校の脇を通って、もう少し先に行ってみたくなった。
 小さな公園があった。
 遊んだ記憶がある。

 校舎の方からは、学生の声が聞こえてきた。
 平日の午前中だから、授業なのだろうか。
 いつも、この辺りを歩くときは、学生の声が聞こえていた。
 コーラスの歌声だとか。

 学校のエリアを抜け、さらに先に進んだ。

 この奥には、高台があったはず・・・。
 記憶を頼りに、階段を上がってみた。
 視界が開け、そこにはグランドがあった。

 グランドの奥の方には、テントを張って、おじさんたちが集まっていた。
 「お茶を飲んでいかないか」と声をかけられたが、私は笑顔で会釈だけして、更に、その上の高台を目指した。

 頂上の高台には、石碑が立っていた。
 お国のためにがんばろう・・・みたいな内容の文字が刻まれていた。

 街を見下ろしてみると、街の中を川が通っていた。
 そして、そこに架かる橋を、人が渡っているのが見えた。
 私が、この高台から見ていることは、彼らにはわかるまい。
 あるいは、私自身も、あの辺りを歩いている時、誰かがこの高台から私を見下ろしていたかも知れない。
 なんだか、不思議な気がした。

 昨夜は、雨が降っていた。
 だから、地面はまだ濡れていて、木々はしっとりとしていた。
 私は、雨に濡れた石畳や木々が好きだ。
 空気が澄んでいるように感じるし、気持ちも落ち着く。

 私は、子供の頃に遊んだ小さな公園の中を抜けて、今度は、実家の近所にある公園に立ち寄ってみた。
 子供の頃、従姉妹たちとよく遊んだ公園だった。

 その公園は、当時と比べると、随分変わっていた。
 公園をぐるりと囲んでいた植込みは切り落とされ、見晴らしがよくなっていた。
 また、公園の遊具の多くが取り払われ、平地になっていた。

 だが、公園の標識は、昔のままだった。
 これは、いつまでも、このままであってほしいものだ。
 そして、藤棚も。

 昔は、この木によじ登ったりしたものだった。
 子供だったから、大きく見えたのか、それとも、木がやせ細ってしまったのか?
 以前の活力は感じられなかった。
 木もやはり、年を取るのか?

 ゴミ箱の上に、黒い丸いものが乗っていたので、ゴミ袋かと思ったら、猫だった。
 藤棚の近くにも、目つきの悪い猫がいた。
 大きく丸く、逃げないところを見ると、人に慣れているのか・・・。

 実家から、この公園に来て、公園を一周ぐるりと回って帰るコースは、さほど負担なく、とてもいいウォーキングコースではないだろうか。
 ウォーキングを始めた父・パピーに提案してみようかな?

 故郷に滞在している間、私も、もっと歩けばよかった。
 天気があまりよくなかったということもあるが、今更ながら、ちょっと、残念に思った。

 公園からの帰路に見えていた、私が子供の頃に勝手に命名していた、ゴリラのように見える「ゴリラ山」の姿がなかった。
 あの山には、別の建物が建ってしまったのか?
 それとも、高い建物が邪魔して見えなくなってしまったのか?

 故郷の景色も少しずつ、変ってきている。

 そうやって、散歩したり、テレビを観たりなんかしていると、時間はあっと言う間。
 瞬く間に出発の時間が来てしまった。

 いつものように、父・パピーと母・マミーと一緒に、家の前で写真を撮った。
 パピーとはここでお別れ。

 マミーは、バスターミナルまで見送りに来てくれたが、すぐに、バスの出発の時間となった。
 あっと言う間。
 だが、別れを惜しむ時間がない方が、いいのかも知れない。

 ウォーキング効果なのか、今年は、パピーもマミーも元気でホッとした。
 来年もまた元気に会いたい。

 (死んだ)じいちゃん、ばあちゃん、どうぞ、二人をお守りください!

                            以上、みちょるびんでした!

-ウォーキング

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