ハプニング

執念-3

投稿日:2020年8月27日 更新日:

こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
長傘を山手線の車内に忘れたことに気が付き、駅の忘れ物係を訪問するも、①親切な人が駅に届けてくれるのを待つ、②電車が車庫に戻るまで待つ、以外、手立てがないと告げられ、問い合わせ先が書かれた紙を手渡された。電車が約1時間で一周すると聞き、当該電車を待ち伏せ、自力で回収をはかることにした。現場検証、推理の結果、利用した車両と座席を割り出したのだが・・・。

1.怪しい行動

 私が利用した電車の御徒町駅出発が、17:17だったと仮定すると、池袋駅到着は、17:35。なので、電車が再び池袋に戻ってくると考えられるのは、約1時間後の18:35頃―――。

 せっかくずっと構内に待機しており、このチャンスを棒に振るわけにはいかないので、18:20頃から、問題の8号車両の停止位置にスタンバって、入構してくる電車のチェックを開始した。

 5分の遅延というアナウンスも耳にしたので、この確認作業は、18:45頃までは続ける覚悟。

 エレベーターの向こうのホームに駅員さんがいるのが見えた。

 私の様子に気づいたようだった。電車が来るたびに、車両に乗り込んでは、またすぐに降車するのだから、きっと変に映っていたに違いない。
 病んでいる人と思われたかも知れない・・・。
 何度か目が合ったように思う。

2.シミュレーション

 傘が見つかったときのシミュレーションも万全だった。

 傘が掛かっている手すりの横の座席には、おそらく誰かが座っているだろうから、まずはその人に「あなたの傘ですか?」と声をかけて、確認した上で、傘を回収しようと思った。そうでないと、「どろぼう!!」となっては困るからだ。

 そんなことを考えながら、①乗車し、②まず左の方の座席をチェック、③次に右に移動してから、④もう一方の候補座席をチェックし、⑤降車するという行為を繰り返した。

3.本命の入構

 いよいよ、本命、18:33着の電車が入ってきた。

 私は、車両に乗り込み、これまでと同じ手順で確認した。乗車、左の席はなし。右に移動して、もう一方の席は・・・・、「あった!!」。

 まさに、私の傘。赤やピンクの柄だった。白いビニール傘も一緒にあった。

 その席に座っていたのは、男の人だった。さすがに、彼の傘ではあるまい。

 私は、近づいて、男の人に会釈だけし、自分の傘だけを取って、すぐに電車を降りた。

 ミッション成功。

 よくぞ、そのままでいてくれたもんだ。私のこの傘は、一人で山手線一周の旅をしてきたのだ。戻ってきてくれてありがとう。うれしかった。

 そういえば、‘ぬいぐるみたん’が今日はずっと笑顔だったことを思い出した。ぬいぐるみたん占いは恐ろしいほど当たる・・・。

4.事後処理

 私は、嬉々として、「忘れ物係」に舞い戻り、事件の解決を報告した。係員さんが別の人に交替していたのが、残念。

 改札を出るとき、入場券とともに、「忘れ物のお問い合わせ先」も一緒に返却した。

 「これはお客様の―――」と呼び止められたが、「戻ってきたので大丈夫です」と胸を張った。

5.あとがき

 この長傘は、16年選手。今でも、現役、絶賛活躍中です♪

 サスペンス好きのみちょるびん、なかなかの名推理でしたねぇ。
 もちろん、お気に入りの傘が手元に戻ってきたことはとてもうれしかったのですが、それ以上に、自分の推理が事件を解決に導いたことが、興奮でした。
 その日の日記の盛り上がりようといったら、半端なかったです! 超大作でしたよ!!

 それにしても、みちょるびんのこの執念、我ながら、すごいと思います。
 この話をすると、大抵の人に目を丸くされます♪

                       以上、みちょるびんでした!

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