こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
1.月一「デッサン会」
みちょるびんは、下手の横好きというやつで、月に一度の「デッサン会」にも通っていました。
指導してくださる先生は、小磯良平の教え子であったというプロの画家の方でした。デッサン会の最後には、先生に批評いただくというスタイルで、それは、参加者の楽しみの一つになっていました。
ある日、いつものように、先生が批評をしてくださいましたが、みちょるびんの絵に対しては、特段のコメントがありませんでした。
そんなことが、何回か続いたので、みちょるびんは先生に、その真意を訊ねてみたことがありました。
2.直撃質問
今日は、いつもより、時間をかけて先生がコメントしてくださった。
でも、私の時は、特にコメントはなかった。いいんじゃないかといった具合。最近、私へのコメントは少ないのだ。
おそらく、コメントのしようがないんじゃないか。そんな気がする。
帰り道、先生に質問してみた。「今の私の課題は何だと思うか」。
少し、先生は考えて、「弱いよね」と一言おっしゃった。
「弱い―――。」
これは、一番の弱点なのではないか!?
ここのところ、Uさんの絵は、とてもステキになった。元々、Uさんの絵は好きだったが、以前にも増して、ダイナミックになり、アートな絵になったのだ。
Uさんが、何年か前に描いたという絵のコピーを見せてもらったが、全然違っていた。その絵には魅力を感じられなかった。悪くはないのだが、おとなしいというか。「‘絵’になっていない」のだ、今の絵のように。
きっと、パッションの違いなんじゃないかと思った。「絵を描きたい」という欲求が絵に表れているんじゃないか。
Uさんは、長い間、介護をされ、苦労されていると聞いている。
きっと、心境に変化があったに違いない。あるいは、開き直りとか? 自分らしい人生を大切に生きたいと願う気持ちとか?
私に欠けるのは、そういったパッションであるに違いない。それが、「弱い」という評価になっているのだろう。
確かに今は、「自分の絵」を描くことよりも、構図であるとか、洋服や肌の質感等、そういうのを忠実に再現することに重きを置いている。それは、自分にとって、実験的なチャレンジであり、その取り組みそのものが楽しいのだ。
これまで、「絵を魅せる」という考えや関心がなかった。
しかし、どうやればいいのか。
モデルを好きになること? それは描く上で、とても重要なことである。
だが、モデルを自由に選ぶことができない以上、受け身にならざるを得ず、そういうインスピレーションをかきたてられるモデルさんにはなかなか巡り会わないものだ。
難しいものである。
昨夜たまたま、テレビのチャンネルを変えていたら、ある番組で「レトロ・ポスター」をテーマに扱っているのを見た。
知らなかったが、先生のお師匠、小磯良平は戦争の絵を描かされ、かつ、ポスターの絵も描いていたのだとか。
私も、自分の絵をポスターにすることを念頭に置きながら描いてみようか。
いかに見る者に訴えかけ、惹きつけるか。でもそうすると多少の装飾も必要になってくるかもしれないな。
そういった装飾は、「うそ」ではないのだろうが、自分自身をどう理解させ、納得させるか、折り合いが難しそう。
3.それから
デッサン会メンバーM氏と会った際に、なぜだったか、即興ダンスの話しになった。
ダンスでは、枠にとらわれずに自由に表現でき、皆から面白いと評価されるのに、絵が‘こぢんまり’しているのはどういうことかという話をした。
単に私の表現方法として、絵を描くことは、有効な手段でないだけなのか?
あるいは、本来素質は持っていながら、まだ自分の殻を破れてないだけなのか??
どうなのだろう・・・???
M氏に、先生から「私の今の課題は何か」と訊いたら「まだ弱い」と言われたと報告したところ、そのような答えをもらえたのはラッキーだと言われた。
そういう風には考えなかったが、そういうものか。
M氏が自分の絵に自信があるのがわかる。何が違うのか。
来年は、少し、一歩踏み込んだ形でチャレンジしたいと思う。
失敗を恐れずに。
以上、みちょるびんでした!