こんにちは、みちょるびんです。
前回のブログ(日記)でも「サロメ」のことが少し触れられていましたが、日記には、「サメロ」鑑賞についての感想等も書かれていました。
大昔の公演の、しかもレベルの低い個人の感想をブログに書いたところで、誰も、関心なんてないよねぇと思い、ブログを途中まで書いたところで、やっぱりやめようかなぁと迷っていました。
しかし、改めて本を読んでみて、やっぱり、面白いと思い、決行することにしました。
日記には、突然、観劇は一人で行くことにした・・・という感じで、「サロメ」が登場し、どういう経緯で公演を知ったのかとか、皆に断られ一人になってまでも観たいと思ったのはなぜか等、説明はありませんでした。
当時は、サロメの物語も知りませんでしたし、おそらく、ダンス好きというところからだろうと想像したわけですが、ファイルしていた当時の公演案内を見て、ようやく納得しました。
このダンス公演、2002年モントリオール映画祭芸術貢献賞を獲得した、スペインの巨匠カルロス・サウラ監督の映画「サロメ」が基になったものでした。
世界的舞踊家アイーダ・ゴメスを始め、映画に出演したダンサーがそのまま来日し、公演されたとのこと。
また、ギターリストも2000年ラテン・グラミー賞を獲得しているという、錚々たるメンバーです。
当時、みちょるびんが関心を持ったのも、ようやくうなずけた次第です。
さて、みちょるびんが読んだ本は「サロメ オスカー作」(福田恒存訳、岩波文庫)でした。
この本に書かれていた解説によれば、このオスカー作の戯曲は、元々フランス語で書かれ、その後、英訳されたということで、日本語訳にされているものも、この本以外に数冊あるとのことです。
オスカー作の戯曲(翻訳)に対する、構成であるとか、台詞回しであるとか、あるいは、翻訳家福田氏の翻訳であるとか、他の戯曲や、あるいは翻訳と比較したわけではないので、そういった観点からの感想は言えません。
だから、あくまでも、物語に対する感想でしかありませんが、今回、本を読み返してみて、やっぱり好きと思いました。
途中、趣味悪い!と、思ったところもありましたが、最後まで読むと好きに変わりました。
人間の複雑な心理がよく表れた、興味深い物語だと感じ、「サロメ」をご紹介したくなったので、やっぱり、ブログに載せることにしました。
「サロメ」のレビューとしては、あまり、参考にはならないとは思いますが、皆さまの「サロメ」という物語を知るきっかけにでもなれれば、幸いです。
【「サロメ」観劇、5日前(日記)】
つるさんを始め、声をかけた何人かの友達にも断られ、私は、いよいよ「サロメ」観劇は一人で行くことにした。
このような高いお金を払って行くようなものは、せっかくなら一人ではなく、ヒトと一緒に出かけて感想をシェアしたいところだが、仕方がない。
開演の日まで時間もなく、とにかく一席でも確保しないことには、チケットが完売してしまっては、もともこもない。
そんなわけで、今日は、チケット販売店に出かけて、席を探してもらった。
希望は、安くて、でも、良い席。
まぁ、そんな席は都合よくあるわけがないのだ。
結局、粘った末、思い切ってS席を購入した。
一階席だし、期待していた以上の座席は得られたのではないか。
期待が高まる。
【「サロメ」観劇、3日前(日記)】
せっかく、高いお金を出して観劇にいくので、事前に物語がわかっていた方が良いと思い、「サロメ」の本を求めているが、なかなか手に入らない。
自宅近くのいつもの本屋にもなかったので、今日は、仕事帰り、もう一軒別の方の本屋に寄って、「サロメ」の本があるか訊いてみたが、なかった。
「サロメ」って口に出すと、必ず皆に「はっ?」と聞き返される。
あんまりメジャーではないらしい。
できたら、「サロメ」の鑑賞日までに本を手に入れたいのだが、もう時間ないか・・・。
【「サロメ」観劇、2日前(日記)】
「サロメ」は、職場付近の本屋にもなく、通勤途中にある百貨店内の本屋に電話してみても、在庫はないとの返事だった。
それで、ダメ元で、他の支店に問い合わすようにお願いしたところ、ちょうどタイミングよく「サロメ」が入荷したとのこと。
良かった。
かくして、ようやく「サロメ」を手に入れた。
戯曲だから、ちょっと読みづらいが。
【「サロメ」観劇の日(日記)】
今日は、「サロメ」観劇の日。
18時過ぎには退社するつもりでいたのに、17時頃からミーティングが入って焦ったが、なんとかクリア、間に合った。
「サロメ」の本も短かったこともあり、会場に行くまでの電車の中で読み終えた。
挿絵が独特で、アール・ヌーボーを思わせるタッチだと思っていたのだが、作品はやはり、その頃のものらしかった。
今日は、会場で、初めてオペラグラスを借りてみた。
座席に着席して間もなく開演した。
席は、1万2千円という高い料金を出して、前から25列目だったが、それでも舞台に近いとは言い難かった。
ただ、列の一番端の席だったのは良かった。
前に座るお客さんも、座高が高いわけではなかったので、視界に支障はなかった。
意外と、このお客さんの座高が、‘落とし穴’ということもあるのだ。
第1幕は、スペインの踊り。
フラメンコを生で見るのは初めてだった。
情熱的でいい。
ターンとか腕の回し方とか、一種独特で、またフラメンコならではの振りが興味深かった。
バレエのように、ジャンプの高さはあまり問われないような感じだった。
女性はとにかく衣装がステキだった。
装飾的な飾りがいろいろ付いているわけではないが、スカートがフレアーになっていて、ダンサーがターンをする度に、スカートの裾が効果的に舞い、きれいだった。
第2幕は、いよいよ「サロメ」。
買って読んだのは、戯曲であり、物語は、会話で進行していく。
しかも、重要な役どころ、サロメが欲する男は預言者であり、その預言者が語る言葉に、人々が翻弄されるところがあるため、‘言葉’の存在が、この物語の重要なポイントとなってくるように思うのだ。
だが、この舞台は、言葉なしのダンスで表現されるので、どのように物語が展開されのか興味があった。
さて、「本」の通り、公演は短かったが、よくできていたと思う。
やはり、衣装や小道具が、面白かった。
色彩がきれいで、サロメの死のシーンは効果的だったと思う。
ダンスの振付も、演劇的なところがあったが、例えば、王と王女の醜い関係のシーンなど、見応えがあった。
オペラグラスで演者を拡大して見られたのは良かった。
フラメンコは情熱的である。
ダンサーの表情も、苦悩の顔や怒りの顔と豊かであった。
それだけでも、見るに値すると思った。
最後、サロメは‘7つのヴェールのダンス’をする。
一枚、一枚、脱いで行くのだ。
最後、演者が本当に裸になってしまったのには驚いた(ショーツは履いていたが)。
芸術のためなら、ヌードもいとわないのだ。
それとも、体に自信があるのか。
「サロメ」の公演自体が短く、前半と後半の舞台は、それぞれ、同じくらいの公演時間だった。
だから、前半のフラメンコに、6千円と考えると、少し、高いとも思ったが、「サロメ」は良かった。
観劇を誘った友達のうち、サロメの物語を知っていた2人の友達は、サロメのことが嫌いだと言っていた。
私はそれほど嫌いなわけではない。
異常な行為ではあるが、愛の裏返しで‘憎’になったのだ。
自分のものにならないなら、殺して自分のものにしたいと思うのかも知れない。
なんて、私は、殺しはしないが。
あの本だけでは、情報が不十分だ、サロメを理解するには。
帰り、どこかに寄って、夕飯でも食べて帰ろうかとも思ったが、結局、まっすぐ帰宅した。
テイクアウトのハンバーガーを食べながら、テレビなど見て、また、いつもの日常に戻った。
以上、みちょるびんでした!
(お詫び)
「サロメ」をご紹介したい!と、意気揚々に書き出したわりに、肝心の「サロメ」を「サメロ」と書き間違っていて、皆さまを混乱させるようなことになってしまい、申し訳ありませんでした。
「サロメ」が正しいので、文中に頻発していた「サメロ」は、「サロメ」に修正しました。ここに、訂正、お詫びいたします。
’「サロメ」って口に出すと、必ず皆に「はっ?」と聞き返される。あんまりメジャーではないらしい。’と日記に書いてありましたが、「サロメ」ではなく、「サメロ」と言っていた可能性が大ですね・・・。言い間違いが多いみちょるびん、大いにその疑い、濃厚です。
そりゃ、「はっ?」って、なるでしょう。恥ずかしい!!!(2021.01.14)