こんにちは、みちょるびんです。
【ある日の日記】
もうすぐ、私が愛用している高級化粧品が切れそうだったので、今日はまず、化粧品を買いに行った。
そして、次に目指したのは、あるハイジュエリー・ブランドの展覧会。
ラグジュアリー系女性誌で、そのブランドが、名品展を開催しているということを知り、見に行きたかったのだ。
あいにく、明日は展覧会の最終日で、仕事帰りでは間に合わないので、訪問するには、今日がラストチャンスだった。
私は、買ったばかりの化粧品の紙袋を2つも抱えており、ちょっと、みっともなかったが、とにかく、ハイジュエリーのブランドショップを目指した。
そのブランドのお店には、初めて行った。
実のところ、これまで、そのブランドにはさほどの関心がなかった。
フェミニンなデザインは、あまり、私の好みではなかったこともあった。
それにそもそも、目にする機会がほとんどなかったのだ。
高級店であり、敷居も高く、気軽に入って行ける雰囲気ではないが、ここは一つ、堂々と店内に入って行くことにした。
さほど広くないフロアに、背の高い男の人が3、4人と、奥には女の人がいて、少し息苦しい感じがした。
女の人に声をかけられた。
名品展を見に来たことを告げると、3階の展示室に通された。
1階で荷物(化粧品の紙袋)を預かると言われたが、断り、3階に持って上った。
3階には誰もいなかったので、空いていた椅子に荷物を置かせてもらった。
さて、「’名品’展」と聞いていたので、アンティークジュエリーを期待していたのだが、現行商品だったらしい。
単に、「ハイジュエリーの展示」ということのようだった。
「単に」と軽々しく言ったが、さすがにハイジュエリーだけあって、クオリティーは高かった。
大粒のダイアモンドに、サファイア、ルビー、エメラルド。
王道の宝石が目白押しで、さすがに見応えがあり、美しかった。
展示品の、ゴージャスで、圧倒的な雰囲気に負けたくなかったので、私は、「知っている」「慣れている」という感じをアピールした。
それはうまくいったようで、付き添ってくれた店員さんに、「(宝石)業界の人か?」と訊かれた。
今回のこの展示企画は、社長さんの趣味でやっているという話だった。
盆栽に漆、骨董等が、主役のジュエリーに華を添えていて、それがとても素敵だった。
オニキスの黒は、アールデコを連想させ、私は好きなのだが、漆の黒もそのよう感じで、白く輝くダイアモンドを美しく引き立てていた。
黒い漆に盆栽のグリーンが、これまた、合う。
全体的に、落ち着つきのある雰囲気で、私の好きな「京都」を連想させた。
私は、この企画の着眼点に賛同しつつ、「先にやられた!」と、ジェラシーすら感じたのだった。
私は、次の予定があったので、長居するつもりはなかったのだが、店員さんが、お茶を出してくれると言う。
雑誌でも紹介されていた、有名和菓子店の紅白饅頭の登場だった。
やっぱり興味があったので、お言葉に甘えて、いただくことにした。
正直なところ、ハイジュエリー・ブランドの店員さんを目の前に、存分に饅頭を味わうという感じではなかったが。
ブランドのロゴが入った、その小さい紅白饅頭は、かわいかった。
老舗の和菓子屋とコラボするところもニクイ!
私に付き添ってくれた、貫禄ある女性店員に、「勤めが長いのか」と質問してみたところ、意外な答えが返ってきて、驚いた。
実は、半年くらい前に転職してきたばかりで、前職は、異業種であったのだとか。
よくよく聞くと、私が通信教育で勉強している宝石学校の卒業生で、私が目指している宝石鑑別士のディプロマも持っているという。
ここへの就職は、学校の紹介ではなく、別の友人からたまたま求人募集を聞いて、転職したとのことだった。
こういう道も、あるのである!
彼女は小柄で、失礼ながら、決して美人というわけではなかったが、かわいらしく、魅力的な人だった。
ブランドに負けない風格もあるので、就職もうまくいったのかも知れない。
やっぱり、ブランドイメージにそぐわないようでは、いけないだろう。
それと、おそらく、前職で、接客の訓練もされていたに違いない。
私が、そのまま彼女のようになれるとは思わないが、そういう道も開かれているという実例は、やっぱり、勇気づけられる。
私は、この展覧会に来られて良かったと、改めて思った。
饅頭を食べて、ゆっくりしたせいもあり、次の予定は変更せざるを得なくなった。
それは残念ではあったが、でも、やっぱり、ハイジュエリーの展覧会に行けたことは、自分にとって、いい収穫であったと思うのだ。
なんだか、すがすがしい気持ちすらした。
以上、みちょるびんでした!