こんにちは、みちょるびんです♪
書籍「ももこの宝石物語」(さくらももこ、2006年9月25日)「巻末お楽しみQ&A」の冒頭で、宝石に興味を持った最初のきっかけをさくらももこさんは問われています。
そこでさくらさんは、「友達の賀来千香子さんがステキなエメラルドの指輪をしていたのがきっかけ。その後、岡本さんの本「宝石の常識」で、パライバ・トルマリンを見て、とりこになった」と答えています。
さりげなく、お友達に有名女優がいるということが紹介されていて、そこにも羨望の眼差し!
国民的テレビアニメ「ちびまるこちゃん」の生みの親ともなれば、いろんな人から「ファンです!」って声をかけられるのだろうし、そうやって交友関係も華やかなものになっていくんだろうなぁ・・・。
それは、「宝石の常識」の著者であり、宝石店「ギンザベルエトワール」の創業者である岡本憲将氏との仲も同じ理屈。
岡本さんにはお子さんがいらっしゃり、家族で「ちびまるこちゃん」のファンだったのだそうです。
とてもうらやましい環境!
さくらさんはでも、本当は、もっと以前から宝石に興味があったんじゃないか・・・って、思うんですよね、みちょるびん的には!?
だって、旅行に出かけた東南アジアでお母さんに宝石のお土産を買って帰っていたし、ニューヨークでもインディアン・ジュエリー店を覘いて、お店のおじさんにその感性を感心され、ブローチをプレゼントされている。
普段は客には見せないような特別なアイテムを納めた棚にさくらさんは案内され、「インディアン・ジュエリーがあなたのお仕事にインスピレーションを与える役に立てるかもしれないし、何より、多くの人を楽しませる仕事をしているあなたが、ここの店のインディアン・ジュエリーを気に入ってくれた事がとてもうれしかった」と、感動的な言葉もおじさんから頂戴している。
ももこさん自身もおじさんの厚意に感激したからこそ、何回もおじさんと握手したに違いないのだ。
こんな素敵な思い出深い体験もしているのです、岡本さんの本に出会う10年前に。
さくらさんは、宝石の街としても知られているインドのジャイプールにも訪れたことがあるのだから、みちょるびんとしては、その頃から既にさくらさんは宝石に関心があったんじゃないの?と、疑わざるを得ない。
宝石好きのみちょるびんですら、ジャイプールは未踏の地なのに!
若い娘が、そんな気軽に行けるような場所じゃないんじゃないの!?って思うわけです。
さくらさんは、現に、そこでちゃっかり、宝石も入手していました。
まぁ、それについては、さくらさんにとってはあまりいい思い出ではなかったようではありますが、でも、大枚をはたいたくらいなのだから、興味がないハズがない!
と、そんなことを外野が細々と指摘してみたところで、ご本人がそうおっしゃる以上は、それを信じるしかない。
さくらさんがお持ちだった本「宝石の常識」というのは、みちょるびんが持っている「全面改訂版 プロが本音で語る宝石の常識」(岡本憲将著、1999年10月)の前身、1996年に発行された「宝石の常識」だったのかなぁ??
みちょるびんは、わざわざ「ギンザベルエルトワール」まで足を運ぶということはしなかったのだけど、仮に、行ってみたとて、さくらさんのように岡本さんと親しくなり、宝石の買いつけのためにスリランカに同行したり、ブラック・オパールの名産地であるオーストラリアのご自宅に招待されたり、インドのジャイプールを取材したり・・・という機会は得られなかっただろう。
異業種ながら「宝石鑑別」の勉強を本格的にやったみちょるびんにとっては垂涎ものです!
誰にでもできることではありません。
さくらさん自身、かなり「ギンザベルエルトワール」に投資(?)はされていたようですが、岡本さんからもプレゼントされたり、仕入れ値で融通していただいたりと、たくさんの幸運な話が収められていて―――。
みちょるびんのように、羨ましいという気持ちが強い人からすると、確かに「自慢のオンパレード!」と言いたくもなります。
でもねぇ、そこに嫌味が感じられないのは、「ちびまるこちゃん」のなせる業なのだとも思います。
さくらさんの純粋に宝石が好きだという無邪気さが、ヒシヒシと伝わってくるからだと思います。
みちょるびん自身、宝石に興味を持ち始めた頃は、いろんな種類の宝石を所有したい!という願望がありました。
ただ、残念なことに、財力がついてこなかった。
それに、ナンか似合ってない!?という違和感が、抑止力になった。
みちょるびんの場合、‘つるピカ’を得意としておらず(「ヒシヒシ。(10)」)、キラキラの透明石が似合わないという特性があるのです・・・。
だからこそ余計に、宝石に夢中になったさくらももこさんのルックスに、興味が持たれるというところも大きい(「『ももこの宝石物語』。」)。
いずれにせよ、宝石を好きになって、財力もあるさくらさんが、しかも、岡本さんという強力なご師匠が傍にいるのですから、そりゃぁ、宝石を買いあさりたくなるのは、当然の心理と言えるでしょう。
さくらさんは、一種のコレクター。
コレクターが、自分のコレクションを自慢したくなるのは、世の常、自然の成り行きです。
さくらさんにはこだわりがあって、よく文中で「得かどうか」という点を気にしています。
さくらさんにとって、いい品質の宝石を「得」に入手するということが、スリリングで面白かったのではないかとも思います。
本書「ももこの宝石物語」は、そういう意味では、宝石コレクターが「得」に手に入れた宝石の自慢話と言えるのかも知れませんね!
最後に、岡本憲将さんにも言及したい。
とてもいい味を出していらっしゃる!
のちに「宝石のエネルギー」(2012年)、「あなたを幸せにする宝石の不思議な力」(2014年)を出版されることになる岡本さんは「宝石はキレイなだけでも十分すばらしいけれど、一個一個にパワーがあって、ヒトと宝石とのパワーの相性もあるんです。長い間、宝石を扱っているとそういうエネルギーの事までいろいろとわかってきて、そういう意味でも面白くてやりがいがあるんですよ」と、語られており、宝石の不思議な力に対する気づき――片鱗が既に感じられる。
そんな繊細で感受性豊かな岡本さんだからこそ、さくらさんが自分を宝石にたとえて言うなんて図々しいと遠慮してしまった「さくらももこっていうかんじ」のピンク・サファイアに対し、岡本さんも即座に「さくらももこっていうかんじ!」と感じ取ることができたんだと思います。
岡本さんにもお会いしてみたかったなぁ。
以上、みちょるびんでした!