こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【即興バトル、当日の日記(前編)】
「即席即興バトル」当日。
昨夜は、疲れてしまい、化粧もコンタクトもしたままで横になってしまい、十分に休養がとれなかった。
だから、チームメイトのダイちゃんとはっちゃんには申し訳なかったが、集合時間には遅れて行くことにした。
だいたい、「バトル」出演のための準備が何もできていなかったのだ。
せっかくダイちゃんにダビングしてもらった曲ですら、家で聴くことができていなかった。
私は、衣装等の準備をしながら、曲をCDからカセットテープにダビングしなおした。
そうやって、ようやく、待ち合わせのダンススタジオに行った。
1時間の遅刻。
ダイちゃんとはっちゃんは、随分練習していたようだった。
我々が踊っているところに、何度か、先生が顔を出された。
そして、「立ち位置やタイミングを計ると、それは’振付’とみなし、審査の対象にしない」と言われ、私たちは、その言葉に震え上がった。
もしかすると先生は、昨日、我々の出来具合を見ていただいたスタッフさんから、「振付をしたショーみたい」などという話を聞かれていたのかも知れなかった。
そんなこともあり、やはり、昨日練習したこと(私の提案で、タイミングを計って一斉にジャンプする等)は、一切やめた方がいいという話をダイちゃんとした。
そうなると、曲の最後のところの、はっちゃんの見せ場である側転のタイミングを計ることも、許されなくなる。
うまくいくだろうか・・・。
軽くランチを済ませた後、会場となるライブハウスに向けて、スタジオを出発した。
Tくんや、感覚派プロダンサーKさんも一緒だった。
今回の「即興即席バトル」会場となるライブハウスは、電車を乗り継いで行く必要があった。
私は、時間に余裕がなくて、乗り換え駅等、事前に確認できていなかったので、皆と一緒に移動できて助かった。
ソロで出演される予定の、演出家さんとは偶然に、途中の電車で一緒になり、そして、ライブハウスの最寄り駅の改札では、若手プロダンサーにも会った。
会場のライブハウスへの入り時間は、15時半を指定されていた。
プロダンサーM氏も来ていて、彼もソロの出演のようだった。
渡されたスケジュール表を見ると、「即席即興バトル」への出演者は9組となっていた。
「バトル」は、3組ずつの3ブロックに分かれたトーナメント制で、それぞれのブロックで、観客による評価をもとに、決勝戦に勝ち進むことになる。
Aブロックは、プロダンサーよる’ソロ’3つ。
Bブロックは、M氏、私たち、演出家さん。
Cブロックは、素人ダンサーペアと、Tくん、Kさんという具合。
私たちは、強豪プロに挟まれた格好だった。
かなり、勝算が低いのではないか・・・!?
リハーサルまでに、1時間ほどの時間があったので、私たち3人は場外に出て、練習できる場所を探した。
ここで、私のお馴染みのラジオカセットが役に立つわけである。
先生に、踊るに際し、いつもレッスンでやっている時と同じように、予めテーマを決めてから臨むようにと言われていたので、私たちは、それぞれ、踊りのテーマを考えた。
もしかすると、この練習の時が、一番いい即興が踊れたのではないか。
「お茶」をテーマに選んだはっちゃんも、マイペースにお茶を飲んでいて、ほっこり、とてもいい感じだった。
私は「(運命の)赤い糸」をテーマにしてみたところ、思いがけず、面白い動きが出て来た。
不思議であるが、テーマを決めていた方が、動きが断然良くなることに気づいた。
オーディションで踊った時も含め、今回、これまで、今一つ、ぼやけたダンスになっていたのは、テーマがなかったせいなのかも知れないと思った。
さて、リハーサル。
舞台は想像していたよりも広かった。
これまでに私が出演したことがあったライブ(※)は、大人数での参加だった。
だから、一人に課せられる舞台の広さは、今までで一番広いのだ。
「即席即興バトル」のスケジュールによると、バトル優勝者は、最後に、先生と一緒の舞台で、即興を踊ることになっていた。
それで、リハーサルではまず、とりあえず、優勝したことを想定し、全員が、先生との即興を練習した。
そこでは、先生が即興で歌を歌うことにもなっており、その伴奏を演奏するピアニストの曲に合わせて踊ることになる。
これがまた、難しい曲で、実のところ、調子を合わせるのが大変な感じだった。
合同の打ち合わせが終わったあとは、演者それぞれにリハーサルの時間が与えられ、舞台照明の指示は、私が行った。
’明るくかわいい曲’から、’ショッキングで激しい曲’、そして最後は、’恨み節の切ない曲’という展開なので、大まかに、それぞれの曲のイメージで、白、赤、青という具合にした。
まぁ、素人なので、よくわからないし、こんなもんかと。
本番までの時間は、3人で軽く夕飯を食べ、メイク等をして過ごした。
いつもは、控室はプロの方たちに遠慮する形で、私は控え目に、端の方に荷物を置かせてもらう程度であるが、今回は広さも十分にあり、自由に使えたので、気が楽だった。
あんまりゆっくりしてしまったので、19時半始まりの「即席即興バトル」開演部分を見逃したくらいだった! (つづく)
以上、みちょるびんでした!
(※)「初ライブ!」「チャレンジ、ライブ!」「第三のライブ!」「ヒューヒュー」をご参照ください♪