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第一次仕事イヤイヤ期(その152:「即席即興バトル!」その9編)

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こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。

【即興バトル、当日の日記(前編)】

 「即席即興バトル」当日。

 昨夜は、疲れてしまい、化粧もコンタクトもしたままで横になってしまい、十分に休養がとれなかった。
 だから、チームメイトのダイちゃんとはっちゃんには申し訳なかったが、集合時間には遅れて行くことにした。

 だいたい、「バトル」出演のための準備が何もできていなかったのだ。
 せっかくダイちゃんにダビングしてもらった曲ですら、家で聴くことができていなかった。

 私は、衣装等の準備をしながら、曲をCDからカセットテープにダビングしなおした。

 そうやって、ようやく、待ち合わせのダンススタジオに行った。
 1時間の遅刻。
 ダイちゃんとはっちゃんは、随分練習していたようだった。

 我々が踊っているところに、何度か、先生が顔を出された。
 そして、「立ち位置やタイミングを計ると、それは’振付’とみなし、審査の対象にしない」と言われ、私たちは、その言葉に震え上がった。

 もしかすると先生は、昨日、我々の出来具合を見ていただいたスタッフさんから、「振付をしたショーみたい」などという話を聞かれていたのかも知れなかった。

 そんなこともあり、やはり、昨日練習したこと(私の提案で、タイミングを計って一斉にジャンプする等)は、一切やめた方がいいという話をダイちゃんとした。
 そうなると、曲の最後のところの、はっちゃんの見せ場である側転のタイミングを計ることも、許されなくなる。

 うまくいくだろうか・・・。

 軽くランチを済ませた後、会場となるライブハウスに向けて、スタジオを出発した。
 Tくんや、感覚派プロダンサーKさんも一緒だった。

 今回の「即興即席バトル」会場となるライブハウスは、電車を乗り継いで行く必要があった。
 私は、時間に余裕がなくて、乗り換え駅等、事前に確認できていなかったので、皆と一緒に移動できて助かった。

 ソロで出演される予定の、演出家さんとは偶然に、途中の電車で一緒になり、そして、ライブハウスの最寄り駅の改札では、若手プロダンサーにも会った。

 会場のライブハウスへの入り時間は、15時半を指定されていた。

 プロダンサーM氏も来ていて、彼もソロの出演のようだった。

 渡されたスケジュール表を見ると、「即席即興バトル」への出演者は9組となっていた。
 「バトル」は、3組ずつの3ブロックに分かれたトーナメント制で、それぞれのブロックで、観客による評価をもとに、決勝戦に勝ち進むことになる。

 Aブロックは、プロダンサーよる’ソロ’3つ。
 Bブロックは、M氏、私たち、演出家さん。
 Cブロックは、素人ダンサーペアと、Tくん、Kさんという具合。

 私たちは、強豪プロに挟まれた格好だった。
 かなり、勝算が低いのではないか・・・!?

 リハーサルまでに、1時間ほどの時間があったので、私たち3人は場外に出て、練習できる場所を探した。
 ここで、私のお馴染みのラジオカセットが役に立つわけである。

 先生に、踊るに際し、いつもレッスンでやっている時と同じように、予めテーマを決めてから臨むようにと言われていたので、私たちは、それぞれ、踊りのテーマを考えた。
 もしかすると、この練習の時が、一番いい即興が踊れたのではないか。
 「お茶」をテーマに選んだはっちゃんも、マイペースにお茶を飲んでいて、ほっこり、とてもいい感じだった。

 私は「(運命の)赤い糸」をテーマにしてみたところ、思いがけず、面白い動きが出て来た。
 不思議であるが、テーマを決めていた方が、動きが断然良くなることに気づいた。
 オーディションで踊った時も含め、今回、これまで、今一つ、ぼやけたダンスになっていたのは、テーマがなかったせいなのかも知れないと思った。

 さて、リハーサル。

 舞台は想像していたよりも広かった。
 これまでに私が出演したことがあったライブ()は、大人数での参加だった。
 だから、一人に課せられる舞台の広さは、今までで一番広いのだ。

 「即席即興バトル」のスケジュールによると、バトル優勝者は、最後に、先生と一緒の舞台で、即興を踊ることになっていた。
 それで、リハーサルではまず、とりあえず、優勝したことを想定し、全員が、先生との即興を練習した。
 そこでは、先生が即興で歌を歌うことにもなっており、その伴奏を演奏するピアニストの曲に合わせて踊ることになる。
 これがまた、難しい曲で、実のところ、調子を合わせるのが大変な感じだった。

 合同の打ち合わせが終わったあとは、演者それぞれにリハーサルの時間が与えられ、舞台照明の指示は、私が行った。

 ’明るくかわいい曲’から、’ショッキングで激しい曲’、そして最後は、’恨み節の切ない曲’という展開なので、大まかに、それぞれの曲のイメージで、白、赤、青という具合にした。
 まぁ、素人なので、よくわからないし、こんなもんかと。

 本番までの時間は、3人で軽く夕飯を食べ、メイク等をして過ごした。

 いつもは、控室はプロの方たちに遠慮する形で、私は控え目に、端の方に荷物を置かせてもらう程度であるが、今回は広さも十分にあり、自由に使えたので、気が楽だった。

 あんまりゆっくりしてしまったので、19時半始まりの「即席即興バトル」開演部分を見逃したくらいだった! (つづく)

                            以上、みちょるびんでした!

(※)「初ライブ!」「チャレンジ、ライブ!」「第三のライブ!」「ヒューヒュー」をご参照ください♪

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