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第一次仕事イヤイヤ期(その131:「反する、シビアな目」)

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こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。

【ある日の日記(プロの演劇)】

 今日は、ダンス仲間Fさん主演の演劇を観に行った。

 本当に、演劇を観るのは久々である。
 私は、学生時代、部活で演劇に取り組み、その道に進むことに憧れていた過去がある。
 だから、ついつい、視点が制作者側に回るというのか、厳しい目で観てしまった。

 結局、一度も笑うことなく、観続けてしまった。
 途中、お尻が痛かったりし、早く終わらないかなぁと思ったり・・・。

 観劇料をまだ支払っていなかったこともあり、劇が終わった後、主演を務めたFさんに会いに行った。
 その際、Fさんに、劇の感想を求められて、困ってしまった。
 しかも、「全然笑わず、真顔で観てましたけど、つまんなかった?」と訊かれ、ちょっと焦った。

 舞台上のFさんが、客席にいる私に気づいているとは思ってもみなかったし、私の’真顔’も見られていたとは。
 ノートを差し出され、コメントを求められたので、「’あれ’はどういう意味だ?」と意味深に、一言に止めた。
 いっぱい、いっぱい。

 私は、やっぱり、自分は、演劇は好きじゃないのだと思う。

 そんなにたくさん観劇はしていないということはあろうが、観ていて面白いと思った劇は、これまで記憶がない。
 何か、しらじらしい感じがするのだ。
 そして、脚本家なのか、演出家なのか、役者なのかの、自己満足。
 トリッキーな台詞も押しつけがましいし、役者も自意識過剰で不自然。
 なんか、こう、すがすがしさが感じられない。

 この劇でも、観客を楽しませようという努力がされていた。
 それは、伝わった。
 が、ありがちな、’安い’笑いなのだ。

 最近のお笑いブームで、私も鍛えられて、笑いに対するジャッジがシビアになってきたのか・・・。
 何か、予測のつく、古典的な笑いとでもいうのか。
 これはむしろ、寒いだろう。

 あー、ごめん!
 Fさんたちの取り組んでいることに、ケチをつけるつもりではないのだ。
 だから、こんなことは、口が裂けても言えないじゃない。
 そう、価値観の違いなのだ。

 Fさんも、どうなんだろう。
 「役者よりも、ダンサーの方がいいのでは?」と思ってみたり。
 踊っている時の方が、表情が豊かで、何倍も素敵に思えるのだが。
 もちろん、演じる役柄に、その印象が左右されることもあるだろうがね。

 子供の役を演じていた’彼女’は、40代に届く年齢とのこと。
 やっぱりね。
 外見が、少し、老けても見えたのだ。

 だが、そんなに年齢を感じさせなかったのは、やはり、演技がうまいのだと思う。
 表情も良かった。
 地味ながら、ずっと見ていたいと思ったかも。

 あー、Fさん!
 いつも、親切にしてもらっているのに、激辛コメントでゴメンナサーイ!!

【ある日の日記(素人演劇)】

 今日は、日本に留学している、知り合いの外国人留学生による、手作り文化祭に出かけた。

 自国の文化紹介という趣旨で、民族舞踊など、いくつか出し物があった。
 その中には、演劇も含まれていた。

 素人学生が行う演劇なので、正直なところ「劇が、間延びして、つまらないのではなかろうか」と勝手に心配していたのだが、とても楽しかった。
 一人一人の演技は、決して上手くはないのだが、笑えるシーンが多く、面白かった。

 手作りの劇であり、下手すると、内輪だけで盛り上がり、第三者が置いてけぼりにされることも大いにしてあるのだが、観客は、必ずしも、内輪の者だけではなかったようであり、劇もウケていた。

 私はある意味、とても考えさせられたのだ。

 私も、学生時代は、部活で演劇をやっていて、当時は、「面白いものを作ろう!」と努力したわけだが、果たして、ここまで観客を、純粋に惹きつけていただろうか?
 これは、「必ずしも、演者の力量だけが問題ではない」という証ではないか。

 では、何?
 ストーリー?

 分析すると、何か、新しい発見があるのではないか。

 よくわからないが、いずれにせよ、プロフェッショナルな役者ではない、このような素人集団でも、歓客を楽しませることができるのだと、驚いたわけである。

                            以上、みちょるびんでした!

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