こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
1.つるさんLOVE
つるさんは、言わば、みちょるびんの恩人です。みちょるびんをダンス教室に誘ってくれ、ダンスに目覚めさせてくれました。おかげでみちょるびんは、長い間凝り固まっていた、抑圧されていた自分を、少しずつ解放できるようになっていました。
つるさんは、ご自身が大変苦労されている分、懐が大きく、ヒトの痛みがわかる心温かい方でした。人間臭いところがあって、でもそれが魅力で、明るく、面白いので、みちょるびんは、つるさんのことが大好きでした。
だから、講談師たる・つるさんに、ご自身の真打昇進お披露目パーティーで、ダンスをしてほしいと依頼されたときは、本当にうれしかったです。
ダンス仲間で即席チームを組んで、自分たちで振り付けした祝いの舞を披露し、つるさんのパーティーを盛り上げました。練習不足で、失敗もありましたけど、お客さんも、そしてつるさんも、喜んでくれました。
みちょるびんは、つるさんの一生一大の晴れの日に、そういう形でかかわれたことがとてもうれしかったし、とても誇りに思っています。
2.‘いいところ’というのは・・・?
経験豊富でもあらせられる、そんなつるさんに、「(四十肩の治療ができる)いいところ知っているよ」というお誘いをいただいたのですから、みちょるびんは、大船に乗った気分でいました。
ですから、行き先が、‘和尚さん’のところだと聞かされたときは、正直驚きました。しかし、‘和尚さん’は、常日頃、つるさんの話しに、よく登場されていた方だったので、どういう方なのか、みちょるびんはとても興味がありました。
実は、つるさんには、お嬢さんがいらっしゃるのですが、幼い時に原因不明の病にかかり、いろいろな病院をたらいまわしにされたというつらい経験があるのだそうです。そして最終的にたどり着いたのが和尚さんで、その和尚さんが、お嬢さんの病を治されたのだそうです。
和尚さんとは、その時からのお付き合いで、また、つるさん自身も、和尚さんの助言で、災いを逃れたことがあったということでした。とにかく、和尚さんに絶大の信頼を寄せているということが、つるさんのその口調からわかりました。
これも、何かの縁だという気持ちで、みちょるびんは、この話に乗っかることにしたのでした。
3.和尚さん
約束の日、つるさんに連れられ、和尚さんの、お寺兼ご自宅を訪問しました。お不動様が祀ってあり、みちょるびんには、あまり馴染みのない光景でしたので、なんだか圧倒されました。
和尚さんは、お年を召されていましたが、顔立ちが端正で、魅力的で、人望がある方のようでした。
ちょうど、みちょるびんたちが到着したときは、和尚さんが教える‘易’教室が終った直後だったようで、若い娘さんたちが部屋の奥から出てきました。和尚さんのお弟子さんも女性で、その女性率の高さなど、予想外のことばかりで、驚きの連続でした。
もちろん、つるさんに連れて行っていただいたのですから、信頼はしていましたが、‘和尚さんの治療’と聞くと、その様子がわからないだけに、正直なところ、怪しげな、怖い印象を抱いていたのも事実です。
しかし、若い娘さんたちの明るく黄色い笑い声も手伝い、そのような暗い雰囲気は感じられませんでした。
4.問題の施術
みちょるびんは、言われるがままに、軽装に着替え、ベッドに横になりました。何が始まるのか、どきどきしましたが、つるさんも、一緒に部屋に入ってくれ、おしゃべりをしながらのオープンな感じの施術となり、安心できました。
和尚さんは、みちょるびんの痛い右肩や腕のツボを、指の平でじーっとゆっくり押してくれました。ちょうど指圧のような感じでした。
しかし、時々、爪を押し当てられているかのような、ピリピリとした感じがありました。また、つねられているのではないかとさえ疑いたくなるような痛みも時々ありました。だけど、和尚さんは、普通にツボを押しているだけと言うのでした。
和尚さんによると、‘気’を使っているのだそうで、どういう原理かはわかりませんが、それが、ピリピリの原因ということのようでした。
正直なところ、半信半疑なところもあったのですが、みちょるびんはしばらく、和尚通いをしてみることになりました。
以上、みちょるびんでした!