こんにちは、みちょるびんです。
(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。
【ダンスライブ当日の日記(前半)】
いよいよ、本番当日。
まずは、いつものダンススタジオに集合した。
私も含めた多くの出演者は、13時半の集合でよかったのだが、’新曲チーム’の人たちは13時にスタジオ入りすると聞いていた。
だから、私も早めに行って、ストレッチするなどした。
皆の雰囲気は、非常に和やかだった。
しかし、途中で先生が来られてからは、特に’新曲チーム’は、緊張した面持ちになった。
確かにね。
ステージの狭さを意識しすぎて委縮しちゃっているというか、傍目で見ていても、悪いが、こじんまりして見える。
ダンサーの一人一人が、思いきりに欠けるという感じ。
先生もまずいと思われたようで、先生が指導したことにより、少しメリハリが出たようだった。
’女性アイドルデュオのダンス’の際の、私の立ち位置は、ラッキーなものだった。
私は一人、最前列で踊るのだから。
当初、後ろの方で、皆と一緒に踊っていたのだが、ステージが狭いから、前に出て来た方がいいと言われたのだ。
昨日も、私は、このダンスの振付を間違ってしまい、ダメ出しを受けていた。
だから、先生から今日も、何か注意を受けやしないかと不安に思っていたが、その点は大丈夫だったのでホッとした。
しかし、次の曲の’キャラクターの振付ダンス’では、私と並んで踊る予定だったつるさんが、私の前に出て、一人で踊ることになった。
先生が、そうしましょうということで。
ちょっと残念に思った。
が、その曲の後半では、ポジションを交替して、私がまた前に出て来ても良いと言われたので、ちょっとうれしかった。
本番は、しっかりしないと!
14時半には、会場となるライブハウスに行くように言われ、それからすぐに移動。
スタジオから歩いて3分のところと先生はおっしゃっていたが、外は炎天下で、結構、暑かった。
私たちは、練習着のままの格好で、出かけた。
今回のステージは、前回の初ライブの時に比べると広くて、床も高い。
前回よりも、ちょっとだけ、格が上がった感じ。
まずは、どんな感じか、サラっと立ち位置や出入りを確認した。
舞台上手の袖の奥にある待機スペースは、とても狭い。
新曲のダンス終了後、一旦ステージ上のダンサーが袖にハケるので、中は大変混雑する。
’待ち組’にも工夫が要求された。
まぁ、簡単に言うと、出場順に並んで待つということであるが。
最初のリハーサルは、すぐに終了した。
次のリハーサルまで、1時間くらいあった。
他のダンサーたちは、一旦、スタジオに戻ったようだったので、私も、仲良しの素人仲間とつるさんとで、スタジオに帰ることにした。
ちょうど別の仲間の一人がアイスクリームを買っていたのに出くわし、我々も真似てアイスクリームをゲット。
糖分補給は、いいアイディアかも知れない。
スタジオの更衣室には、アイスクリームなどを食べている人たちがいた。
我々もそれにジョインし、一緒におしゃべりした。
いい気分転換の時間だったのではないか。
そして再び、リハーサルの時間。
16時に、またライブハウスへ出かけた。
今度はちゃんと踊れるように、ダンスシューズに履き替えた。
つるさんは、ゆかたに着替えていた。
やはり、つるさんの和服姿はステキである。
皆も口々につるさんを褒めていた。
さて、まずは、つるさんの講談のリハーサル。
つるさんは、講談スタイルで、先生の紹介を行うのだ。
演台をステージに持ち込むと聞いていたが、今回のリハーサルではちゃんと、演台がセットされた。
やはり、これがないと、締らない。
これでこそ、「講談」という感じではないか。
しかし、思いの外、この演台が舞台の場所を占めており、一番端のダンサーは狭くて踊りづらそうだった。
しかも、演台を撤去している中での、新曲チーム退散というような舞台転換の演出となっていて、ちょっと、おかしな間であった。
かと言って、あの大きな演台を舞台に放置したまま、次のステージは無理である。
なぜなら、’女性アイドルデュオのダンス’と’キャラクターの振付ダンス’は、ダンサー総出の、大人数の出演だからだ。
さて、私自身の、歌謡曲2曲のリハーサルの方は、まぁまぁうまくいったのではないか。
後で、出演するお子さんをビデオ撮影していた、ママさんの録画を見せてもらったのだが、そうでもなかった。
やっぱり、体勢がフラついている。
足腰が弱っているから、勢い余ると、フラフラするのよね・・・。
みっともねぇーっ!!
どうやったら、このフラフラを解消できるのか。
これは、もう、訓練するしかないのだろうね・・・。
次の集合時刻は、ライブ開始30分前となる18時半ということで、多くの出演者は、先に解散した。
しかし、私やつるさん他、’即興チーム’の人たちは、まだそのリハーサルのために居残っていた。
時間が長く感じられた。
ようやく、出番が回って来て、いざステージに上がったが、どうしようかと思った。
ステージの後ろをモニュメントが飾るので、とにかく舞台の前方に出て来るようにという指示だった。
ステージは結構、床が高いので、怖い。
ステージから落ちやしないか、ヒヤヒヤした。
だが、セットを完了したモニュメントを見てみると、それが占領しているのはステージの端の方だけだったので、即興ダンスを行うには支障はなさそうだった。
安心した。
’講談’の雰囲気を盛り上げてくれた、せっかくの’演台’だったが、演出上、やっぱり、使用しないということになった。
最後に、つるさんの講談が、演台なしでも問題ないかをチェックし、リハーサルを終えた。
時刻は、次の集合時間の18時半まで、1時間を切っていた。
不要になった演台は、他県に配送するとつるさんが言うので、演台をコンビニまで運ぶ手伝いをした。
正直なところ、時間が気になって、気が気じゃなかった。
指定された集合時刻までに、腹ごしらえして、メイクして、着替えを終えていなければならなかったからだ。
その後、つるさんが、デジカメの部品を買いに電気屋に行くと言うので、私ともう一人の素人仲間は、先にスタジオに戻らせてもらった。
スタジオでは、皆、既に食事を済ませ、着替えていた。
私も慌てておにぎり等を掻き込み、メイクに取りかかった。
メイクと言っても、特別なものではなく、汗をかいて落ちかけた普段メイクを、心持ちしっかり整えるという程度のものだが。
衣装は、皆、本当に、思い思いの好きな格好をしていた。
あるダンサーなんかは、ブロンドのウィッグまで!
その他、ミッキーマウスやら、エプロンやら。
エプロンには、「やられた!」と思った。
とても似合っていた。
ダウン症の男の子だった。
とても恥ずかしがり屋で、「似合ってる、かわいい!」と声をかけると、照れて、壁に顔を向けていた。
かわいい。
それにしても、皆の衣装は、私なんかよりも、断然奇抜で、それだけで、観客の注目を集めるではないか!?
今回の私の衣装は、ベルギー旅行の時に新調した、カラフルな蝶の絵柄がついた白いチュニックだった。
チュニックを試着した私を見て、友達が「かわいい!」と言ってくれていたので、私は内心、自分の衣装に、結構自信があったのだ。
しかし、ありふれた日常の格好であり、私の衣装については、誰からも、触れられなかった・・・。
チェッ。 (つづく)
以上、みちょるびんでした!