ダンス! 第一次仕事イヤイヤ期

第一次仕事イヤイヤ期(その117:「チャレンジ、ライブ!」その3編)

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こんにちは、みちょるびんです。

(前回までのあらすじ)
入社して最初の数年は、一つの夢も実現し、何の疑問もなく、仕事に励んでいたみちょるびん。そんなある日、占いで「将来、商売を始める」「自分を抑制している」と告げられ、仕事に対し、違和感を感じ始めた。学生時代に熱中していた「演劇」に活路を見出し、カルチャースクールの演劇講座を受講。そこで出会ったつるさんに誘われ、新たにダンス教室に通うことになったのだが・・・。

【ダンスライブ当日の日記(前半)】

 いよいよ、本番当日。
 まずは、いつものダンススタジオに集合した。

 私も含めた多くの出演者は、13時半の集合でよかったのだが、’新曲チーム’の人たちは13時にスタジオ入りすると聞いていた。
 だから、私も早めに行って、ストレッチするなどした。

 皆の雰囲気は、非常に和やかだった。
 しかし、途中で先生が来られてからは、特に’新曲チーム’は、緊張した面持ちになった。

 確かにね。
 ステージの狭さを意識しすぎて委縮しちゃっているというか、傍目で見ていても、悪いが、こじんまりして見える。
 ダンサーの一人一人が、思いきりに欠けるという感じ。
 先生もまずいと思われたようで、先生が指導したことにより、少しメリハリが出たようだった。

 ’女性アイドルデュオのダンス’の際の、私の立ち位置は、ラッキーなものだった。
 私は一人、最前列で踊るのだから。

 当初、後ろの方で、皆と一緒に踊っていたのだが、ステージが狭いから、前に出て来た方がいいと言われたのだ。
 昨日も、私は、このダンスの振付を間違ってしまい、ダメ出しを受けていた。
 だから、先生から今日も、何か注意を受けやしないかと不安に思っていたが、その点は大丈夫だったのでホッとした。

 しかし、次の曲の’キャラクターの振付ダンス’では、私と並んで踊る予定だったつるさんが、私の前に出て、一人で踊ることになった。
 先生が、そうしましょうということで。
 ちょっと残念に思った。
 が、その曲の後半では、ポジションを交替して、私がまた前に出て来ても良いと言われたので、ちょっとうれしかった。

 本番は、しっかりしないと!

 14時半には、会場となるライブハウスに行くように言われ、それからすぐに移動。
 スタジオから歩いて3分のところと先生はおっしゃっていたが、外は炎天下で、結構、暑かった。
 私たちは、練習着のままの格好で、出かけた。

 今回のステージは、前回の初ライブの時に比べると広くて、床も高い。
 前回よりも、ちょっとだけ、格が上がった感じ。
 まずは、どんな感じか、サラっと立ち位置や出入りを確認した。

 舞台上手の袖の奥にある待機スペースは、とても狭い。
 新曲のダンス終了後、一旦ステージ上のダンサーが袖にハケるので、中は大変混雑する。
 ’待ち組’にも工夫が要求された。
 まぁ、簡単に言うと、出場順に並んで待つということであるが。

 最初のリハーサルは、すぐに終了した。

 次のリハーサルまで、1時間くらいあった。
 他のダンサーたちは、一旦、スタジオに戻ったようだったので、私も、仲良しの素人仲間とつるさんとで、スタジオに帰ることにした。

 ちょうど別の仲間の一人がアイスクリームを買っていたのに出くわし、我々も真似てアイスクリームをゲット。
 糖分補給は、いいアイディアかも知れない。
 スタジオの更衣室には、アイスクリームなどを食べている人たちがいた。
 我々もそれにジョインし、一緒におしゃべりした。
 いい気分転換の時間だったのではないか。

 そして再び、リハーサルの時間。

 16時に、またライブハウスへ出かけた。
 今度はちゃんと踊れるように、ダンスシューズに履き替えた。

 つるさんは、ゆかたに着替えていた。
 やはり、つるさんの和服姿はステキである。
 皆も口々につるさんを褒めていた。

 さて、まずは、つるさんの講談のリハーサル。
 つるさんは、講談スタイルで、先生の紹介を行うのだ。

 演台をステージに持ち込むと聞いていたが、今回のリハーサルではちゃんと、演台がセットされた。
 やはり、これがないと、締らない。
 これでこそ、「講談」という感じではないか。

 しかし、思いの外、この演台が舞台の場所を占めており、一番端のダンサーは狭くて踊りづらそうだった。
 しかも、演台を撤去している中での、新曲チーム退散というような舞台転換の演出となっていて、ちょっと、おかしな間であった。
 かと言って、あの大きな演台を舞台に放置したまま、次のステージは無理である。
 なぜなら、’女性アイドルデュオのダンス’と’キャラクターの振付ダンス’は、ダンサー総出の、大人数の出演だからだ。

 さて、私自身の、歌謡曲2曲のリハーサルの方は、まぁまぁうまくいったのではないか。
 後で、出演するお子さんをビデオ撮影していた、ママさんの録画を見せてもらったのだが、そうでもなかった。

 やっぱり、体勢がフラついている。
 足腰が弱っているから、勢い余ると、フラフラするのよね・・・。
 みっともねぇーっ!!
 どうやったら、このフラフラを解消できるのか。
 これは、もう、訓練するしかないのだろうね・・・。

 次の集合時刻は、ライブ開始30分前となる18時半ということで、多くの出演者は、先に解散した。
 しかし、私やつるさん他、’即興チーム’の人たちは、まだそのリハーサルのために居残っていた。
 時間が長く感じられた。

 ようやく、出番が回って来て、いざステージに上がったが、どうしようかと思った。
 ステージの後ろをモニュメントが飾るので、とにかく舞台の前方に出て来るようにという指示だった。
 ステージは結構、床が高いので、怖い。
 ステージから落ちやしないか、ヒヤヒヤした。
 だが、セットを完了したモニュメントを見てみると、それが占領しているのはステージの端の方だけだったので、即興ダンスを行うには支障はなさそうだった。
 安心した。

 ’講談’の雰囲気を盛り上げてくれた、せっかくの’演台’だったが、演出上、やっぱり、使用しないということになった。
 最後に、つるさんの講談が、演台なしでも問題ないかをチェックし、リハーサルを終えた。

 時刻は、次の集合時間の18時半まで、1時間を切っていた。
 不要になった演台は、他県に配送するとつるさんが言うので、演台をコンビニまで運ぶ手伝いをした。
 正直なところ、時間が気になって、気が気じゃなかった。
 指定された集合時刻までに、腹ごしらえして、メイクして、着替えを終えていなければならなかったからだ。
 その後、つるさんが、デジカメの部品を買いに電気屋に行くと言うので、私ともう一人の素人仲間は、先にスタジオに戻らせてもらった。

 スタジオでは、皆、既に食事を済ませ、着替えていた。
 私も慌てておにぎり等を掻き込み、メイクに取りかかった。
 メイクと言っても、特別なものではなく、汗をかいて落ちかけた普段メイクを、心持ちしっかり整えるという程度のものだが。

 衣装は、皆、本当に、思い思いの好きな格好をしていた。
 あるダンサーなんかは、ブロンドのウィッグまで!
 その他、ミッキーマウスやら、エプロンやら。

 エプロンには、「やられた!」と思った。
 とても似合っていた。
 ダウン症の男の子だった。
 とても恥ずかしがり屋で、「似合ってる、かわいい!」と声をかけると、照れて、壁に顔を向けていた。
 かわいい。

 それにしても、皆の衣装は、私なんかよりも、断然奇抜で、それだけで、観客の注目を集めるではないか!?

 今回の私の衣装は、ベルギー旅行の時に新調した、カラフルな蝶の絵柄がついた白いチュニックだった。
 チュニックを試着した私を見て、友達が「かわいい!」と言ってくれていたので、私は内心、自分の衣装に、結構自信があったのだ。
 しかし、ありふれた日常の格好であり、私の衣装については、誰からも、触れられなかった・・・。

 チェッ。 (つづく)

                             以上、みちょるびんでした!

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