こんにちは、みちょるびんです。
【ある日の日記(前編)】
土曜日の今日は、比較的早めに起きたものの、午前中はダラダラとしてしまった。
午後になり、いよいよ、ラグジュアリー女性誌のプレゼント企画に応募をせねばと思い、取り掛かった。
そのラグジュアリー女性誌は、今回初めて購入した。
1カ月程前に、つり革広告で見た、「クロコダイル・バッグ・プレゼント」「トークショーご招待」という文句につられ、そのまま書店に立ち寄ったのだった。
早々に、応募用のハガキを購入し、準備もしていた。
雑誌では、4種の魅力的なプレゼント企画があったので、私はその全てに応募することにした。
1つはクロコダイル・バッグ。
いくつかあった選択肢の中から、好きなブランドを選べるようになっており、それはすぐに決まった。
1つは、また別のブランドの革ジャケット。
白にするかベージュにするか、色で迷ったが、ベージュにすることにした。
そして、アンケートに伴う専用ハガキを用いたプレゼント企画。
ここでは、ホテルの宿泊券を選んだ。
無難なものにしていた方がいい。
だが、こちらの応募は実は厄介で、いろんな’問い’に答えねばならない仕組みになっていた。
例えば「何に惹かれてこの雑誌を買ったか」「どのトピックが良かったか」「どのファッションが好き/嫌いだったか」等。
まんべんなく、くまなく雑誌の中身を網羅しておかないと答えられないような内容で、仕方がないので、指定されたページは目を通した。
これらは結構、時間がかかるもので、面倒な作業だった。
プレゼント1つもらうのに、こんなに労力を費やさねばならないのか。
愛読者であれば、簡単なことなのか。
私は、普段から、興味のあるページしか見ないのだが。
そうやって、この3つの応募については、何日か前には既に、ハガキの準備はできていた。
あとは、ポストに投函するだけだった。
通勤バッグにも入れて持ち歩いていたのに、結局、「消印有効」期限の今日まで、投函することなく、温めていたのだった・・・。
さて、4つめの応募。
プレゼント企画の本命は、トークショー。
女流作家と女流脚本家の二人によるもので、有名レストランと言われるイタリアンだかフレンチだかもセットになっていた。
有名なその女流作家のエッセイは雑誌等で見かけたことはあっても、小説等、本で読んだことはないし、脚本家の名前も、私は初めて耳にした。
彼女作脚本のドラマも、当然見たことがない。
そんな、よくわからない二人によるトークショーなのに、いつの間にか、自分の中で、本命になっていた。
1つめのプレゼント企画、クロコダイル・バッグは、200万円という高額商品だし、当たれば「最高!」だが、当選者数はおひとり様限りで、倍率も高かろうし、可能性は、ほぼ「0」。
だが、このトークショーは、何だかチャンスがある気がしていて、勝手に、今から、どの洋服を着て行こうかなぁと考えているような始末。
いずれにせよ、これに応募するにあたり、400文字の感想めいたものを提出することが求められていた。
実は、これがまた億劫で、しかも、テーマが「同雑誌の好きなところ、改善を求めるところ」と、購読が初の私には、少しハードルが高いお題だった。
知ったかぶりをして、長年の愛読者を装うことも考えてみたが、それでは、表面上の薄っぺらいことしか書けないだろうし、悩ましいところだった。
が、もう、いよいよ後がなくなった。
早く投函しに出かけねば、今日の「消印」に間に合わなくなる!
こうなったら、正直に、初めて買ったということを白状せざるを得ない。
ただし、「久々にファッション誌を購入したこと、何故なら、同雑誌の内容が魅力的であったから」と書くことにより、編集者を気分よくさせる作戦に出ることにした。
ま、ウソではないのだ。
「久々に」という点は「これまで他に、そそられる雑誌がなかったから」と、同雑誌の強力な吸引力を強調することが狙いであるが、他方で「ファッションに疎い、鈍臭い女」と取られると、逆に不利かとも思い、「宝石の勉強をしており、ファッションには高い関心がある」ということもアピールしておいた。
なかなかいい出来ではないか!
雑誌の募集要項には、「A4サイズ程度のものに記入を・・・」という記載があった。
編集者は、タイプ打ちされた美しく読みやすい書類を期待していたんじゃないかと思う。
が、時すでに遅し。
当家にはプリンターなぞないし、今更、印字なんてできない。
私は、400字の原稿用紙を引っ張り出して、お気に入りの手作り高級万年筆で執筆した。
家にホチキスが見当たらなかったので、2枚目は、用紙の角を糊付けした。
名前、住所等の情報も、同じ用紙に書くよう求められていたため、原稿用紙に記入した。
かなり、不思議な感じになった。
まぁ、原稿用紙は、これはこれで、編集者の印象に残りやすいかも知れない。
たぶん・・・???
封筒は、妹がこの部屋を引き払う時に残していき、且つ、出品したフリーマーケットでも売れ残った、ゴシック調の格調高い柄のついたものを使用。
ますます意味不明。
原稿用紙の使用(しかも糊付け)といい、この封筒といい、「独特なこだわりを持つ、オールドファッションを愛す古風な女性像」が浮かび上がりそうである。
雑誌のテーマ「ラグジュアリー」とは縁遠い感じだが、他に、持ち合わせがないのだから仕方がない。
そうやって、応募用紙を完成させ、家を出る頃には、16時半になろうとしていた。
(つづく)
以上、みちょるびんでした!