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春爛漫♪  オランダ旅行!(完)

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 こんにちは、みちょるびんです。

 オランダの花といえばチューリップを連想する人は多いでしょう。
 オランダは世界で一番チューリップを生産している国とされており、実際にチューリップは、オランダの国花でもあります。
 しかし意外にも、オランダはチューリップの原産国ではありません。

 チューリップの原生地は、北緯40度線に沿った広い範囲に分布していると言われており、その中でも、トルコから中央アジアにかけての地域に野生種の種類が多いことから、この付近がチューリップの原産地であろうと推定されているそうです。
 トルコやカザフスタンでも、チューリップを国花としているらしい!

 チューリップの語源は、トルコ語の「Tülbent」(トゥルベント)に由来しており、「Toulipa」(ツゥーリッパ)、「Tulip」(チューリップ)と、変化していったようです。
 「Tülbent」(トゥルベント)とは、薄地の綿織物のことで、現在ではそこから“スカーフ”を指す言葉になっているそうです。
 しかし、この言葉がヨーロッパ諸国に伝わった際には、頭に巻く「türban」(ターバン)を意味していたようで―――つまるところ、チューリップの名前がトルコ語の「Tülbent」(トゥルベント)に由来しているというのは、‘花弁が、頭に巻いたターバンの形に似ているから’ということのようです☆

 そのチューリップの花を、1594年に、オランダで初めて咲かせたのはフランス生まれの植物学者カルロス・クルシウス。
 1593年10月、ライデン大学の教授に任じられ、ヨーロッパ最初の公営植物園のひとつであるライデン大学植物園(Hortus Academicus)の設立に尽力し、詳細な植栽の記録を残した人物です。

 ライデンと言えば、みちょるびんが、今回のオランダ旅行で、葛飾北斎の肉筆画を見に行きたかった街(「オランダ旅行!(完)」)、だけど、列車事故でそれが叶わなかった街でもある(「春爛漫♪  オランダ旅行!(8)」)。
 ライデンは、オランダ東インド会社の支社があった場所で、貿易で栄えた場所の一つでもあるし(「春爛漫♪  オランダ旅行!(19)」)、また、クルシウスが勤務したライデン大学はオランダ最古の大学なのだそうで―――、ライデンは、オランダの歩みを知る上で、重要な都市の1つであることは確かです。

 クルシウスがチューリップの栽培を始めてからというもの、当時としては珍しいほどに鮮やかな色を持ったその花は、瞬く間に人気になりました。
 人気が過熱し、クルシウスの庭園から希少な球根が盗まれて、高値で取引されるということもあったそうです。
 チューリップを栽培する人が増えて品種が豊富になると、チューリップ人気にますます拍車がかかり、やがては、世界最初の‘経済バブル’と呼ばれる「チューリップ・バブル」(Tulipomania)を巻き起こすことになります。

 「チューリップ・バブル」とは、チューリップの球根の価格が異常に高騰し、突然下落した期間を指し、「チューリップ・バブル」のピーク時であった1637年3月には、1個あたり、熟練した職人の年収の10倍以上の価格で販売されたチューリップ球根も複数存在したそうです。

 こういった1637年の出来事は、1841年に英国のジャーナリスト、チャールズ・マッケイによって著された『Extraordinary Popular Delusions and the Madness of Crowds(邦題:狂気とバブル―なぜ人は集団になると愚行に走るのか)』において、広く知られるようになりました。
 同書では、投資家の多くがチューリップ価格の下落によって破産し、オランダの商業は大打撃を受けたと説明されているそうですが、一方現代では、チューリップに対する熱狂は、マッケイが記載したほど異常なものではなかったとする研究者も多くいるそうです。
 真偽のほどはわかりませんが、いずれにせよ、チューリップ・フィーバーがオランダで起こったことは間違いないでしょう。

 そうそう、「キューケンホフ公園」のパビリオンの1つが「Juliana/Tulpomania」という名前でした!
 そこで、チューリップの球根が異様に高騰したという記事を見た記憶があるので、「チューリップ・バブル」の説明もされていたのでしょう(「春爛漫♪ オランダ旅行!(28)」)。

 いつの世も、珍しい品種は珍重されるもので、単色の花弁ではなく、複雑な線や炎のような形の縞模様による多色のものは当時、特に人気を博したのだそう。
 今日では、このような効果は、チューリップだけが感染するモザイク病(1つの花弁の色を2つ以上に分けて(break)しまう「Tulip breaking virus(チューリップモザイクウイルス)」に球根が感染したため生じる)に因るものとして知られており、当時の新品種のほとんどは、現在では絶滅しているとのこと。

 そういえば、「真珠の耳飾りの少女」を所蔵するデン・ハーグの「マウリッツハウス美術館」では、いくつか花の静物画を観ましたが、チューリップの花弁はいずれも多色使いだったかも知れません!

 最後に―――。
 「キューケンホフ公園」のHPでは、‘クルシウスの庭園’も再現されているという謳い文句も見ました。
 それって、オランダにチューリップを根付かせるきっかけを作ったライデン大学の植物学者カルロス・クルシウスの・・・ってことだよね?

 「キューケンホフ公園」で、みちょるびんがその‘クルシウスの庭園’を見逃さなかったのかどうか、今となっては怪しいところですが、いつの日か、ライデンに行く機会があれば、「ライデン大学植物園」(Hortus Academicus)にも是非、足を運んでみたいと思います♪

                             以上、みちょるびんでした!

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