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出雲旅行!(39.世界遺産たる所以)

投稿日:2025年7月27日 更新日:

 こんにちは、みちょるびんです♪

 前の週の金曜日に急遽、翌1週間の夏休みをとることになったみちょるびん。幸運にも空きが出ていた寝台特急「サンライズ出雲」の寝台Aのチケットをゲット、それを発端に出雲旅行を計画した。結局は「サンライズ出雲」は運休となり乗れなかったが、代わりに飛行機に切り換え旅行を決行。当初の予定ではJR出雲市駅からその日宿泊予定の「日御碕灯台」までは、直通バスで移動することを考えていたが、バスは途中の「出雲大社」までしか行かず、2時間の空きを埋めるためにタクシーを利用した。そうして出かけた日御碕では存分に観光を満喫、翌日は急遽船を出してもらえることになり、日御碕湾遊覧とレジャーフィッシング客のお迎えを体験。「出雲大社」でのお詣りを終えて、迎えた3日目は「石見銀山」に移動。ワンコインガイドツアー「龍源寺間歩コース」に参加し、カフェでの休憩を挟んで大森の町並みを散策。ぎんざんカートで宿屋に戻ってからは、最終日の計画を立てた。旅行最終日は、「世界遺産・大久保間歩一般公開限定ツアー」に参加することになった。

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 「世界遺産・大久保間歩一般公開限定ツアー」、出発進行!

 ネットによると「石見銀山世界遺産センター」からバスの終着地点となる原田駐車場までは、バスで5~6分となっていた。
 短い移動時間ではあったが、ガイドさんは持参したフリップを参加者に見せながら、更に詳しい説明をしてくれた。

 バスの車窓から見えている仙ノ山を指し、緑色の中にむき出しになった岩肌のところで銀が採取されていたことを教えてくれた。

 ネットによると、仙ノ山には銀を産出した鉱床が2つあり、山頂の東側が銀が採掘された「福石鉱床」で、西側は銀と銅が採掘された「永久鉱床」なのだそうだ。
 16世紀から17世紀の石見銀山最盛期の主力は「福石鉱床」だったとみられており、「石見銀山」が国内の他鉱山に先駆けて銀の量産に成功したのは、この「福石鉱床」が掘りやすく、取り出しやすい鉱床だったことが一因と考えられているとのこと。
 なお、これから向かう「大久保間歩」は「福石鉱床」にあたり、前日にみちょるびんが行った「龍源寺間歩」は「永久鉱床」になるのだとか。

 ガイドさんは「石見世界遺産センター」から派遣されているからなのか、ワンコインガイドツアーのガイドさんとはまた違った視点で、より‘世界遺産’を意識した説明が多いような印象を受けた。

 2007年7月に世界遺産登録された「石見銀山とその文化的景観」の中心的価値は、16世紀から17世紀初頭にかけて当時としては大量の銀を産出して国内外の政治経済や文化交流に影響を及ぼしたことと、それを示す全体像が遺跡としてよく残り、地域の社会景観や文化の中にもその面影をとどめている、ということが第一とされるが、実は当時、世界遺産への登録はスンナリいったわけではなかった。

 登録延期の勧告をされそうになった時、その危機的状況を救ったのが「自然との共生」というキーワードを使った補足説明だったと言われている。

 石見鉱山遺跡地内は木々に囲まれ、緑が大変豊かであるが、例えば南米の鉱山跡などは禿山になってしまっており、海外では「鉱山跡地」というと、森林が伐採されて裸地になっている姿がスタンダードなんだとか。
 「石見銀山」で植林が行われていたという記録は確かにあるそうなんだが、しかしそれは「自然との共生」をアピールできるほどに特別なことではなく、植林は、木材や薪、炭の確保の目的や治水、地盤の強化などを目的にごく普通に行われてきたものだそう。

 それに、気温と降水量に恵まれた日本列島では、100年も経てば森林になると言われるほど恵まれた環境にあるため、現在、石見銀山跡地が緑に覆われていることが「自然との共生」によるものであるとは言い難いとする向きもあるとのこと。

 とは言え、大地に穴を開け、燃料を燃やすなどの自然破壊を伴うのが鉱山開発であり、「自然と共生はあり得ない」と経験的に知っているヨーロッパからすると、「石見銀山」の姿は異質であったことは間違いなそうで、「石見銀山」の場合はそこに他の鉱山跡地とは異なる価値が見出されたのだった。

 まるで棚ぼた的な幸運のようにも聞こえそうだが、しかし、古来からの自然に対する日本人の畏敬の念が背景にあったと言えばどうだろう?

 人々は、岩や山など大地に神が宿ると考え、鉱山開発においても山の神を祀って祈りを捧げるなど自然を敬っていた。
 そのような信仰観を持つ者たちが、果たして神を冒涜するかもしれないような乱暴な開発を行うだろうか??

 また「石見銀山」では、他国の奴隷制や植民地のもとにおける開発とは異なり、鉱山開発に携わった人々は労働者とともに鉱山地内で生活を共にしていた状況があったので、自分たち自身の住環境に悪影響を及ぼすようなことはしなかったのではないかということも考えられるとのこと。

 日本国内においてはおそらく、「石見銀山」だけが何か特別というわけではなく、当時の日本の精神性にもとづいた自然な価値観の上に鉱山開発が行われていたということだろうが、国内にとどまらず、世界にまでも多大な影響を及ぼした「石見銀山」のように、自然との共生の意識に基づく開発の痕跡が遺存する鉱山跡は他に類がないということである。

 「石見銀山」の鉱山開発が、日本ならではの文化に根付いていたということを考えると、「石見銀山とその文化的景観」が世界に誇れて当然なのだ。

                             以上、みちょるびんでした!

【参考】
石見銀山と自然との共生を考えるコラム」(中村唯史氏、OHDA WEB MUSEUMより)


【仙ノ山の岩肌】

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