こんにちは、みちょるびんです♪
みちょるびんが亡父・パピーから受け継いだ「千本透かし金細工」が施された昭和レトロの指輪は、真っ赤な夕焼けを連想させるような合成オレンジ・サファイアでした―――(「ヒシヒシ。(66)」)。
天然石に例えるのなら、みちょるびんは「アンデシン」が一番近いような気がしています!
この「アンデシン」という宝石をここでご紹介するにあたり、みちょるびんが持っている宝石関係の本をいろいろと調べてみたのですが、アンデシンについて書かれている本がほとんどないことに気づき、驚きました。
ネットを見ていても、その発見がいつなのか、はっきりしません。
2002年にコンゴ民共和国で発見された新種・・・というような書きぶりも見られますが、おそらくそれは間違い。
2002年にコンゴ民共和国で発見されたアンデシンは、宝石品質で商業ベースに乗せられるほどの量だったので、注目されることになった・・・というところが正しい解釈なんだと思います。
実は、みちょるびん自身も、アンデシンの存在を知ったのは、2000年初頭だったという記憶があります。
正確には覚えていないのですが、2004年1月に東京ビックサイトで開催された「第15回国際宝飾展」だったのではないか!?
みちょるびんが宝石鑑別の勉強を始めたのが2000年5月で、国際宝飾展に初めて出かけたのがその時でした。
その次に国際宝飾展を訪れたのはその4年後だったし、初めて出かけた「ジャパンジュエリーフェア」も2007年。
宝石業界とは異なる業種に身を置くみちょるびんが宝石に多く触れられるチャンスは、基本的にこういった展示会だけ。
コンゴ民で宝石品質のアンデシンが発見されたのが2002年なのだから、2004年1月の時の国際宝飾展が時期的にも最有力だと思われます。
みちょるびんも、初めて見るオレンジィ・レッドの透明石の美しさに驚いたし、だから、がんばってその石の名前を覚えたんです☆
さて、アンデシンの和名は「中性長石」で、「ムーンストーン」や「サンストーン」、「ラブラドライト」などと同じ長石の仲間だと言われています。
だが、みちょるびんが宝石鑑別を学んだ学校の教科書にはアンデシンについての記載はない。
アンデシンが商業的に注目される前に作製されたものだからだと思います。
「ちびまるこちゃん」の生みの親さくらももこさんと懇意にされていた宝石店「ギンザベルエトワール」の創業者である岡本憲将氏(「『ももこの宝石物語』。(2)」)の著書「宝石のエネルギー」(2012年)にはアンデシンが取り上げられていました。
これは貴重!!
「アンデス山脈から採れることからその名がついた。別名サンストーン」とありました。
サンストーンと言うと、アベンチュレッセンスと呼ばれるキラキラしたメタリックなインクルージョンを連想しますが、必ずしもサンストーン全てが特殊効果を有すとは限らない。
「宝石のエネルギー」によると、現在の主な産地はマダガスカルやアメリカですが、チベットのサラでも産出され聖石と呼ばれているとのこと。
みちょるびんはスミソニアン協会が監修した「GEM 宝石と鉱物の大図鑑 地球が生んだ自然の宝物」(2017年、日本語監修:諏訪恭一、宮脇律郎)という特大書籍も持っているのですが、ここでは「中性長石(アンデシン)」という形で、宝石としてというよりは、鉱物として紹介されるにとどめられていました。
色は、白、灰色、緑、黄、赤があるようです。
ネットでは、カラーチェンジするものがあるという記事を見ました。
大変興味深い。
「楽しい鉱物図鑑」(1992年、堀秀道著)の中にも、「中性長石」という文字を見つけましたが、やっぱり、長石の説明の中でサラッと出て来るだけ。
大御所(?)のラブラドライト、ムーンストーン、サンストーンの紹介はされていても、やっぱりアンデシンは取り上げられていない。
なお、初版1977で、1990年再版の「GEMSTONES of the world」(Walter Schumann著)という本の中にも「Andesine」という文字を見つけました。
フェルドスパー(長石)についての説明があり、その中に一言「Andesine」という言葉が登場するだけで、それきり。
写真すらありません。
当時は、宝石品質と言えるようなものがなかったので、簡単に済まされたのでしょう。
それでもアンデシンは1977年にはその存在は知られていたということだし、堀秀道氏だって少なくとも1992年にはその存在を把握されていた。
だからやっぱりアンデシンが’2002年に発見された新種の石’という説は誤りだと思います☆
以上、みちょるびんでした!