旅行

トロムソ旅行の思い出!(第三夜)

投稿日:2024年12月23日 更新日:

 こんにちは、みちょるびんです♪

 10年近く前に初めてノルウェーのトロムソ(北極圏最大の都市。「実況してみた☆(ノルウェー旅行♪ その8)」)を訪れた時の記録(日記)を5夜連続でお届けしたいと思います♪
(「トロムソ旅行の思い出!(第一夜)」「トロムソ旅行の思い出!(第二夜)」)

(続)ある年の2月14日(土)

 夕飯は、目星をつけていたおしゃれなフィッシュレストランに行ってみた。
 開店前で何組かの客が入口の前に並んでいた。
 ようやくドアが開いたと思ったら、予約客で満席と断られた。
 人気店のよう。
 がっかり。

 向かいのレストランが姉妹店のようだったので、その店に入った。
 レジで先に支払いを済ませるという方式のカジュアルな店だった。
 白のグラスワインとシーフードパスタを注文した。
 麺はゆで過ぎだったが、でも味はおいしかった。
 コーヒーも飲んで18時半過ぎに店を出た。

 これから参加する予定のオーロラボートツアーの集合時間は19時。
 港までは近いが、ちょっと早めに行ってみた方がいいと思ったのだ。

 トロムソ到着時は晴れていたのに、夕方になり雪が降り始めた。
 レストランから外を見ていると結構激しかった。
 晴れればいいのだがと祈りながら外に出たが、雪は一向に止む気配はなかった。

 指定されていたボート乗り場に到着したが、そこには誰もいなかった。
 他にも参加者がいるだろうから、何人かの客が待っているだろうと思っていたわけだが、妙に静かだった。

 桟橋の奥に停まっている船で作業しているのが見えた。
 甲板などに積もった雪を払い、出航の準備をしているようにだった。
 しかし出航30分前ということを考えると、遅い準備段階のようにも感じられた。

 女の人がちょうどやって来たので、声をかけてみた。
 すると、準備中の船の出航は20時と言う。
 いや、出発は19時と聞いていると伝えると、別のツアーの船ということであった。

 それにしても、もうあと10分で出航の時間というのにおかしい。
 その人が教えてくれた私が参加するはずのボートは、手前に停泊している船で、電気は点いておらず真っ暗で雪がうず高く積もっていた。
 到底あと数分で出発する船には見えない。

 その人曰く、今日は出航しないんじゃないか?ということだった。
 ショックである。

 私はこのツアーに参加するために、はるばるトロムソまでやって来たのだ。
 高い飛行機代を払って!
 オーロラツアーに参加できないでは意味がない!!

 それで図々しいお願いだとは思ったが、その人のツアーにこれから参加できないかと訊いてみた。
 すると、船内に社長がいるから訊いてみてあげると言ってくれ、案内してくれた。
 船内には50代くらいの男の人と女の人がいた。
 事情を話したところ、20時からの出向だがと参加を許可してくれた。

 ありがたい!
 ディナー付きとも言われたが、食べて来たばかりでお腹いっぱいと伝えると、ディナー分を差し引いて料金を少しまけると言ってもらえた。
 何というラッキー!!!

 かくして私は、オーロラボートツアーにギリギリのところで参加できることになったのだった。

 さっきの女のヒトに会えて良かった。
 会っていなければこういう流れにはなっておらず、悔しい思いをするところだった。

 1時間後、再び私は同じ桟橋に戻った。
 ヒトがいないので思い切って船に進むと、他の客は既に乗り込んでおり、私が最後の乗船客だった。
 15人くらいただろうか。
 中には日本人のファミリーもいた。

 食事が用意されるまでの間、外で街の様子を見るといいと言われたので、甲板に出てみた。
 空は曇っているようだったが、雪は止んでいた。
 どんどんトロムソの街やケーブルカーの山が小さくなっていった。
 が、いつまでも入江の中にいるようで、一向に人家の光はなくならなかった。
 甲板の上は雪が残っているため、長くそこに立っていると足先がかじかんできて冷たかった。
 私は観念して、船内に戻った。

 室内では皆が食事をしていた。
 私がテーブルをシェアしたのは、イギリス人ともう一人どこかの国の男性2人。
 2人はてっきり友達だと思っていたら違ったらしい。

 イギリス人は変わっていて、妙に私に関心を示してきた。
 今日はバレンタインデーだとか、テーブルに灯されたキャンドルがロマンチックだとか話しかけてきて、結婚しているか?とかいう質問もされた。
 私が持っていた本気帽(防寒のためにようやく探しあてた本気の帽子という意味で命名。寒い時は、ファーでできた耳当てを下ろすことで耳を保護することができ、あごのところにあるボタンでしっかりと帽子を固定することができるという優れもの。「狙われたみちょるびん!(3)」)をやたらと褒めてきた。
 どこで買ったのか?、何の毛だ?とか。
 悪いが気色悪かった。

 日本人家族はスイス在住とのこと。
 すでにトロムソには3泊しており、未だオーロラを拝めないでいるとのこと。
 昨日は吹雪いてツアーそのものが中止になったのだそうで、なかなか難しいみたい。
 明日までテント的なところに泊るというオーロラツアーに参加するのだそう。

 このボートツアーだけでも2万円くらいしていて、毎日、しかも家族連れとなると相当な出費だろう。
 大変である。

 私は今夜この一夜にかけているのだ。
 やはり、見たい。

 なんとなく出ているという知らせがあり、外に出てみた。
 1つの方向に雲の筋のようなものが出ていて、それがそうとのことだった。
 アラスカでもこういうのを見た記憶があった。
 もっと光が強くならないか期待して待っていたが、光が強くなることはなかった。

 一旦船内に戻った。
 腰から上は、さほど寒くは感じなかったのだが、足がとても寒かったのだ。
 ニットパンツは履いていたものの、風を通さない素材のものがあればもっと良かったのかも知れない。
 とにかく下半身が冷えた。
 船に備え付けのポンチョを借りたが、下半身の寒さは変わらなかった。

 甲板の上に上がることは、雪が冷たいので躊躇していたのだが、再度上がってみることにした。
 いつの間にか雲が晴れ、満点の星空になっていた。
 そして筋のように見えていたオーロラが頭上の星空を横断するように広がっていくのがわかった。
 結局いつまでももやのようで光が弱かったのだが、そこには確実にオーロラはあったのだった。

 誰もが期待する光のカーテンのようなオーロラではなかったのは残念であるが、それでもこれは十分見たうちに入るというものである。
 時々流れ星を見た。
 美しかった。

 私はもしかすると濃く現れるかも知れないオーロラを、夜空を、ずっと見上げていた。
 とても寒かったが、ここで風邪をこじらせても本望とさえ思ったのだった。

 私の声は、風邪のせいでどんどん出なくなってきていた。
 一生懸命会話をしようとしたが、ダメだった。
(つづく・・・)

                             以上、みちょるびんでした!

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