こんにちは、みちょるびんです。
1.「アマビエ」イラストの流行
最近、新型コロナウイルスの収束を願って、自分で描いた「アマビエ」のイラストをSNSで紹介することが、流行っているそうですね。
ネットニュースで、みちょるびんが崇拝するホラー漫画家、伊藤潤二先生の記事を見つけ、そのことを初めて知りました。
伊藤先生も、「アマビエ」のイラストを描かれて投稿され、反響を呼んでいるという話題でした。伊藤先生らしい作風で、さすがの圧巻でした。
感心しながら見ていたわけですが、そもそも、「‘アマビエ’って、何?」ってことですよ。
2.予言獣
早速、ウィキペディアを見てみたところ、日本の妖怪ということでした。
江戸後期に製作されたとみられる瓦版にその姿が描かれており、海に現れた際に、災難を予言し、自身の姿を描き写したものを人々が目にすることで、除災ができると伝えてきたそうです。
なお、今年4月に入ってから、厚生労働省が新型コロナウイルス感染症のWeb向け対策啓発の広報アイコンとして、アマビエのイラストを使っているそうで、何とも、イキです。
ウィキペディアには、感心するほど、詳しい情報が記載されており、また、出典の紹介もあったので、その中の一つを、読んでみることにしました。
3.長野栄俊氏に学ぶ
長野栄俊「予言獣アマビコ考–「海彦」をてがかりに」『若越郷土研究』第49巻第2号、福井県郷土誌懇談会、2005年、出版者:福井県郷土誌懇談会
非常に、興味深かったので、みなさんの「アマビエ」豆知識のためにも、是非、ご覧になってみてはいかがでしょうか?
さて、長野氏の論文は、妖怪蒐集家としても知られ、妖怪に関する著書や論文も多数著している湯本豪一氏の見解も引用しつつ、考察されたもので、実は、‘アマビエ’は、‘アマビコ(海彦)’の誤記ではないかとの指摘が、湯本氏よりあるとの説明がありました。
年代を確認できる最古のアマビコ史料には、「我等は海中に住むあま彦と申者なり」(『郵便報知新聞」)との自己紹介があるそうで、海彦は単体ではなく、複数存在するかもしれないということが示唆されているそうで、興味深く思いました。
長野氏が今後の課題として、「なぜ文政期頃から明治初頭にかけて、予言獣の話が流行したのかが大きな課題として残された」と論文の最後に書かれていましたが、文政期頃から明治初頭にかけて、いくつかの地域で、海彦と同一と思われる、あるいは似た特性(「作物の豊凶や病気流行・大量死」の予言や「除災方法」の教示を行う)を持つ妖怪が複数回出没しているとありました。
論文では、それぞれのアマビコを、ルックスや予言内容、その対象期間など、いろいろな角度から比較されていて、面白かったです。
4.アマビエの御姿
そんな中で、一番キャッチーなルックスなのは、巷に出回っている「アマビエ」だと、みちょるびんは思いました。
なぜ、ロン毛なの?などと、不思議に思いますが、それも、長野氏が論文の中で触れられていましたよ。
あの「アマビエ」、じーっと見ていると、気のせいか、どこかで見たことがあるような気がするんですよねぇ・・・。
過去訪れた展覧会だったか、それとも何かの本?
前世の記憶ってことは、まさか、ないでしょうっ!?
オリジナルの絵は、実物を元に描き写されたということのようなので、たぶん1枚しかなくて。
その後、除災のために、瓦版の作成も含め、きっとたくさん描き写されていったのだから、絵が得意でない人も中にはいたでしょうし、広まっていくうちに、どんどん、元の絵から原型が崩れていくといったような現象も起こったのではないかと心配です・・・。
後世になり、転写の最終形が発見されても、今や元が同じかどうかなんて、判別が難しいかもしれませんね。
ましてや、今、多くのヒトが「アマビエ」チャレンジしているわけなので、未来には、もう、何がなんだか、わからなくなりそうです。
以上、みちょるびんでした!