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「或る列車」(6)

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 こんにちは、みちょるびんです。

 念願の幻の豪華客車『或る列車』に乗車した!と自慢する割に、いろいろと見逃しが多い、うっかり者のみちょるびんです・・・。
 あるいはこれは、湯布院に向かって進行方向左側の座席に座った者の宿命なのかもしれません!?―――

 さてお次は、列車の旅のハイライト「慈恩の滝」がお目見え。
 車窓からも楽しめちゃうというこのお得感♪

 「慈恩の滝」は、上段20m、下段10mと、合わせて約30mの落差がある二段滝なのだそうで、滝の裏側へ向かうことができることから別名“裏見の滝”とも呼ばれているらしい。
 これは面白そう!
 次回は途中下車して、是非、滝の裏側も見てみたいものです。

 と、目前に出現した神秘的な滝の美しさに興奮したみちょるびんでしたが、ただちょっぴり残念だったのは、やっぱりこの「慈恩の滝」の登場も、進行方向の右側だったということ。
 車内アナウンスがあり、列車が減速してくれたので、かろうじてみちょるびんたちもその姿を拝むことができましたが、慌てて撮った写真には、お隣の方々の頭が写り込んでしまっていました☆

 ま、これも、列車の旅‘あるある’ってヤツけどね。

 みちょるびんがついさっき学習したYoutube動画によると、次なる‘見どころポイント’が姿を現すのは、性懲りもなくまたしても右手の方で、日本の‘ビュート’の代表格である「伐株山」(きりかぶさん)ということでした。
 北山田駅を出発してすぐのことらしい。

 因みに、ビュートとは、侵食によって形成された孤立した丘のことで、頂上がテーブル状に平坦となっているものを言うそうです。
 ネット(!)で確認した緑色の「伐株山」は、確かに頭の部分が平らな台形をしていて特徴的。

 これだって、事前にきちんと情報を仕入れていたら、見逃すこともなかったでしょうに・・・。 

 実は、この北山田駅の隣駅である豊後森駅でも、しばしの停車、ホーム散策の時間がありました。

 ようく目を凝らすと、遠くの方に蒸気機関車が見えました。
 あとで調べてみたところ、その蒸気機関車「29612号」は、‘キューロク’という愛称で親しまれ、大正8年(1919年)に製造されたものだったようです。

 展示されている場所は「豊後森機関区跡」。
 機関区とは、機関車を主とする動力車を収容、管理、運用する鉄道の現業部門のことで、ここには機関庫と呼ばれる機関車を格納、保管する車庫が設置されていました。
 ちょうど、蒸気機関車の背後に見えた建物が、その機関庫だったよう。

 扇型をした機関庫は、かつては九州各地にあったそうですが、現在では豊後森機関区跡のものが九州に現存する唯一の扇形機関庫ということ。
 また、鉄道遺跡として残されているのは全国でもここだけなのだそうで、国の登録有形文化財に登録されているとのことです♪

 写真好きのみちょるびんは、列車から離れ、駅の先端の方まで歩いて行って、蒸気機関車や扇形機関庫を望遠レンズで写真に収めました。

 その時、年配の女性とおしゃべりをする機会がありました。
 同じく「或る列車」の乗客だというそのおばさんは、今日はお嬢さんたちと一緒に来られたとのこと。
 せっかく湯布院まで行くのだから、温泉に浸かって帰ろうというお母さんの提案で、皆で一泊する運びとなったのだと楽しそうにお話されていました。

 こんな風に、隣り合わせた知らない旅人と自然にコミュニケーションできるっていうのも素敵。
 「或る列車」に流れる極上空間に癒され、気持ちが開放的になれた証に違いない!

 さて、再び「伐株山」。
 この「伐株山」は、この一帯のシンボルとして、地元の皆さんから愛されているという情報をネットでゲットしました。
 つまり、この山が北山田駅を過ぎて見えて来る・・・ということなのであれば、お隣の豊後森駅からも見えないはずがないんじゃないか?と、みちょるびん、思い立ちまして。
 更にネットを調べてみたところ、豊後森駅からもその姿を臨めるらしい!

 それで、みちょるびんが筑後森駅で激写した写真をチェックしてみたところ、ありました!
 頭が平らになった山が!!
 奇跡的に「伐株山」がみちょるびんの写真にも写り込んでいましたよ!!!

 みちょるびんも、ギリギリ「伐株山」を見たっていうことで、認定いただければ幸いです。

 それからもう1つ。
 どうやら、停車・散策タイムは、筑後吉井駅(「『或る列車』(5)」)、豊後森駅の前に、もう1カ所あったらしい。

 それはどこだったかというと、夜明駅。

 今思うと、やたらと停車時間が長いなーって、思っていたんですよ・・・。
 偶然、みちょるびんたちの窓の外に「よあけ」と書いた駅名標が停まっていて、なんだか縁起のいい駅名だし、‘人生の夜明けの到来’を祈念して、駅名標と一緒に記念撮影を行っていたんです。

 駅名標がすぐ横に配置していなければ、きっと、よくわからないまま忘れ去っていたに違いないこの時間・・・。

 この夜明駅は、昭和49年の北海道の幸福駅ブームをきっかけに、その美しい駅名が全国に知られ、鉄道ファンや入場券を買い求める人がたくさん押し寄せた時代もあったのだそう。
 そういえば、みちょるびんも幼い頃「幸福行」切符をお土産にもらったことがあったのを思い出しました!
 駅のホームに降り立っていれば、駅舎の横にある「夜明けの鐘」も見学できたらしい。
 この鐘は、2011年に閉校となった夜明小学校で、136年もの長い間、チャイムとして使われていたものなのだそうです。

 最後に―――。

 JR九州さんの名誉のために申し上げると、「或る列車」の各テーブルには、「『或る列車』の走る 日田・玖珠・九重・湯布院エリアの紹介」という冊子が配布されていました。
 この冊子をきちんとフォローしていれば、九州の雄大な景色を余すことなく楽しむことができるようになっています。
 だから、予備知識がなくても大丈夫!

 みちょるびんの場合は、なんていうか・・・、個人に問題があるというか・・・、「或る列車」に乗っている間は、列車の内装、お料理、車窓からの景色、プロフェッショナルなおもてなしをしてくださるアテンダントの皆さん、そしてカッコいいシェフの皆さん・・・と、水晶体を通して入って来る全ての情報がとにかく刺激的で、終始浮かれていました。
 そんな調子だったから、冊子に目を落としてみても、知的活動に必要な「文字」やその「意味」が頭に入って来やしない。
 これはもう、普通の精神状態じゃなかったんだと思います☆

 周囲の人々の様子を知ることで、かろうじて他の人たちと同様に、お隣の窓から「慈恩の滝」を眺めたり、(2回目以降は)停車した駅で降車してみるという行動をとれたように思います。

 が、これがもし、閉ざされた2号車の個室の席(「『或る列車』(4)」)だったら、みちょるびんと母・マミーは、終始置いてけぼりを食らっていた可能性も否めない・・・。
 それに、考えてみると、左側の個室の人たちは、右側の人たちの窓から景色を盗み見るということもできないよね・・・。

 恐ろしいっ!

 だから、今は―――。

 オープンなテーブル席で、ちゃんと団体行動がとれた幸運に、心より感謝申し上げます。
(つづく・・・)

                             以上、みちょるびんでした!

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